新聞記者の雑記帳
新聞記者嵐山太郎がお贈りするプログです。社会、政治からマスコミまで取り上げます。
 



先日、このコーナーで書いた浅野史郎・宮城県知事が宮城県警の捜査用報償費の予算執行を停止した問題で、警察庁の漆間巌長官が30日、定例記者会見で「言語道断」と浅野知事を強く批判しました。
今回、予算執行を停止したのは、情報提供者や捜査協力者への謝礼などの報償費・捜査費のうち県の負担分です。この問題では、相次ぐ警察の裏金づくりを受け、浅野知事が支出を確認するため、関連文書の全面開示や捜査員の事情聴取を求めたのに対し、県警が「捜査に支障が出る」と応じなかったため、関連予算約1600万円の執行を停止しました。
会見で漆間長官は「知事は捜査協力者に会う目的で、支出に関する文書を見せろと指示している」と指摘。捜査協力者には県庁職員もいる、としたうえで「警察にとって情報源の秘匿は絶対的な厳守事項。警察活動全体に対する介入で、言語道断だ」と批判しました。
さらに「予算執行を停止して治安対策にブレーキをかけている。知事は県民の安全安心を守るという責任を果たしているのか」「(不適正執行があるという)根拠のない話をもとに執行を停止したのは権利の乱用だ」とも批判しました。
この人、何をトチ狂ったんでしょうか。県予算の執行権者は浅野知事です。選挙で宮城県民の付託を受けています。その県費の使い道について、執行権者である浅野知事が「きちんと知りたい」と言っているのに、それを隠すことがさも正当なことであるかのような発言をする。こんな馬鹿な話はありません。県民には税金の使い道を知る権利が、そして県知事には、県民から集めた税金の1円1円まで、その使い道をしっかりと把握する義務があります。浅野知事は当然の務めを果たしているのではないでしょうか。
「根拠のない話をもとに執行を停止した」と発言していますが、この人は新聞も読んでいなければ、テレビも見ていないんでしょうか。警察の裏金づくりが全国各地で相次いで発覚していることを知らないんでしょうか。「警察にとって情報源の秘匿は絶対的な厳守事項」などと言いますが、いもしない人の名前を仕立て、勝手に人の名前を使い、領収書を偽造し、どこが秘匿すべき厳守事項なんでしょうか。警察に対する不信がどれほど渦巻いているのか知らないんでしょうか。それとも見るのに見えず、聞こえるのに聞こえず、都合の悪いことはさっさと忘れることにしているんでしょうか。
そもそも浅野知事は根拠のない話を聞き、「そりゃあ、けしからん」と突然、予算執行を停止したわけではありません。警察が不正を犯しているとの不信感が募っているので、ここらできちんと捜査用報償費の使い道を把握したいと県警に書類の開示を求めただけです。それを県警が拒否したがために今回の事態になりました。予算執行権者として、何に使われているのかもさっぱりわからないようなものに県費を支出できないのは当然のことでしょう。
一人ひとりのお巡りさんを見れば、いい人がたくさんいます。しかし、警察という組織になったとたん組織防衛にばかり精を出す集団になりさがります。漆間長官のような人間がトップでいる限り、警察不信は決してなくならないでしょう。



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