福石みんのニュース備忘録

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大飯原発3、4号のストレステスト1次評価「妥当」 政治判断に

2012年03月23日 01時00分00秒 | 原発関連
大飯原発再稼働、政治判断へ 1次評価で原安委「妥当」 原発 福井のニュース :福井新聞
(2012年3月23日午後9時14分)

 原子力安全委員会は23日、定期検査で停止中している福井県の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働の前提となるストレステスト(安全評価)の1次評価について、問題ないとする確認結果を決定、1次評価は終了した。これを受け再稼働問題は、野田佳彦首相ら関係閣僚による政治判断と地元に説明して同意を得る段階に入った。

 東京電力福島第1原発事故後、定期検査を終えて再稼働した原発はなく、初の判断となる。週明けにも野田首相、藤村修官房長官、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相が協議して安全性を確認する。

 4月以降、枝野経産相が福井県に出向いて再稼働の必要性や安全性を説明し、理解が得られれば最終的に首相と3閣僚で再稼働を決定する。

 ただ、福井県やおおい町はこの日も、一貫して求めてきた福島の事故知見を反映した暫定的な安全基準を示すよう国にあらためて注文した。
時岡忍おおい町長は「国の一連の動きの中で、また一つ階段を上がった」との認識を示す一方で、住民説明会の開催や、活断層の連動に関する徹底的な検討も再稼働の条件になるとした。


 一方、原子力規制組織を再編、新設する原子力規制庁の設置は当初予定の4月1日から大きくずれ込む見通し。京都府や滋賀県を含めた周辺自治体も慎重な姿勢を示しており、藤村官房長官は23日「求められれば積極的に説明する」と述べた。

 安全委の班目春樹委員長は23日の臨時会議後、記者会見し「(福島事故を受けた)緊急安全対策などで原発の安全性がそれなりに高まっていることは認めるが、総合的な評価としては不十分だ。今後、2次評価を速やかに実施してほしい。再稼働の判断をするのは政府だ」と述べた。1次評価は定期検査で停止中の原発の再稼働条件だが、2次評価は過酷事故後の対応を含め、原発の安全性の余裕をより正確に把握できるとされる。

 関電の1次評価では、地震は想定する最大の揺れの1・8倍、津波は高さ11・4メートルまで核燃料が損傷せずに耐えられるとしている。
 全国54基のうち稼働中は北海道電力泊3号機と東電柏崎刈羽原発6号機の2基だけ。この2基も5月までに停止する。

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【原発再稼働】大飯原発「妥当」判断 自治体の苦悩は続く - MSN産経ニュース
2012.3.23 22:57

 関西電力大飯原発のストレステスト(耐性検査)の1次評価を「問題ない」とした23日の内閣府原子力安全委員会だが、再稼働の可否については班目(まだらめ)春樹委員長も言及を避けた。立地自治体も「国は暫定的な安全基準を示してほしい」と、従来の見解を繰り返すにとどめており、再稼働の行方は政治判断を待つことになりそうだ。

 「われわれは安全性の確認は求められていない」

 委員会終了後に開いた記者会見で、安全委の役割をそう強調した班目委員長。再稼働の可否について重ねて質問されたが、「安全委員長としての見解はこの場では差し控えさせていただく。責任逃れといわれるかもしれないが、限界があることをご理解いただきたい」と苦渋の表情で語った。

 立地自治体の福井県や同県おおい町も再稼働への態度を保留した。時岡忍おおい町長は「ストレステストの結果が妥当だから安全というものではない」。西川一誠福井県知事も「これまでどおり」とした。

 滋賀県の嘉田由紀子知事が同日、「時期尚早だ」と述べるなど周辺自治体では慎重論も出ているが、福井県やおおい町は再稼働に反対しているわけではない。再稼働の判断を明言しない背景には「原子力は国が進めてきた政策で、再稼働の判断も国が主導すべきだ」との思いがある。

 西川知事は一貫して「国が暫定的な基準を示すこと」を再稼働の条件としてきた。国も2月に30項目の対策をまとめるなど、安全対策を進めてきたが、県などは「再稼働の判断には不十分」と、両者の見解にはまだ開きがあるのだ。

 また、両自治体が見定めようとしているもう一つのポイントが、国の原子力政策の方向性だ。菅直人前首相の「脱原発」発言以降、国のエネルギー政策は不透明な状況が続いている。

 国の原子力政策に協力してきた両自治体からすれば、一時的な電力不足を補うためだけに利用されたのでは、納得できないという事情がある。

 時岡町長も同日、「再稼働の必要性を政府として回答いただきたい」と述べている。

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【原発再稼働】大飯原発「妥当」判断で識者の意見は… 「再稼働可能」「保証書に」「尚早」 - MSN産経ニュース
2012.3.23 22:59

 ■「十分余裕あり再稼働可能」

 橋爪秀利東北大教授(原子炉工学)の話「欧州のストレステストは洪水などの高さをエビデンス(科学的根拠)に基づき決めるが、日本ではどの程度の津波に耐えられるかを求めているだけで内容は異なる。しかし、設計津波の高さはそれなりの根拠があったはずで、大飯原発の1次評価で示された想定の4倍の11・4メートルはエビデンスがなくても十分余裕のある高さだ。稼働は明確な基準で判断すべきだが、福島第1原発の知見を反映すれば基準は11・4メートルより低くなると思われる。大飯原発は稼働して大丈夫だと思う」

 ■「地元にとって保証書に」

 林春男京都大教授(社会心理学)の話「原子力安全委員会は、万全ではないが大丈夫だと考えていると思う。危機管理の基本は、まず予防策をとり、万一を考えて対応策を備えることだ。原発の立地県や隣接県など地元は対応策しかとれず、予防策は政府が責任をもってやらないといけない。『予防策ではベストを尽くした。稼働しても大丈夫』というつもりで、最も科学的に権威のある安全委が『保証書』を出したのだと思う。リスクをとって原発を稼働するかどうかの判断は、民意を代表する政治が決定することだ」

 ■「2次評価なしに妥当は尚早」

 井野博満東京大名誉教授(金属材料学)の話「ストレステストは従来の安全審査基準とはまったく別の考え方であり、班目委員長も1次評価と2次評価を両方やらないと完璧ではないと言っている。妥当性を確認するのは早すぎる。容認できない。福島第1原発を襲ったのと同規模の地震・津波に耐えられるとしているが、想定を超えない保証はない。最低限、国会事故調査委員会の結論が出て事故概要についてコンセンサスが形成され、地震の評価に最新の知見が反映された段階でなければ技術的判断などできない」

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【原発再稼働】大飯原発「妥当」判断 「地元」の範囲めぐり見解にずれ - MSN産経ニュース
2012.3.23 23:00

 関電大飯原発3、4号機の再稼働問題が大きく動き出した。今後は関係閣僚による政治判断が焦点となるが、最終決定の前提となる地元自治体の同意をめぐっては、「地元」の範囲について政府、自治体の間で見解がずれており、対応次第では事態が迷走する危険性もはらんでいる。

 「(再稼働の理解を求める)地元の範囲は数値的、機械的に判断できるものではなく、再稼働と防災の30キロは内容的に違う。連動していない」。16日、会見でこう述べた藤村修官房長官は、福井県おおい町と接する滋賀県を政府が理解を求める「地元」には含めない考えを示した。

 政府は、防災対策の重点地域(EPZ)を従来の8~10キロから半径30キロに広げて「緊急防護措置区域(UPZ)」とする方針だ。

 東京電力福島第1原発事故では、影響が広範囲に及び、原発の立地自治体だけでなく、周辺自治体も再稼働に強い関心を示し、電力事業者もその意向を無視できない状況となっている。

 14基の原発が立地する福井県と隣接し、一部がUPZに含まれる滋賀県は、電力事業者に稼働を了承する権限も求めており、嘉田由紀子知事は藤村氏の発言に反発。「全く理解できない。なぜUPZを広げたのか。再稼働と防災が無関係というのは根っこから理解できない」と批判した。

 ところが、政府は再稼働に関して、いまだに「地元」の範囲を明確に示していない。事故時に住民の安全を確保するため、立地自治体などが電力事業者と結んでいる「安全協定」の有無が基準となりうるが、中国電力島根原発(松江市)をみると、隣県の鳥取県も締結しており、必ずしも統一されているわけではない。

 政府内では、「地元」を立地自治体に限定する検討も進んでいるもようで、今後、周辺自治体からの反発も予想される。

 一方、民主党の原発事故収束対策プロジェクトチームは22日の総会で、再稼働の判断について「現段階では時期尚早」とする提言を決定。理由として「地元」の範囲が不明確なことを指摘、政府・与党内でも見解統一がなされていないことがあらわになっている。「本当に難しいのは立地自治体よりも周辺自治体の理解を得ることだ」(資源エネルギー庁幹部)との危惧が現実化しており、「政治判断」以前の段階でプロセスは暗礁に乗り上げかねない。(原子力取材班)

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【原発再稼働】大飯原発ストレステスト確認結果の要旨 安全対策に一定の効果、継続的改善が必要 - MSN産経ニュース
2012.3.23 23:09

 【はじめに】

 原子力安全委員会は東京電力福島第1原子力発電所における事故を踏まえ、既設の発電用原子炉施設について、設計上の想定を超える外部事象に対する頑健性に関して、総合的な評価を行うことが重要であるとの考えのもと原子力安全・保安院に対し、発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価の実施を要請した。

 当委員会が要請した総合的安全評価は、何らかの基準に対する合否判定を目的とするものではなく、設計上の想定を超える外部事象に対して施設の潜在的な脆弱(ぜいじゃく)性を事業者自らが的確に把握し、様々な対策を行うことなどにより、施設の頑健性を高め、これらの内容について技術的説明責任を果たすことについて、規制行政庁である保安院がこれらの評価結果を的確に確認することを求めたものである。当委員会は平成24年2月13日に保安院より関西電力大飯発電所3号機及び4号機の安全性に関する総合的評価(1次評価)に関する審査書の報告を受けた。

 【確認した内容】

 自然現象として地震及び津波、それらの重畳(ちょうじょう)、安全機能の喪失として全交流電源喪失及び最終ヒートシンク喪失(海水を使った熱交換による冷却機能の喪失)を対象とし、これらに起因して炉心(燃料)損傷に至るまでの事象を同定し、これを対象として裕度を評価していることを保安院が確認したこと。いったん機能喪失に至った施設・機器等は復旧しないものとして取り扱っていることを保安院が確認したこと。

 保安院は自然現象等の起因事象に対しては、安全上重要な施設・機器等について許容値等と比較することにより、イベントツリーを用いて炉心損傷を回避するパス(成功パス)を抽出し多重防護の効果を示していることを確認したこと。

 上記の評価の許容値等について、地震については耐震バックチェックで使用されたものに加えて実験値等を用い、津波については機器の設置高さを用いることとしており、保安院はそれらの妥当性を確認したこと。事業者が行うとした事象対応オペレーションについて、保安院が現地調査を行い、実際のルートや操作性及び時間の測定などを確認したこと。保安院が求めた緊急安全対策による裕度の向上を評価していることを保安院が確認したこと。

 【当委員会の見解】

 1次評価は技術的に言えば、地震及び津波に対する施設の裕度を簡略な方法によって評価したものであるが、個別の原子炉施設について事業者による評価結果が提出され、規制行政庁による確認が行われたことは、一つの重要なステップである。

 上記の方法によって、地震及び津波に対して最も余裕の少ない、炉心損傷に至りうるシナリオとして、最終ヒートシンク喪失に伴う全交流電源喪失を同定している。本シナリオは福島第1原発の事故を踏まえ、施設の頑健性を確認する上で、特に重要度の高いシナリオである。

 緊急安全対策は、上記シナリオの発生を防止する効果を持つものではないが、発生した場合には、発電所外部からの支援なしで対処し得る時間を延長し、炉心損傷を回避して安定的な冷却に至る成功パスの可能性を高める効果を持つものである。

 緊急安全対策は本評価結果による限り、成功パスが成立する地震動及び津波高さの範囲を大きく拡張するものではないが、実質的には建屋への浸水防止、可搬施設の複数配備等によって成功パスの成立性をより確実にするものである。

 【2次評価に向けた意見】

 (1)事業者独自の努力

 自主的努力の内容として、具体的な設備整備について設備容量の大型化、機器数の増加等について説明がなされた。これら設備整備については、その仕様や数量だけでなく、その必要性や効果についての技術的判断の根拠と内容についての説明責任が果たされること、また現場確認によって得られた情報、個別対処及び水平展開による安全性向上効果についての説明責任が果たされることが、今後の継続的改善のために重要であると考える。

 (2)技術的背景

 関西電力において全交流電源喪失時の冷却材ポンプシール漏洩(ろうえい)対策が米国に比して遅れた理由として、同社の品質要求との相克が挙げられた。リスク低減のための技術導入が安定運転のための品質要求や規制慣行等と相克を生じることは今後ともあり得ることから、このような領域について、規制行政庁による適切な情報収集ならびに関与が必要であると考える。上記の問題は関西電力の報告書に含まれておらず、保安院による審査過程で取り上げられたものである。このことに示されるように、今般の評価に関わる範囲であっても、従来、事業者の自主努力の範囲であった領域については、規制行政庁への報告が十分に行われていない可能性があり、事業者と規制行政庁の間の更なる意思疎通が必要である。

 (3)共通要因故障、従属要因故障の同定

 今般の評価は簡略な方法を用いていることから、故障の様態や内容の現実的な同定は行われていないが、保安院は本方法によって地震や津波への裕度を保守的に見積もることができたとしている。一方、施設の頑健性をより高めるためには、潜在的な脆弱性の要因となるような故障の可能性を現実に即して同定し、防止策を講ずべきである。

 保安院は、成功パスの成立のために重要な設備の一つであるタービン動補助給水系については、地震に起因する内部溢水(いっすい)による従属要因故障の可能性を検討し、その可能性が十分に低いことを確認したとしている。一方、非常用ディーゼル発電機については、海水ポンプの故障により従属的に故障し、これが全交流電源喪失の原因となるとしている。この故障シナリオによる影響は大きいことから、合理的に達成可能な故障防止策が検討されるべきである。

 (4)シナリオ同定の頑健性(5)成功パスの頑健性(6)可搬施設による対処の考え方(7)経過措置の頑健性=略

 【まとめ】

 今般の総合的安全評価は、保安院が福島第1原発における事故を踏まえて事業者に指示した緊急安全対策等が、主に設計上の想定を超える外部事象に対していかに原子炉施設の頑健性の強化に寄与したかを評価することを目的としており、1次評価により緊急安全対策等の一定の効果が示されたことは一つの重要なステップと考える。今後は、当委員会の意見を踏まえ、2次評価を速やかに実施するとともに、より一層の安全性向上に向けた継続的改善に努めることが肝要である。

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【原発再稼働】官僚答弁連発「政治主導」どこへ - MSN産経ニュース
2012.3.24 00:06

 原子力安全委員会が関西電力大飯原発3、4号機のストレステスト1次評価結果を「妥当」としたことにより原発再稼働は政治マターとなった。ところが、野田佳彦首相は及び腰となり、この期に及んで説明責任を果たすどころか、再稼働に向けた関係閣僚会議の時期さえも明言しない。都合の悪いことは官僚機構に押しつける手口は菅直人前首相と同じ。もはや民主党が掲げた「政治主導」は見る影もない。

 「報告書を読み込み、安全性が確認できた場合に初めて再稼働の必要があるかを判断します」

 枝野幸男経済産業相は23日の参院予算委員会で官僚よりも官僚っぽい答弁を繰り返した。昨年5月、浜岡原発を強引に停止させ、他の原発の再稼働を困難にした張本人は菅氏だ。枝野氏は官房長官としてその片棒を担いだだけに再稼働を容認するのは、よほどバツが悪いとみえる。

 来週中に関係閣僚会議で安全性を確認したところで2度目の同会議での再稼働の最終決断まで道のりは遠い。

 最終決断前に、原発を所管する枝野氏が地元を説得するのは当たり前だが、自らが赴く「地元」の範囲さえ「総合的、政治的に判断する」と言葉を濁した。それどころか、滋賀県へのストレステストの説明については「私ではなく保安院が説明を求められた」と対応を押しつけた。

 「政府を挙げて説明し理解を得る。私も先頭に立つ」(11日)と意気込んでいた首相も「枝野氏の答弁に尽きる」と逃げの一手。自ら説明責任を果たそうという気概は感じられない。

 再稼働への批判が強まっている要因には、政府が新たな安全規制のあり方を示せないことも大きい。原子力規制庁は4月発足どころか、設置法案の審議入りすら見通せない。首相は27日、韓国・ソウルでの核安全保障サミットで原子力安全への取り組みを説明するというが、このままでは恥の上塗りとなる。

 「原発を動かすかどうかは国が全責任を持って決定すべきだ。地元同意を言いだしたら福井県だけで収まらない」

 橋下徹大阪市長は23日、こう批判した。地元に責任転嫁しようとする政府の魂胆はもはや見抜かれている。

(千葉倫之)



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