時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

北を目指す旅-14~五能線 荒波寄せる日本海の車窓

2016-07-23 07:23:34 | 東北/日本
 一夜明けた秋田を出発し、日本海の雄大な車窓風景が魅力のJR五能線の普通列車に乗車、ローカル線の旅を楽しみます。

 <<北を目指す旅-13>

 まずは秋田から普通電車で奥羽本線を北上、東能代(ひがしのしろ)へ。
 東能代で、奥羽本線から分岐し日本海沿岸を更に北へと延びる五能線の普通列車に乗り換えて、青森県津軽地方の五所川原(ごしょがわら)を目指します。

 この日の秋田は、早朝から低く雲が垂れ込めていて、今にも雨が降ってきそうな、下り坂の天候。
 紺碧の空と海原の絶景は見ることができませんでしたが、強風によって打ち寄せる、日本海の荒波を、列車の車窓間近から存分に堪能しました♪
 冬の荒波とは比べものにならないとは思いますが、それでも、その片鱗を十分に鑑賞することができた、曇り空と白く泡立つ日本海でした。

 <五能線>


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 旅行3日目は、秋田からのスタート。
 朝6時台に秋田を出発、この日最初のお目当てである五能線の普通列車が待つ乗換駅・東能代へ向かいます。

 乗車する電車が出発するホームは、前日に新潟からの特急で到着したホームの反対側でした。



 この日の行程のトップランナーである、秋田始発大館行の、奥羽本線普通電車。
 東北地方ではすっかりお馴染みとなった、701系通勤形電車です。

 秋田を6時16分に出発するこの電車を逃すと、この日の行程が崩壊してしまうので、非常に重要な電車でした(^^;)



 米どころ・秋田の田園地帯を駆け抜けること56.7km、57分の所要時間で7時13分に東能代到着。

 降車ホームの反対側に停車していた、五能線経由弘前行の普通列車に乗り換えます。
 キハ40系3両編成の車内は、ほぼ全てのボックス席に1名は乗客が座っている位の乗車率でした。

 乗り換え時間は、10分。
 7時23分の定刻に出発し、五所川原まで125.7kmを4時間10分の所要時間で走破する、長大ローカル線の旅が、始まりました!



 東能代の次の駅、能代でほとんどの乗客は下車し、閑散とした3両編成の列車は、能代を出発するとすぐに、秋田県北部の大河、米代川(よねしろがわ)を渡ります。

 川の色も、どんよりとした空模様を反映した、鉛色。
 初夏というよりも、何だか冬へ向けたような、寒々とした眺めでした。



 東能代から40分弱程の八森のあたりで、五能線は日本海の浜辺へと出てきました。
 それまでの、のどかな沿線風景から一変して、かなりの荒波が絶えず岸へと打ち付けながら、海面を白く泡立てている荒々しい風景へと、取って代わりました!
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 前日までに乗車してきた列車の車窓からも、日本海の眺めを延々と眺めてきましたが、海が荒れているせいもあり、段違いの迫力で迫ってきた風景でした。
 これよりしばらくの間、目の前に日本海を眺めながらの走行が続きます。



 東能代から約50分の8時12分、岩館(いわだて)に到着しました。

 この駅では、19分停車します。



 19分間の停車時間、車内にずっと籠っているのも何なので、駅をブラブラ。
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 駅前にも、特に何がある訳でもない、のどかな岩館駅。
 3両編成中、最後部の車両の客扱いは、ここまで。
 この先、10時33分に到着する鰺ヶ沢(あじがさわ)までの2時間20分程は施錠され、回送の状態で連結されたまま走行します。



 出発直前の8時30分頃に、対向列車が岩館に到着。
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 次の駅までは10km以上の距離があり、所要時間も10分以上掛かるので、この列車との待ち合わせのために、長時間停車していたのですね。
 対向列車を出迎えた直後の8時31分、五能線で秋田県最後の駅である、岩館を出発。
 青森県へと、進んでいきます。



 岩館を出発すると、再び日本海が線路脇すぐの所まで、迫ってきます!
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 打ち寄せる荒波が猛る様子を、存分に楽しみました。



 それにしても、かなりの荒れようですね…;
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 高波が岩に達して、盛大に立ち上る飛沫の勢いに、思わず息を呑んで見つめてしまいます!



 五能線で楽しむことができる海の景色は、岩場や砂浜…といった具合に、次々と変化する多様な美しさ♪

 冬場を彷彿とさせる空模様や海の時化っぷりも加わり、迫力満点で眼前に広がるスペクタクルに、視線が釘付けとなりました。



 やはり、岩にぶち当たった高波の砕ける様子は、圧巻の一言に尽きます!
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 海岸のあちこちで、このようなダイナミックな飛沫が上がるのですが、中々タイミング良く撮影することができません;
 こうした瞬間を何とか捉えるために、10枚以上のボツ画像が…(-_-;)



 ズームにすると、迫力もひとしおですね!
 本当に、生きているかのように激しくうねる、海面でした。

 並行する道路にも所々、ビューポイントが設けられているようでしたが、この日の眺めは、そこからでも、臨場感たっぷりな凄い迫力であったに違いありません。



 海辺の走行の車窓から、動画で撮ってみました。

 次々と寄せる白波の様子が、何とか分かると思います(^^;)
 波消しブロックに当たって砕け散る様子は、とても迫力がある光景でした!

 五能線には、秋田から直通するリゾート列車も走行していて、快適な専用車両を使用しているそちらを、当初は予定していましたが、ローカル列車の雰囲気を満喫したかったので、旧型のディーゼルカーを使用している普通列車に乗車することとしました。
 何よりこの列車は、窓が開く!!
 秋田県と青森県との県境一帯を走行するこの区間は乗降客も非常に少なく、車内も閑散とする中、この「窓が開く」恩恵をフル活用しました^^



 分かり難いですが、線路の標識の背後、物凄い波飛沫が上がっています!
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 迫力ある波飛沫、同じ形は一つとしてなく、次々と上がる飛沫毎に、飽くことなく見つめ続けていました。



 五能線は、海岸に沿って何度か大きくカーブし、これまで走り抜けてきた海岸線を振り返って一望することのできる区間もあります。
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 広い範囲にわたり打ち寄せる白波…第一波、第二波…と、白く泡立つ海面の様子で、はっきりと見て取れる雄大なパノラマの、素晴らしい眺めでした。



 こちらは、これから進んでいく方向を、一望。
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 低く垂れ込めた雲、荒れる海、荒涼とした光景…これもまた、日本海らしい風景!
 5月のこの時期に、これ程の荒海の景色を目の当たりにするとは、思いも寄りませんでした。

 荒ぶる自然の猛威を実感しながらの、ローカル線紀行…聞きしに勝る、五能線の素晴らしき車窓風景です!



 やがて、列車は海岸を離れて、高台へ。
 荒海に変わり、新緑の緑が、車窓を占めるようになりました。

 木立越しに、うっすらと展望する日本海は、先程までの荒れようが嘘のように、穏やかな感じに見て取れますね。



 波打ち際から離れてもなお、美しい海の絶景を恣にする、五能線の風景です。

 この辺りから、晴れ間が広がってきました。 
 高台から眺める、水平線まで一面の海原もまた、その色彩を鉛色から青へと、変化させつつあります。



 高台の僅かな平地は、田畑に利用されていました。
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 田畑の先は、そのまま海岸のようにも見えますが、この辺りは、海岸段丘のような地形となっています。

 田んぼには既に水が張られ、空を映している鏡のような田んぼや、水の濁っていた田んぼなど、それぞれ異なる様相が、のんびりと走る列車のゆっくり速度のおかげで、手に取るようによく見ることができました。



 気が付けば、これまでのどんよりとした曇天から、天候が劇的に変化していました!
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 どこか涼やかな風情を纏った、紺碧の北の海原。
 相変わらず風は強く、白波は高いままででしたが、陽の光を映えて輝くような波の眩しさも、爽快に感じます。



 視線を、風景が流れ去る南側へと転じてみました。
 南の秋田方面から広がっていた雲が、ちょうど途切れていますね。
 海の碧さも、北(画像右側)の方向へ行くにつれて、深くなっていくように見えます。
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 遮るものもない、雄大な景色…晴れ渡って、本当に爽やかな、5月に相応しい眺めとなりました。



 晴れたと思っていたら、行く手には再び雲が広がってきました…。
 目まぐるしく変化した、この日の不安定な天候です。
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 五能線の走る高台も、次第に高度を下げつつあります。
 行く手には、五能線で私が乗車した区間である、東能代~五所川原の区間のほぼ中間にあたる、深浦の街が垣間見えてきました。



 9時27分、列車は深浦へ到着。
 始発の東能代から66.9kmの距離を、2時間4分掛けて走ってきました。

 深浦では4分停車して、9時31分に出発します。
 因みに、五所川原方面へ赴く、この列車の次の列車は、運転日が限られているリゾート列車を除いた定期運行の列車ですと、実に17時15分発(平成28年(2016年)5月現在)…;
 何が何でも、この列車に乗車しなければならなかった理由です(^_^;)

 深浦から55.8km先の五所川原までは、更にあと2時間4分の道程。
 眼前に日本海を望む、素晴らしい車窓風景は、まだまだ続きます。

 <北を目指す旅-15>>



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