滋賀年金者ジャーナル

全日本年金者組合滋賀県本部の公式ブログです。

国連社会権規約委員会が勧告

2013年05月24日 | 滋賀県本部
 国連社会権規約委員会は 5月17日、日本政府に対し 「最低保障年金の実現」 などの対応を行うよう勧告しました。

勧告は次のような点について、懸念や勧告を表明しています。


  有期雇用の濫用を防止し、無期雇用契約への転換回避の雇い止めが起らないようモニターすること

  過労死や職場のハラスメントによる自殺などが起っていることに対し、長時間労働を防止する措置を強化し、職場におけるあらゆる形態のハラスメントを防止、禁止すること

  労働者とその家族が人間らしい生活を確保できるよう最低賃金を決定する際考慮する要素を見直すこと

  賃金の格差、特に男女の賃金格差が大きいことについて、同一価値労働同一賃金の原則の雇用者、労働基準監督官などへの周知、啓発をおこなうこと

  セクシュアル・ハラスメントを禁止し、処罰すること

  非正規滞在、庇護申請者、難民を含む移住労働者に在留資格に関わらず労働法が適用されることを周知すること

  高齢者の貧困に対応するために、年金の最低保障額を導入すること、生活保護申請者が尊厳をもって対応されるよう確保し

福祉手当を受給することに関するスティグマを撤廃するよう社会を啓発すること

  災害に対する救援や復興において、人権を基盤とするアプローチをとること、特に災害対策が経済的社会的および文化的権利の享有の差別につながらないよう確保すること

  原発施設の安全に関連する問題に関し、透明性、事故対策を強化し、危険の可能性、防止措置や対応策について包括的で信頼のできる、正確な情報を住民に提供し、

事故が起った際にはすべての情報を直ちに開示すること

  「慰安婦」の受けた搾取の被害に対して必要な措置をとり、彼女たちに対するヘイトスピーチなどを防止するために社会を啓発すること

  教育に関する差別禁止は直ちに実施しなければならない義務であり、朝鮮学校に通学する子どもにも高校無償化の制度が適用されるよう確保すること

  義務教育が外国籍の子どもにも、その法的地位に関わらず適用されるようモニターすること、無償化制度に入学金や教科書代もできるだけ早急に含めること

  アイヌの人々の生活水準改善に向け、特に雇用と教育の分野における特別措置を含む努力を強化し、その取組を北海道以外に住むアイヌの人々にも拡大すること



 全日本年金者組合中央本部は、政府が勧告を真摯に受け止め、最低保障年金制度を実現するなどの対応をするよう求めています。

ところで、「社会権規約」 とは 「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」 の 略称です。

1966年の国連総会で採択された国際人権規約のひとつで、 労働 ・ 社会保障 ・ 生活 ・ 教育などの 経済的 ・ 社会的 ・ 文化的権利 (社会権) を 保障しています。

締約国政府は 権利の完全な実現を漸進的に達成する義務を負います。 日本は 昭和54年 (1979) に 批准しています。
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