気分はいつも、私次第

ETV特集『性犯罪をやめたい』<1>

Eテレ ETV特集『性犯罪をやめたい』
2019年6月8日(土)23:00~放映されました。
再放送は、2019年6月13日(木)00:00~(12日(水)の24:00~ですね)

えっと、最初に書いておきます。
コレは、正直、見ていて不快でした。
だから・・・記事の言葉がトゲトゲしていたら、ゴメンナサイです。


・・・・・・30代男性の受刑者へのインタビュー
「・・・・痴漢と盗撮で捕まって・・・
 盗撮でいえば、おそらく200か300くらいやっているかなと思います。
 痴漢については、電車内で多分 100回くらいは繰り返して・・・
 はまってまして・・・」

きっかけは、高校生の時、満員電車の中で偶然女性のお尻に触れてしまい
衣服越しだが、女性の身体に触れることで性的に興奮した、という。
手口は・・・触れて反応がなければ、この女性を覚えていて
後日同じ時間の電車を選んで、同じ女性を狙って・・・エスカレートして・・・
足、下着、そして下着の中に手を入れて・・・性器に直接触れることもあるという。

被害を負わせた女性への謝罪を口にするも
出所して以前の生活に戻ったら、また同じことを・・・ともいう。


こういう冒頭からスタートします。
このインタビューの受刑者が、その後登場する男性達の中にいるかは不明。
多分、何も説明がないので、いないと思いますが。

横浜市にある精神科クリニック。
毎週水曜日に、かつて性犯罪を犯した人達が集まる。
盗撮、痴漢、のぞき、強制性交・・・・
逮捕や服役をきっかけに、性犯罪を断ち切りたいと思う人達が
自主的に集まっている。
担当する臨床心理士は、
性犯罪を繰り返す人々を「性嗜好障害」と診断して治療する試み、という。
臨床心理士が指導するプログラム。
参加者は、自らが犯罪を犯した理由を見つめ直し、再犯予防策を考えるという。
この番組は、このプログラムの密着取材、ということです。
ついでに書きますが「初」だそうです。

この説明からお分かりいただけると思いますが
性犯罪を「性嗜好障害」という診断名をつけて
疾病という視点から、再発防止になる手立てを、自らが模索する、
というプログラムですから・・・・
薬物依存、アルコール依存、ギャンブル依存などなどと
同じ視点で、という気がしました。
今現在は、依存症は個人の我慢や忍耐の不足から起こるもの、
つまり個人の心や意志の弱さが招くもの、という従来の考えから
依存症という病気であり、これは専門家の指導の下、治療すべきものであり
個人が~家族が~では、無理なモノであるという考えが、浸透していると思います。

この番組では、性犯罪も、このような依存症の一種であるという考えのもと
グループによる再発防止プログラムを組み
自分自身を見つめて、犯罪の元になるものを探る、ということだと思いました。

プログラムの初日、まずスケジュール帳が配られます。
1日の行動を詳細に記録して、
どういう時に問題行動をしたくなるかを探る、という目的があるそうです。


臨床心理士
「・・・欲求を感じることというのは
 必ず日常生活の中で、みなさん、あるかなと思います。
 欲求を感じたり思い出したりするようなことがあれば“黄色”
 無事何事も安全だな、と思って過ごせたら“青”というような規準を
 シールでつけてもらえたら・・・というふうに思っています」

1週間後 参加者は皆の前で1週間のことを報告します。

強制性交の男性
「休みの日、黄色。
 毎週市営のスポーツセンターに行って、体動かすんですけども 3時間
 何でか知らないけれど、すごいかたがいて・・・ピチピチの格好で・・・・
 トレーニングをしている子がいたので、もう気になってしょうがなかったです」

盗聴の男性
「先週木曜日と、この前の日曜日 2回黄色
 日曜日は子供と一緒にお台場に行って
 ・・・派手な格好というか軽装の女性が多いので
 足が見えている女性ですね・・・ショートパンツでもミニスカートでも。
 ・・・・子どもがいて、手をつなぎながら歩いているのに
 ちょっと気になって、ちらちら見ちゃうっていうのは・・・・
 残念ながら、ありましたね」

痴漢の男性
「電車移動中に 昼間だったんで、そこまでの満員ではないんですけど
 肩が触れ合うくらいの混雑具合のときに
 胸の大きな女性の近くに寄っていってしまったっていうのが
 一応黄色にカウントしています」

・・・・・・逮捕され性犯罪をやめたいと思っているが、欲求を抑えられない・・・・

のぞきの男性
「・・・黄色は2日間 
 アパートの隣の家(部屋)に若い女性が住んでいるのを知ってしまったんですね。
 帰ってきたときの音とか聞こえるんですよ。
 それが夜、けっこう遅めの時間に聞こえてくるので・・・
 ベランダでのぞきをしたくなるっていうのが、ものすごく欲求が高まって
 どうきがすごいして、手が震えたりとか・・・ってことがありました」

痴漢の男性
「(手帳を見ながら)ほぼ(毎日)黄色なんですよ。
 その中でいつもの道とはちょっと(違う)女の人の歩く道に行っちゃって
 自転車から降りちゃって、わざわざついていっちゃうみたいな・・・
 で、もう、接近する(じゃなくて)抜かしていくときに
 もう(痴漢)やっちゃおうかなとか、一瞬よぎったんですけど、そのまま・・・
 最悪の事態はなく・・・・」


正直に書きます。
書いていて、ウンザリしています。
正直正直、視聴姿勢(態度も気持ちも)ウンザリでした(苦笑)

この後も、参加者の声を聞きながら、考えたりしていきます。
参加者自身が言葉にして、それを自らが考える。それがメインだと思います。
また参加者が互いに意見を述べ合うことも、あります。
だから・・・・指導するという臨床心理士に方は
なにか講義的にアドバイスを与える、ということではなく
言葉=思考を導き出す役割をしているように思えました。

よくTVなどで紹介される薬物依存者の更生グループでは
「今日1日、我慢できた」を繰り返すだけ、という主旨の言葉がありました。
だから・・・・この性犯罪に対するプログラムも
「今日1日、我慢できた」という風に過ごすのかなぁって思いました。
最終的に、それが目標って感じで。

番組では、プログラムが順を追って開始されます。
パブロフの犬、を持ち出して
性犯罪を繰り返すのは、条件反射になっているのでは?とか。
また引き金=トリガー、という視点から考える場面も。
つまり、何かがきっかけとなり、犯罪を犯してしまう。
そのきっかけになるもの=引き金=トリガーが、あるのでは?
と参加者たちに考えてもらうプログラムです。

強制性交の男性
引き金となる場所は、1Rマンション・アパート 女性っぽいカーテン
時間帯は夜11時頃から4時頃 この時間帯に外にいると危険かな
状況は、アパートの窓が開いている 侵入したくなる、変な感情がわいてくる
「それを見ると、セックスをしたいっていう感情がわいてきて
 こんなチャンスなことは2度とないだろうって思っちゃって・・・・」

他にも、引き金として
「分かれた妻と背格好が似ている」「スカートの短い女子高生」
「セクシーな露出の多い女性」などの声が。
また風呂場ののぞきを行っていた男性は
「風呂場の明かり」「石けんの匂い」などが引き金になるという。

順々に進むプログラム。
対処法も、自分なりに考える。
電車内での痴漢行為を我慢したい男性は、
電車内で「子供の写真を見る・両手で荷物を持つ」
など、自分なりに考える。
中には「警察や護送車の写真を見る」と抑止につなげる人も。

しかし、ココで記録係として参加している女性スタッフから声が挙がる。
この女性は、精神保健福祉士の資格を持っている。
電車内での痴漢行為の抑止として挙げられたものは
満員電車で身動きできない状態=人と密着している状態では、難しいのでは?
との指摘だ。確かに・・・・

あるプログラムでは、行動機能分析として
引き金から思考や感情、そして行動や結果という風に
つながる一連の行動思考を考えてみる。

思考や感情の部分で
「たまにならいいだろう」「触るぐらいいだろう」
などの声が出てくる。

痴漢の男性
「・・・・やっているときは、相手のことは全然 考えていないですね。
 自分の欲求を満たす だけ」

強制性交の男性
行動について
「見つかるまで探し続ける」「深夜マンションを徘徊」などという。
そして犯行後の結果として「満足」「またやりたい」と。

痴漢の男性
「・・・個人的には、おかしい ゆがんでいるってわかるんですね。
 ただ私みたいな こういう繰り返しちゃう人と、
 そうでない人の一番の違いって
 例えば触るくらいならいいだろう そんなわけないって思っているんだけど
 成功しちゃっている体験を持っているから
 100人が100人そんなわけないんだけども
 1人とか2人とか そういう人がいるであろうっていう
(臨床心理士「触ってもOKな人がいる?」)
 ・・・・いるかもしれない そういう経験
 うまくいった経験を持っちゃっているから
 ここを変えるのって すごく難しいんですよね」

この後、参加者に個人的にインタビューをしています。
それぞれが、動機を含めて犯罪を犯すことや、その心理について
語っています。
触れることで安心する・・・・人のものを盗ったという征服感・・・
犯罪を犯す=達成すると、すごい満足感が生まれて・・・また・・・

言い訳を述べるプログラム
・・・・ばれなければいいでしょ これを逃したらもったいない
孤独でさみしい 今日で最後にしよう
目の前に来た女性が悪い 景気づけ・・・・

ここで「さみしい」と発言した痴漢の男性は
「まだ(この中では)さみしいだったら許されるのかな」という。
盗撮の男性
「全般的に見ると 自分のことしか考えてないなと」

インタビュー 痴漢の男性
31歳の時、初めて刑務所に入った。
それから2年おきくらいで・・・
今まで7回刑務所に入っているという。
痴漢が生活の殆どになっている。痴漢をするために電車に乗る。
朝から昼過ぎまで おなじルートで痴漢をしている。
・・・・自分でもおなしいなぁと思っていると、いうが・・・

「・・・・相手の女性を支配できるというか
 身動きできない状態で 自分の思うがままに 
 できているような気がするんですよね。
 日常ではなかなか支配してるって味わえない。
 どう別のもので捕らえるかなっていうのは なかなか・・・思いつかない」

痴漢の男性(先ほどとは別の男性?)
「自分の行為に抵抗してない。この何分間か・・・・
 自分の思うままのことができるし
 そこは自分と相手の世界が作り出せるみたいな」

終盤に近づきます。
問題行動の克服を続けた場合 悪いこと、として
「我慢し続けなくちゃいけない」「行動が制限される」
「治療に時間がとられる」「ストレスがたまる」
「以前の快感を もう一生味わうことができない

犯罪を犯したため、服役、職場や家族を失う人もいる。
それなのに・・・

5年後、10年後の自分について
「子どもに後ろめたい気持ちなく 話せる自分になっていたい」と語る参加者。
また痴漢の男性は
「(電車のない)どこかに移住をということを妻と話している」とも。

インタビュー 強制性交の男性
小学校時代の下着泥棒から始まり
痴漢、のそき、強制性交などの性犯罪を繰り返してきた。

「・・・・・僕の場合 今だと薬を飲んでいるんですけども
 その薬が、うつの薬なんですけども
 それがどうも性欲に効くんじゃないかっていうのがあって
 ・・・・それを飲んでいるときは
 女性の裸を見ても、全然興奮を覚えることがあまり
 なくなってきまして・・・・
 それで、これならちょっと 女性に対して
 そういうふうにおもうことはないなっていう
 まぁなくなったっていうことはないんですけども
 小さく低くなってきて・・・・」

この男性は、今も外ではなるべく女性を見ず、
絶対に目を合わせないことを心掛けているという。
以前は女性を性の対象としか見られなかったが
しかしプログラムに参加するうちに変化が起こったという。

「・・・・女性をどうしたら人と見れるのかを考える、というか
 とにかく会話をできるようにしようかと。
 そういうふうに自分から変わっていかないと
 また 過去の自分に戻ってしまうし・・・・
 ここで 2度と そういうことをしない自分を
 まぁ作り直すって言い方、おかしいですけども
 まぁ考えて・・・今は生活しています・・・」

この男性は、最近仕事を始めたという。
働いて恋をする。
これまでの人生でできなかった普通のことをしたいという・・・・

「女性の見方が変わってきて・・・基本は見ないですけども・・・
 その・・・こんなことやっても恋愛したいなっていう気持ちが
 強くなってきて。
 恋愛をしてちゃんと付き合ってセックスしたいなっていうふうに
 そこまでの流れです・・・・僕の場合・・・

番組スタッフが問う。
 「彼女ができたとして、自分の過去をどういうふうに?」

「・・・それ 僕の人生の最大の問題で・・・
 彼女にしゃべって 嫌われるの覚悟で理解してもらうのか
 それでもずっと墓場まで持っていくのか・・・ 
 まだそれは答えが出ていないです・・・
 つきあう前にしゃべるのか
 「俺 こんな人間だけどいい?」とか
 ・・・まぁそこは 答えを出すのは彼女なんで・・・
 そこはちょっと僕にもわからない・・・
 いつ言うタイミングか ちょっとわからないですね・・・・」

    
出所後の民間のプログラムを受けられる場所の制限されているし
また、受講するか否かも、個人次第であるということが語られる。


臨床心理士
「現在みなさんは再び問題行動を行わないようするために
 さまざまな努力を続けています。
 これらの行動を「いかりの綱」と呼ぶことができます。
 より安全な状態に自分がいるために
 生活の中で必ずあったほうがいいなと思えるような行動を
 リストアップして書いてみてください・・・・」

性犯罪に漂流しないための「いかりの綱」
なんとか自分を安全な場所につなぎとめるための・・・・

「子どもを毎日抱きしめる」
「月1回寺でお坊さんの説法を聞く。あちは家族との会話」
「自分で自分を褒めて それを書きとめる」
「毎日必ず子どもと遊ぶ。その日のことを妻と必ず話す」
「亡くなった親父の仏壇に、朝晩語りかける。
 捕まった時の資料を手元の近くに置いて
 弱ってきたら見返すようにする」
「週に1~2度、好き物を食べに行く」
「深夜いかなる場合にも、外に出ない。
 仕事が終わった後、このクリニックに寄って
 ケースワーカーに報告して帰る」

などの言葉が出てくる・・・・





・・・・・・感想は次に書きます

あ~シンド
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ドキュメンタリー」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事