日韓往来 [Journal Korea]

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日本経済新聞11月3日、「慰安婦」問題日韓収拾策報道

2015-12-11 13:17:08 | 韓国・見聞

一連の「慰安婦」問題、日韓政府収拾策について、日経は11月3日、まとめる形で報道した。

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元慰安婦への財政支援拡大へ 政府が対応策検討

2015/11/3 2:01 日本経済新聞

政府は2日、中国、韓国との首脳会談を受けた対応策の検討に入った。日韓最大の懸案である旧日本軍による従軍慰安婦問題は、元慰安婦への財政支援拡大を軸に打開を探る。環太平洋経済連携協定(TPP)で韓国が参加を決めれば協議に入る方針だ。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と中国の李克強首相が来日する次回の日中韓首脳会談の開催時期は2016年前半で調整する。

韓国の朴槿恵大統領(右)と会談する安倍首相(2日午前、ソウルの青瓦台)=写真 塩山賢

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韓国の朴槿恵大統領(右)と会談する安倍首相(2日午前、ソウルの青瓦台)=写真 塩山賢

 

 慰安婦問題について、安倍晋三首相と朴大統領は2日の首脳会談で交渉を加速し、年内を含め、早期妥結を目指す方針で一致した。日本政府としては個人の請求権問題は解決済みとの立場を維持しながら、基本的人権を踏みにじられた女性への人道支援の充実を中心に検討していく方針だ。

 

 日本側にはかねて(1)首相による謝罪(2)駐韓日本大使が元慰安婦と面会(3)日本の政府予算を使った元慰安婦支援――という解決策への考え方がある。このうち政府予算を使った支援は2007年に解散したアジア女性基金のフォローアップ事業の拡充が軸になる。

 

 事業は解散した基金に代わって08年度から外務省が実施。NPO(非営利組織)を通じ元慰安婦を定期的に訪れて近況を聞いたり、医薬品や身の回りの品を届けたりしている。15年度予算は約1500万円を計上した。

 

 浮上しているのは予算規模を1億円台に乗せ、支援メニューを拡大する案だ。政府高官は2日「検討する」と認めた。

 

 韓国政府は元慰安婦の支援団体の意向を受け、法的責任を認め賠償するよう日本政府に求めてきた。しかし、賠償問題は解決済みとする日本はそれができない。フォローアップ事業はあくまで人道支援だが、政府による元慰安婦への財政支援を手厚くして理解を得たい考え。ただ双方の認識にはなお開きがあり、調整は難航が予想される。

 

 韓国側には日米など12カ国が大筋合意したTPPへの関心もある。2日の首脳会談では大統領が参加に意欲をにじませ、日本の協力に期待を示した。日本政府としては韓国が参加を決めれば事前協議を再開する方針だ。

 

 南シナ海での中国による「人工島」建設に関し、首相は米国の行動を支持すると伝えた。大統領の発言は明らかになっていないが、同行筋は「両首脳は問題意識は共有していた」と説明する。11月中旬に予定される東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との国際会議などで協調を探る。

 

日韓首脳会談に先立ち1日に開かれた日中韓首脳会談では3カ国持ち回りによる再定例化で合意した。16年の開催国である日本政府は、同年前半で中韓首脳が来日できないか両国と調整する。

韓国「日本の責任」固執 首相、最終決着迫る

2015/11/3 2:01 日本経済新聞

【ソウル=峯岸博】安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領が2日の会談で、年内を視野に入れて早期妥結への交渉加速を指示したことで、日韓両政府は従軍慰安婦問題の解決を急ぐ。韓国側が財政支援の拡大とともに日本の責任に言及した首相の「おわび」も求める一方、日本側は韓国側の「最終解決の保証」などを迫っている。調整は難航が予想され、関係正常化の道筋はついていない。

会談を前に韓国の朴槿恵大統領(右)と握手する安倍首相(2日午前、ソウルの青瓦台)=写真 塩山賢

 会談の「主役」はやはり慰安婦問題だった。全体会合に先立つ少人数会合は当初予定の30分を超えて1時間に及び、多くを慰安婦問題が占めた。交渉進展を日韓首脳会談の前提としてきた朴氏は譲れない。「韓日関係の最大の障害物だ」と自らのこだわりを伝えた。

 1991年に元慰安婦が名乗り出て以来、日本政府は「心からのおわびと反省の気持ち」を表明した河野洋平官房長官談話やアジア女性基金などで対応してきた。それでも和解は長続きせず、韓国憲法裁判所は2011年に韓国政府が日本と交渉しないのは元慰安婦らの人権侵害で違憲と判断。13年に女性初の大統領に就いた朴氏も最優先課題に掲げた。

 2日の会談で、首相は歩み寄った。オバマ米政権から歴史問題の日韓和解を迫られ、自身も「女性の人権が傷つけられることのない世紀とする」(戦後70年談話)と語っている。朴氏と「国交正常化50年の節目の年であることを念頭にできるだけ早期に協議を妥結する」と一致した。

 「年内妥結」を求めてきた朴氏への配慮だった。韓国大統領府関係者は「(年内を含む協議妥結に触れた)この部分に注目してほしい」と会談の成果とし、韓国メディアにも「一歩前進した」と評価する声が出ている。

 韓国側は元慰安婦問題の法的責任を認めるよう日本政府に求めてきた。元慰安婦が非人道的な不法行為の被害者だと日本政府が認めることで名誉が回復すると判断しているからだ。植民地支配と元慰安婦への「責任」に言及した首相の謝罪に期待するのはそのためだ。実現すれば、個人の賠償請求権が認められなくても日本側が検討する政府予算による元慰安婦支援を受け入れやすくなると韓国政府関係者は話す。

 首相は2日夜のBSフジ番組で、慰安婦問題が65年の日韓請求権協定で「解決済み」との立場は変わらないとしつつ「その中でどのような知恵があるのか、一致点を見いだすこともできる」と述べた。政府は元慰安婦への財政支援として07年に解散したアジア女性基金のフォローアップ事業を拡充する案を検討する。駐韓日本大使と元慰安婦の面会などを組み合わせる案もある。

 日本政府関係者は「両首脳の合意は韓国側にも妥協を迫ったものだ」と話す。日本は韓国側に、元慰安婦の支援団体がソウルの日本大使館(建て替え中)前などに設置した慰安婦を象徴する少女像の撤去を求めている。しかし、韓国は撤去するのは難しいとの立場だ。

 日本側には「韓国側はゴールポストを動かす」との疑念がある。両政府の交渉妥結後に韓国世論の反発で一方的に合意が覆されないよう、日本政府は慰安婦問題の「最終解決」への保証も要求している。首相は同番組で「お互いに合意すればこの問題を再び提起することがないようにしなければならない」と述べた。

 慰安婦問題の最終決着は安倍首相と朴大統領の決断が欠かせない。まずは両政府間の信頼回復を含めた環境整備が課題になる。

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