ニホンオオカミの正体!

1905年に絶滅したはずなのに、生き残りの噂が絶えないニホンオオカミのことについて考えます。

驚きました。

2008-02-01 17:57:32 | ニホンオオカミ
あるサイトに次のようなことが掲載されていました!DNA分析に成功

 ニホンオオカミのDNA分析に初めて成功したのは、石黒直隆・帯広畜産大学助教授(当時、現岐阜大学教授)です。5年前の2002年9月19日に発表されました(「毎日」)。
 分析したのは、連載3回目で紹介した江戸時代末期に射殺された高知県仁淀村のオオカミです。同年5月、石黒氏らが骨粉や肉片を採取、ミトコンドリアDNAを分離増殖し、塩基配列を確定しました。その結果、オオカミの特徴を持ってはいるものの、モンゴルや中国のオオカミとは遺伝的に遠く、シベリアン・ハスキー犬にもっとも近いことがわかりました。
 これは、驚きです。というのは、北方系のエゾオオカミに対して、ニホンオオカミの先祖は、モンゴルや中国のオオカミと遺伝的に近いのでは、と思いこんでいたからです。
 シベリアン・ハスキーは、シベリア北東部の極寒の地に住むチュクチ族に数千年にわたって改良されてきたそりイヌで、オオカミそっくりな風ぼうのイヌです。チュクチ族は、高価な毛皮の獲得を狙って、武力でシベリア全土を支配下に置こうと東進してきた大ロシア帝国に対して抵抗を続け、長年にわたって独立を維持してきた民族です。

「エゾ」は大陸系

 その後、石黒氏はエゾオオカミとニホンオオカミの遺伝的違いの解明に着手、2003年3月、日本獣医解剖学会で、「絶滅した日本のオオカミの遺伝的特徴と系統解析」と題して、講演しました。その要旨を紹介します。
 〈目的〉 エゾオオカミは形態的にもニホンオオカミに比べて大きく大陸系のオオカミとされてきた。一方、ニホンオオカミは大陸系オオカミと比べ、体型が小さくイヌに近い形質を有していた。本研究では、絶滅したオオカミの骨よりミトコンドリアDNAを増幅し、エゾオオカミとニホンオオカミの遺伝的な違いについて解析して大陸系のオオカミと比較したので、その成績を報告する。
 〈材料と方法〉 エゾオオカミは、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園に所蔵されている四肢骨を2個体分解析した。ニホンオオカミは、第134回日本獣医学会で報告した四国・高知産のニホンオオカミ1個体に加えて、骨の特徴からニホンオオカミと同定され博物館などに保存されていた試料4個体を解析した。ミトコンドリアDNA(mtDNA)の分析は、骨より骨粉を採取し骨に残存しているmtDNAのDグループ600bpをPCR法にて増幅し、これまで報告されているオオカミとイヌの塩基配列と比較して系統解析を行った。
 〈結果と考察〉 今回解析したエゾオオカミ2体は、mtDNAの塩基配列が同じであり、系統解析した結果、大陸系オオカミに分類され、増幅した600bpの塩基配列はカナダ・ユーコン地方のオオカミと同じであった。ニホンオオカミに関しては、2個体は十分な領域が増幅できなかったが、残り2個体は以前報告した高知産のニホンオオカミと系統樹上ほぼ同じグループに位置し、大陸系のオオカミとは異なっていた。

ユーラシアから

 石黒氏らの研究から推測できるのは、ユーラシア大陸にいたオオカミが陸続きだったベーリング海峡を越えて、アラスカに行くとともに、北海道にも進出してきたのだろうということです。
 しかし、ニホンオオカミがなぜ中国やモンゴルのオオカミよりシベリアン・ハスキーと遺伝的に近いのか、わかりません。なぞのままです。今後の解明が期待されます。 びっくりしました。ニホンオオカミはオオカミから犬へのミッシングリンクかもしれません!これでは、ニホンオオカミが生き残っていても、益々、犬として処理されるでしょうね。


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