Ludwig van Beethoven Chamber Ensemble

ベートーヴェン交響曲全曲演奏会企画をより楽しんでいただくために・・・

CDを1枚980円にてお分けします

2006-05-21 23:31:52 | 2.お知らせ

昨年、今年の演奏会のCDを1枚980円+送料にてお分けします。

  • 第1回演奏会:交響曲第4番、第8番、アンコール(12のメヌエットWOo7より第7番)
  • 第2回演奏会:交響曲第2番、第7番、アンコール(12のメヌエットWOo7より第1番)

アマチュアの演奏かつホール備え付けのマイクによるライヴ録音のため、演奏中そのもの、録音状態は完璧ではありませんが、ご興味のある方は下記までお問い合わせください。

問い合わせ先:福島 hidechik@parkcity.ne.jp


第2回演奏会のDVDがもうできた!

2006-05-09 14:07:55 | 2.お知らせ

4/29の第2回演奏会のDVDが昨日宅配で送られてきました。

ビデオ撮影を担当してくれた花形さんがGW中に頑張って仕上げてくれたそうで、早速昨夜視聴しました。

演奏会当日にMDの録音は聴いていたのですが、映像つきだとff→fffの盛り上がりが視覚的効果も加わってパワー倍増!なかなか楽しいです。

出演者の皆様にはジャケットを作成次第お配りしますね。

その前に近いうちにビデオ鑑賞会を企画したいと思います。詳細はMLで流しますね。

by kuro


2番と7番を作曲した頃のベートーヴェン:手紙と恋愛

2006-05-07 10:30:46 | 3.プログラム解説より

  2番は、1800年頃(作曲者30歳)からスケッチ開始、1802年4月末にスケッチブックを持ってハイリゲンシュタットに移り作曲を進め、同年10月下旬にウィーンに戻り、秋のうちに全曲を完成させました。この間に起きた重大事はなんと言っても、「ハイリゲンシュタットの遺書」と呼ばれる弟達あての手紙が執筆されたことでしょう。この手紙は、弟達に渡されること無く、机の中に保管されていました。彼は28~29歳頃から耳の疾患に悩まされるようになり、1801年に書かれたヴェーゲラー博士(少年時代からの親友、医師)宛の手紙の中でも、この疾患のために「2年ほど前から交友関係を避けている」、と書かれています。「遺書」には、耳の疾患の事と、作曲家であるが故の悩みが綴られていますが、「芸術が僕をひきとどめた」とあり、遺書というよりは、新たな人生への出発宣言と呼ぶほうが適当でしょう。「徳」についての記述は私たちに対する強いメッセージでもあります。

   また、2番作曲の前後には、ジュリエッタ・グイッチャルディ(14歳年下、「月光」が捧げられた)との恋愛が破局を迎えており、このことも"遺書"の執筆に関連、との説もあります。

   7番は、1811年10月頃(作曲者41歳)に着手され、翌年5月にほぼ完成、最終形の仕上がりは1813年1月とされています。「運命」「田園」完成後、約3年をあけての着手です。この間、政治面ではナポレオンがウィーンに入城。恋愛面では、若い頃に親しくピアノを教えたジョセフィーネ・ダイム未亡人(9歳年下)との交際と彼女の突然の再婚、テレーゼ・マルファッティ(22歳年下、「エリーゼの為に」が捧げられた)への求婚と失敗、そして「不滅の恋人」の存在がありました。

   「不滅の恋人への手紙」(1812年)は、彼の死の翌日に、遺産の株券と一緒に発見されました。手紙には、成就しえない恋愛状況についての相手への力づけと自身の揺れる気持ちが綴られています。文中、日付や地名等ヒントは若干あるものの、肝心の宛名がないため、長い間研究者の謎解きの対象でした。現在では、現スロヴァキアのテープリッツで、7番着手の頃から恋愛関係にあったアントーニア・ブレンターノ夫人(10歳年下、ベートーヴェンとゲーテを引き合わせたベッティーナ・ブレンターノの兄嫁)宛に書かれた、との説が有力です。彼女は初めてそして唯一彼の愛情を受け入れた女性ですが、彼は逆にこの手紙を書くことで結婚願望を絶ち切り、以後女性と恋愛に落ちることはありませんでした。


2番と7番の音楽的な特徴について

2006-05-07 10:17:30 | 3.プログラム解説より

【共通の特徴】
  ・ 調性:9曲のうち、唯二のシャープ系の曲であること。各交響曲の主調を符号で記すと…
     ①-   ②♯♯ ③♭♭♭④♭♭ ⑤♭♭♭⑥♭  ⑦♯♯♯⑧♭  ⑨♭
  ・ 1楽章に充実したAdagio序奏を持つこと。各交響曲序奏部分の小節数は…
     ①12   ②33  ③-    ④38    ⑤-     ⑥-   ⑦62   ⑧-   ⑨-

【2番について】
  ・序奏の冒頭リズムは1・4楽章で活躍。序奏の一部分は、第9番第1楽章を思わせます。
  ・1楽章、序奏の後の「第1主題はヴァイオリン」との常識を破り、ビオラ・チェロが演奏。
    (参考:"ラズモフスキー"四重奏曲第1番第1楽章)
    グスタフ・マーラーは彼の第2交響曲の冒頭主題として引用。
  ・1楽章では、"クレッシェンド"は頻繁に登場するが、"デクレッシェンド"は1箇所だけ(どこ
    でしょうか?)。つまり、音量が拡大しては、突然pianoになる、"リセット"の音楽となっている。
  ・2楽章はソナタ形式(呈示-展開-再現-コーダ)。弦楽器4声とクラリネット・ファゴット4声を
    ベースとする室内楽的な展開。途中、深い"祈り"の瞬間があります。
    (参考:弦楽四重奏第15番第3楽章)
  ・3楽章。ベートーヴェンの特徴である"スケルッツォ"楽章の登場。
    (交響曲第1番は"メヌエット")
  ・4楽章、冒頭の不意打ち的なリズムと和音進行が特徴。

【7番について】
  ・ 1楽章主部の大部分は、同一の付点リズム(休符有り・無しの2パターン)の反復から成り
    立っています。終結部では、チェロ・コントラバスがF-E-D♯-Eの音形を11回繰り返して
    盛り上がり。
  ・2楽章も、四分音符+八分音符の同一リズムの繰り返しから成立。
  ・3楽章だけは♭一つのヘ長調。(他の交響曲の3楽章は主調で書かれている。)
  ・4楽章、2番と同様、不意打ち的な和音・リズムからスタート。終結部は、チェロ・コントラ
    バスのうねり、E-D♯の繰り返し、木管楽器の休符なしのクレッシェンドに注目。


ベートーヴェンの交響曲の初演

2006-05-07 09:41:10 | 3.プログラム解説より

9曲の交響曲を本人はどのような思いで作曲し、初演に臨んだのでしょうか。交響曲が初演された演奏会は、自主演奏会・慈善演奏会・貴族や友人主催の演奏会、の3種に大別できます。「自主演奏会」は慈善演奏会(戦争負傷者へのチャリティーが多かった)出演の報酬として与えられる機会で、ベートーヴェンは自主演奏会にはかなりの意気込みで臨んだものと思われます。それぞれの初演時の、作曲者の年齢と、一緒に演奏された曲は…

     1番(30歳):ピアノ協奏曲1番・7重奏曲
     2番(33歳):交響曲1番・ピアノ協奏曲
     3番・オリーブ山上のキリスト3番(35歳):他曲不明
     4番(37歳):交響曲1番~3番、ピアノ協奏曲4番、コリオラン序曲 (2晩連続)
     5・6番(38歳):ピアノ協奏曲・合唱幻想曲・ミサ曲より (1晩)
     7番(43歳):ウェリントンの勝利
     8番(44歳):交響曲7番・ウェリントンの勝利・おののけ背徳者よ
     9番(54歳):献堂式序曲・ミサソレムニスよりキリエ・クレド・アニュスデイの3曲

このうち、1・2・5・6・8・9が「自主演奏会」での初演。7番はウィーン大学でのチャリティー演奏会で初演されています。2番は概ね好評、7番は熱狂的に歓迎され、特に2楽章がアンコールされた、とのことですまた、5・6番の時は新曲が多すぎ失敗、9番は大成功でした。

ベートーヴェンの日記には、8番初演時のオケは、ファーストヴァイオリン18、セカンドヴァイオリン18、ヴィオラ14、チェロ12、コントラバス7、コントラファゴット2という編成だった、ということが記されています。これは、通常時の3倍編成だったらしい。