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・When I want your opinion, I will know I'm desperate.

流れに棹差す

2004-07-04 09:18:50 | language
平成14年度の文化庁の調査では、

・時流に乗る。大勢に逆らわず世の中をうまく渡る。
  ・・・・・・・12.4%

・傾向に逆らって、ある行いの勢いを失わせるような行為をする。
  ・・・・・・・63.6%

だったとか。考えてみれば、川の流れに棹を差したくらいでは大勢に影響はないわけで、「流れに棹差す」のは船頭さんが、流れに任せて棹で船を進めるってことだから、上記の少数派が正解ということでしょう。

 山道を登りながら、かう考えた。
 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
 意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
 住みにくさが高じると、
 安いところへ引き越したくなる。
 どこへ越しても住みにくいと悟った時、
 詩が生まれて画ができる。
 人の世を作ったものは、神でもなければ鬼でもない。
 やはり向こう三軒両隣りにちらちらするただの人である。
 ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国
 はあるまい。
 あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
 人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

   夏目漱石「草枕」(明治39年)

この名文のせいで、「棹差す」が邪魔するとか妨害するという意味に感じられてしまいます。
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