時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

桂川源流探訪 佐々里峠越え-07~南丹市営バス 芦生・佐々里線 知見口行

2017-10-19 00:43:44 | 京都
 乗車を待つ他の乗客の気配もない、昼下がりの佐々里停留所から、南丹市営バスに乗車して、知見口へと向かいます。

 <<桂川源流探訪 佐々里峠越え-06>

 この日は、土曜日。
 佐々里停留所から出発するバスは、僅かに2便。
 第1便は朝に出発済みなので、お昼に出発するこの第2便が、この日の佐々里停留所を発つ最終便となります。

 道中の乗客は、私1人のみ。
 途中、京都大学の研究林が背後に広がる芦生に立ち寄り、緑深い山中を縫うようにして終点の知見口へと至った、のどかなローカル路線バスのプチ旅でした。

 <南丹市営バス>
※ 曜日により運行本数の変動が大きく、日曜日・祝日は運休となる路線も多いので、利用の際には、事前に時刻等を確認しておくことを、お勧めします。


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


 佐々里の八幡宮のすぐ裏隣にあたる、京都府道38号線と同370号線との分岐点に、同じ南丹市内の知見口(ちみぐち)へと向かう、南丹市営バスの路線の起終点となる停留所である、佐々里停留所があります。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 出発時刻である、12時35分の10分前には、八幡宮から停留所へとやって来ましたが、バス(車両はバンでしたが)は既に到着していて、出発を待っていました。

 土曜日であるこの日は、2便目である、この12時35分発のバスが最終便となるので、逃すわけにはいきません!
 首尾良くこのバスの出発に間に合って、一安心ですw



 乗車するのは、南丹市営バスの芦生・佐々里線。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 芦生・佐々里線は、南丹市の北東端地域である、旧美山町の佐々里や芦生(あしう)と知見口とを結んでいる、ローカル路線です。
 使われている車両も、このようにバスではなく、バンが充てられています。

 バンの外で小休止していた運転士さんに一応、知見口まで行くのはこのバスでいいのか訊いてみると、「乗るの?!」と、盛大に驚かれて、逆にビックリしてしまいましたw
 このところ、ずっと乗客ゼロであったらしく(停留所の周囲の様子から、納得はできました;)、久々の客であったようです。
 運転士さんの、珍奇な物好きを見るような視線が、印象に残りました(^^;)



 佐々里停留所の、時刻表。
 極めて少ない運行本数である上に、曜日による運行本数の変動が大きいことが分かりますね;
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 この路線は、日曜日・祝日には、全便運休となるようです。

 時刻表をよくよく眺めてみると…火曜日と木曜日は、9時10分発の1便のみの運行でした!
 土曜日は、まだ2本運行されるだけ、マシであったのですね。。。



 出発を待つ、この日の「終バス」。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 時刻は12時30分…出発の5分前です。
 運転士さんと私の他には、時折通り過ぎるバイクや自転車以外に、乗客はおろか道を征く人の姿もなく、まるでシエスタに微睡んでいるかのような雰囲気に満ちた、佐々里の集落でした。

 停車しているバンのすぐ背後が、先程までお参りしていた八幡宮の境内で、拝殿の屋根瓦を、巨木の幹の間から窺うことができますね。



 間もなく12時35分の出発時刻となるので、私もバンに乗り込みます。

 結局、この日佐々里から乗車した乗客は、私1人だけ;;
 ほとんど、大型のタクシーのような感覚で、先ずは経由地である芦生へ向け、出発しました。



 沿道は、緑も爽やかな、山深い車窓風景。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 昼下がりの明るい陽光を浴びて、輝きを放つ草木の緑が、目に眩しい眺めでした。

 この辺りは、南丹市の北東端部に位置していて、恐らく市内でも最も山深い地区。
 乗車前に歩いて越えてきた時に見てきた、佐々里峠と同じような景色を、今度は車内から眺め遣ります。



 佐々里から10分強程走った12時50分少し前位に、芦生へ到着しました。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 佐々里から知見口へと向かう府道38号線から一時分かれた、芦生へと向かう道路で、一般車両が通行することのできる区間は、この小さな集落まで。
 芦生の集落のはずれから、京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション、即ち芦生研究林が広がっています。
 多種多様な動植物の宝庫でもあることから、本来の目的である大学の研究・演習等の活動の他にも、一般の人々による自然観察やハイキング等での人気が高い芦生研究林ですが、入山にはこの研究センターの許可が必須です。

 バスは、転回場となっている、この芦生停留所で5分程停車。
 佐々里と同様、ここでもノンビリと出発を待ちます。



 廃校となった旧小学校(運転士さんが教えてくれました)を、正面に望みます。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 廃校舎のすぐ隣には今日、芦生研究林へ入山する人等が利用する宿泊施設の、「芦生山の家」が建っています。
 こちらのリンク先にも、芦生研究林散策のページ等があります。



 芦生停留所の裏手は、すぐ由良川の流れとなっていました。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 既に、かなりの川幅となっていますが、芦生研究林の山中深くから流れ下ってきた清流は、やはり清々しいまでの透明度を誇ります!

 由良川は、この先幾多の支流と合流しながら(佐々里峠から佐々里の集落へと流れ出ている小川もその1つ)流れ下り、綾部や福知山といった京都府内の都市を貫き、舞鶴の西で日本海へと注ぎます。
 知見口までの道中も、ずっと道なりに付き合って、流れてくれます^^



 芦生は、蜂蜜の産地でもあるとのこと。

 この時は、慌ただしく看板を撮影したのみでしたが、せっかく5分程の停車時間があったので、購入してもよかったかなぁ…、と後になって少し後悔しました。



 芦生停留所の正面に建っていた、立派な民家。
 やはり、伝統的な入母屋造となっています。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 黒の屋根瓦が、印象的。

 道端へ視線を遣ると、秋桜が花を開き始めていて、着実な秋の足音を、ここでも感じることができました♪



 芦生を12時52分に出発、もと来た道を引き返して、再び府道38号線へと入ります。

 由良川沿いの沿道は、川岸近くまで山が迫る険しい地形の箇所も多く、一部に残る離合困難な道幅の区間を、慎重に走り抜けます。
 この日は、1台の対向車との行き違いに難儀;
 相手の車の中途半端な突込みで、中々すれ違うことができませんでした。
 運転士さん曰く、対向車のおばちゃんに、おばちゃんの車を離合可能な箇所までバックの運転を頼まれたりすること等もあるそうで(運転士さん的には、下手に無理な運転でドツボに嵌るよりも、さっさと頼まれた方が、スムーズにすれ違えるとのことw)、見通しも悪く狭い山道ならではの苦労も、結構ある模様。
 また、この辺りは冬になるとかなりの積雪に見舞われるので、その悪条件下での、狭い道での離合の苦労も多いとのこと。
 更に、山間部を走行するため、鹿等の動物との衝突事故も多いそうで、乗客は稀な上に、運行の維持に様々な困難を抱えている路線といえそうです;



 由良川の流れに沿って、山林地帯を走り抜けます。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 この辺りの山林は、杉林であるようで、対岸に見えていた斜面は、ちょうど伐採を終えた模様。
 切り倒された幹が無数、斜面に残されている様子が、分かります。



 杉の木立の中を通過する、車窓からの眺め。
 本当に杉という木は、気持ちの良い位真直ぐに、天を目指すかの如く、幹を伸ばしていくものですね。

 木立越しに垣間見える由良川の流れは、少しずつ川幅と水量とを増していくように、感じられました。



 終点の知見口へと近付いてきた頃には、由良川はかなりゆったりとした流れとなっていました。
 川岸の様子も、少しずつ川原が広がり始めてきています。

 刻々と変化を遂げていく風景の中、府道38号線は、相変わらず由良川にピッタリ寄り添うように、その流れる方向に合わせて、先へと進んでいきます。



 やがて、川岸には人家等の建造物も目に入り始めて、山林から山里へと再び抜け出てきました。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 知見口へは、間もなく到着するとのこと。
 家の数も、次第に増えてきていました。



 唐突な感じで到着した、知見口の停留所。
 13時15分の定刻どおりに、到着しました。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 芦生・佐々里線のバスは、ここ知見口で終点です。
 結局、佐々里から知見口へと至るまで、途中の停留所での乗降は一切なしで、終始貸切状態の道中でした。

 私が下車すると、直ちに車庫へと回送していくバスを、見送ります。

 清々しい山の風景をノンビリと堪能しながら、およそ20kmの距離を40分で走り通した、楽しいローカルバスの旅でした。

 <桂川源流探訪 佐々里峠越え-08>>



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タヌ子)
2017-10-28 23:17:29
久々の乗客、運転手さん売れ買ったでしょうね。
帰宅後、ご家族に『今日はお客さんを乗せたぞ!』って自慢気にお話ししされたのではないかと想像してます。
杉は昔の日本人の性格を反映したような木ですよね。
現在でも小学生へのインタビューを聞いていると、気持ち良いぐらい真っ直ぐな答えが返ってくることが多いのに、いつごろから松のように曲がりくねってしまうのでしょうね?(笑)
私も若かりし頃、すれ違いが難しい場合は対向車の運転手さんにバックをお願いしてたんですが、立派なおばちゃんになった現在では無理だろうと思い、運転を控えてました。
でも、この運転手さんのように考えていただければ安心して頼めます!
返信する
タヌ子さん。 (taろう)
2017-10-30 00:13:25
私としては、乗車にあたり、確認したいことを普通に訪ねたのですが、かなり本気で驚かれていた様子であったので、こちらもビックリでしたw
車庫へ回送後も、「客がいたぞ!」と話のネタになったのでしょうね(^^;)
杉は本当に、巨木となっても、幹は真直ぐなままですよね…見ていて惚れ惚れしてしまいます。
やはり、成長するためには、様々な試練や嫌なことも経験しなければならず、そうした過程や、周りの『既に邪悪となってしまったw』大人に影響されて、性根がねじ曲がってしまうのでしょうね;
この、おばちゃんの潔い割り切り方、男共はどうでもよいプライドが邪魔して、中々こうはいかないケースが多そうな気がするので、こうしたことは、私も見習いたいものです。
返信する

コメントを投稿