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硝子体、網膜剥離手術

2010年04月23日 13時00分44秒 | 医療用眼鏡

まず硝子体と網膜についてご説明します。

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硝子体は目の中心部分にあり、ゼリー状の物体です。

眼球の形を保つ役割を果たしています。

硝子体は年齢と共に液化していきます。

網膜は光を感じる細胞(桿体細胞)と色や形を感じる(錐体細胞)があります。

カメラのフィルム部分に当たり、とても大事な部分です。

網膜色素変性症は桿体細胞が変性してしまい視力低下をもたらす難病です。

  

硝子体手術とは?

    

眼球の中心にある硝子体というゼリー状の組織を除去する硝子体切除術を基本とする手術です。

その他、眼内からレーザーで網膜を凝固する眼内光凝固術、剥がれた網膜を復位したり、出血を抑えたりするために眼内の水を気体などに交換する硝子体置換術などの手技を組み合わせて行います。

眼に1ミリの小さな穴を3箇所あけ、1箇所に注入針を固定して還流液を入れ、残った2箇所から眼内を照らす眼内照明と硝子体カッターを挿入します。

その後、角膜上にのせた特殊なコンタクトレンズを通して、眼内照明の光を頼りに手術を進めます。

硝子体カッターで硝子体を含め出血や増殖膜を細かく切りながら、硝子体を吸引切除していきます。

  

網膜剥離手術とは?

  

網膜裂孔・円孔だけであれば、レーザーによる網膜光凝固術あるいは網膜冷凍凝固術で網膜剥離への進行が抑えられることもあります。

すでに網膜剥離が発生してしまった場合、多くは手術が必要となります。

網膜剥離は治療せずに放置した場合、失明する可能性の高い病気です。

手術は大きく分けて2つの方法があります。

  

①目の外から網膜裂孔に相当する部分にあて物をあてて、さらに孔の周りに熱凝固や冷凍凝固を行って剥離した網膜を剥がれにくくし、必要があれば網膜の下に溜まった水を抜くというやり方です。

必要に応じて、あて物を眼球に一部あてるだけでなく、眼球を輪状に(リング)縛ることもあります。

剥がれた網膜を目の中から押さえつけるために、眼内に空気や特殊なガスやシリコーンオイルを注入することがあり、この場合は手術後にうつぶせなどの体位制限を伴う安静が必要です。

  
②目の中に細い手術器具を入れ、目の中から網膜剥離を治療する硝子体手術という方法です。

この方法では、剥がれた網膜を押さえるために、ほぼ全例で目の中に空気や特殊なガスあるいはシリコーンオイルを入れます。

この方法においても手術後にうつぶせなどの体位制限が必要となります。