東京保健生活協同組合 看護部・看護学生室ブログ

奨学生活動や研修の様子
看護の現場の情報をお知らせします♪

土曜講座「血糖測定」について

2015年09月30日 | 勉強会

こんにちは、東京保健生活協同組合 看護学生室です

9月19日(土)大泉生協病院にて、3階病棟の2年目看護師が講師となって土曜講座「血糖測定」を行いました。
まずはじめは、資料を使って糖尿病についての学習。
糖尿病のメカニズムについて、病態生理のおさらいをしました。

そして、糖尿病の診断基準や、即時血糖値とHbA1cの違いなどを学習したあと、実際に即時血糖値の測定を行いました!


指の先に針を刺して血を出します! 自分に針を刺すことって、あまりないのでドキドキしますね~。


血液を吸い取らせた試験紙(チップ)を測定器に装着すると、血糖値がピピッと表示されます!


このように機材を使って、指先で測る血糖値は、今・現在の血糖状況を知ることができます(これが即時血糖値)。

インスリン導入をした糖尿病の患者さんが自身の疾患と向き合い自己管理するためには、高血糖や低血糖の自覚症状を理解して自分自身で観察できるようにしていくことと、血糖自己測定が大切です。

そこで、看護師の役割として、自身の血糖値を普段から知っておくように患者さんに指導することが大事なのだそうです!


もちろん、患者さんにとって自分に針を指すのは心理的抵抗もあります。
また、ご自身の生活や仕事もある中で、自己管理を毎日続けていくのはとても大きな負担です。

今回の講師である冨田看護師も、臨床の現場ではたくさんの困った患者さんに出会ったそうです

穿刺前に消毒をしない人や、同一部位でのみ穿刺をする人…デニムズボンの上からインスリン注射をする人…自己判断でインスリンの量を増減してしまう人…

いろいろな人がいますが、その人、その人に合わせた指導方法で、患者さん自身とよく話し合って、現実的な方法を見つけていくことが大切だということです。
冨田さんは、患者さんの病態や生活習慣などの個別性に配慮した指導用パンフレットを作成し、より身近に感じてもらえるよう工夫をされていたそうです

最後に、こんな言葉を紹介してくれました!

「指示や説得ばかりするナースよりも、むしろ主体性を尊重しながら一緒に取り組んでくれるナースのほうが、力強く感じられるのである。
いつも看護の専門家が温かく見守ってくれる中で、自分自身の気持ちで物事を決めていけるということが、病気の生活を生き抜くための動機付けになるのである。」

(長谷川浩、石垣靖子著『共感的看護』より)

今回は、血糖測定の手技のみにとどまらず、患者指導の際の心がまえについてもアドバイスをもらえ、たいへん有意義な講座になりました☆

講師の冨田さん、ありがとうございました

土曜講座は、奨学生だけでなく一般の学生さんの参加も歓迎しています
奨学生活動に興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください☆
また、奨学金・奨学生ってなに? という方は、こちらの概要もご覧ください

 

模擬面接開催中!

2015年09月15日 | お知らせ

こんにちは、東京保健生活協同組合 看護学生室です。

夏の猛暑から一転、涼しい気候が続いていますね
看護学校を目指す受験生のみなさん、そして国家試験に向けて勉強中のみなさんは特にこれからの時期、体調に気をつけてくださいね

さて、東京保健生協の二つの病院(東京健生病院・大泉生協病院)では、9月~11月にかけて、
看護学校受験生の方を対象とした模擬面接を開催しています 

模擬面接では、各院の看護師長が面接官となって、受け答え、マナー、願書の書き方などなど、看護学校受験のポイントをわかりやすくアドバイスいたします!

看護学校の入試ではかならず面接試験が行われますが、
なかでも推薦入試では特に面接の比重がとても大きいです!

ひとりで面接の練習をするだけではちょっと不安だな…

客観的な指摘やアドバイスがもらいたいな…

と思っている方

自信をもって面接本番に臨み、ご自身の熱意を伝えるためにも、一緒に練習してみませんか?

看護学校を目指す高校生・予備校生・社会人の方は、ぜひ参加してみてください

 

 

対象:看護学校受験予定の高校生・予備校生・社会人の方
時間:17:15〜19:00
参加費:無料
定員:各日3名

 

残りの日程は以下のとおりです(9/15現在)

東京健生病院(東京都文京区大塚)
10/30(金)、11/6(金)

大泉生協病院(東京都練馬区東大泉)
9/25(金)、10/9(金)、10/23(金)、11/13(金)

 

各日程、一週間前までにお申し込みください。
原則、先着順でお受けしています。お申し込みはお早めに

お問合せ・お申込みフォーム


夏の医療講座を開催しました!

2015年09月07日 | 勉強会

こんにちは、東京保健生活協同組合 看護学生室です
今日は、先日8月29日(土)に行われた夏の医療講座のご報告です。


戦後70年特別企画 語り継ぎプロジェクト in 練馬高野台
〜平和の未来を描くのは私たち〜

と題して催され、練馬区にお住いの当生協組合員のみなさんから、ご自身の戦争体験を語っていただきました。
当日は、語り手を含む10人の地域組合員さんをはじめとし、職員、看護学生、高校生ら計20人が参加しました

まずは、映像学習から。
女学生当時「風船爆弾」という兵器の作成にかかわった、小岩昌子さんという方のドキュメンタリー映像です。
(下は風船爆弾の画像です。和紙をこんにゃくのりで張り合わせて作った気球に、爆弾を搭載していました。人の大きさと比べてみると、その巨大さがわかりますね) 

 


15、6歳の女学生が殺人兵器の作成にかかわり、その兵器が遠くアメリカの地で一般市民の命を奪っていたなどという恐ろしいことが、戦時には当たり前のように行われていたのだと思うと胸が痛みます。
戦争で勉強がしたくてもできず、自分は被害者だとばかり思っていたけれど、加害者であったのかもしれない」という小岩さんの言葉が胸に迫りました。

 

そして、語り手の方々からは、

女学生時代の学徒動員(戦時中の労働力不足を補うために、学生や生徒を軍需産業などに携わらせたこと)で、飛行艇をつくる工場で働いていたときの体験や、

軍事教練(学校で学生・生徒を対象に行われた、陸軍将校による軍事に関する訓練)などで日常が戦争に大きく侵食されていた女学校時代の体験、

東京大空襲(1945年3月10日、東京に対する焼夷弾を用いた大規模な爆撃で約10万人の死者が出た)で逃げ惑い、なんとか家族と再会できたときの体験、

終戦の日に学校で玉音放送を聞いたときの体験……

ご自身にとっては思い出すのも辛いであろう体験談が生々しく語られ、一同は聞き入るばかりでした。

みなさんが共通して仰るのが、戦争当時は自由が無かったということ。
授業をつぶして行われた軍事教練によって学ぶ機会が奪われ、物資の不足でおしゃれをする楽しみが奪われ、徴兵や戦火により語らう家族まで奪われた人が、当時は大勢いました。
そして、「戦争なんてやめてほしい」と言ったり考えたりする自由さえ、その時には奪われてしまっていたのです。

その辛さ、悔しさ、無念さが「二度と戦争を起こしてはいけない」というみなさんの言葉に込められていました。

医療講座に参加した学生たちからは、

「実際に戦争を経験した方々のお話を伺うことが出来てその当時のことを少しでも知ることが出来た(中略)今日のお話を友達や家族に広げて行きたい」
「風船爆弾のことや東京大空襲の実態を初めて知り、今まで聞いたことのない話をきけた」
といった感想が寄せられました


会の締めくくりに、大泉生協病院の岡部医師から総評をいただきました。
「戦争体験というのは、唯一『自分で体験せずに語り継いでいかなくてはならない体験』」なのだと、力強く発言。

今日は、実際に戦争を体験された方々からお話を聞きました。
そして私たちは、自身では決して戦争を経験することなく、戦争の恐ろしさを次の世代に伝えていかなくてはいけません

いま、私たちは戦時中では考えられないほどの自由と権利を手にしています。
それがいかに幸せであるかということ、そして同時に、私たち一人ひとりが 未来の平和への責任を負っているのだということを忘れないようにしたいですね