
平成14年度の文化庁の調査では、
・時流に乗る。大勢に逆らわず世の中をうまく渡る。
・・・・・・・12.4%
・傾向に逆らって、ある行いの勢いを失わせるような行為をする。
・・・・・・・63.6%
だったとか。考えてみれば、川の流れに棹を差したくらいでは大勢に影響はないわけで、「流れに棹差す」のは船頭さんが、流れに任せて棹で船を進めるってことだから、上記の少数派が正解ということでしょう。
山道を登りながら、かう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、
安いところへ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、
詩が生まれて画ができる。
人の世を作ったものは、神でもなければ鬼でもない。
やはり向こう三軒両隣りにちらちらするただの人である。
ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国
はあるまい。
あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
夏目漱石「草枕」(明治39年)
この名文のせいで、「棹差す」が邪魔するとか妨害するという意味に感じられてしまいます。
・時流に乗る。大勢に逆らわず世の中をうまく渡る。
・・・・・・・12.4%
・傾向に逆らって、ある行いの勢いを失わせるような行為をする。
・・・・・・・63.6%
だったとか。考えてみれば、川の流れに棹を差したくらいでは大勢に影響はないわけで、「流れに棹差す」のは船頭さんが、流れに任せて棹で船を進めるってことだから、上記の少数派が正解ということでしょう。
山道を登りながら、かう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、
安いところへ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、
詩が生まれて画ができる。
人の世を作ったものは、神でもなければ鬼でもない。
やはり向こう三軒両隣りにちらちらするただの人である。
ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国
はあるまい。
あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
夏目漱石「草枕」(明治39年)
この名文のせいで、「棹差す」が邪魔するとか妨害するという意味に感じられてしまいます。
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