ねこぶえのうろうろ

  ニュースはなるべく辛口に…(時々甘くなるかも?)

憲法なんかも

2005-11-23 14:44:28 | 政治
 先の選挙で自民党が大勝してから、「憲法改正」が話題になってますね。
 特に憲法9条。

 時々テレビで、政治家が議論してたりしますが、正直、お粗末な議論やなぁと思います。
 2つの重要な観点が抜け落ちてるんじゃないでしょうか。

 まず第一に、めっちゃ根本的な話だけど、日本に攻め込んでくる国なんてないですよね。
 仮に自分が、中国の国家主席とか、ロシア大統領とか、北朝鮮の書記長とか、韓国の大統領とかになったと考えてみればよいのです。いったい、何のために日本に攻め込むでしょうか。
 日本には石油などの資源もないし、歴史的に他の国がほしがるような土地でもないし、宗教的な対立を起こしているわけでもないのです。逆に、食料自給率40%という事情を考えれば、征服した土地のために、別のところから食料を運んでやらねばならないのです。いったい、何のために日本に攻め込まなければならないのか。

 唯一ある可能性は、日本が軍隊を持っていたり、アメリカ軍が日本にいたりすることで、その攻撃を受けないために先制攻撃されるくらいじゃないでしょうか。たとえばですが、北朝鮮と韓国が戦争を始めたとして、日本から兵器が運び込まれるのを防いだり、アメリカ軍基地が使われたりするのを防ぐために、北朝鮮が先に攻撃してくる…そんなことくらいしか考えられません。

 つまりなにが言いたいかというと、日本に軍隊があるから、攻撃されかねないのであって、日本が本当に戦力を放棄すれば、日本は完全に平和になるということです。
 百歩譲って、今の、がんじがらめに縛られている自衛隊で十分。それも、今後削減していくべきであって、現状に合わせて憲法を改正し、そもそも憲法違反している自衛隊を追認してやる必要なんて、どこにもないのです。

 ここから2つ目の観点ですが、憲法というのは、現状を追認するような性格のものでは、決してないんですよ。
 国の進むべき道、理想の姿が「憲法」なんですよ。

 もちろん、それが時代とともに移ろうのは否定しないし、そのときには憲法を改正すればよいです。
 しかし、「平和国家」というのは、今も「日本の国のあるべき姿、これから進んでいくべき道」でしょう?
 ならば、それを変えるのは絶対におかしい。最終的に「あるべき姿」のなかに「軍隊」が組み込まれるのはおかしいと、ねこぶえは思うのです。
「交戦権」というのは、つまりは「国家の命令であれば、人を殺しても罪に問いませんよ」ということですから、それが憲法に組み込まれるのは、明らかに平和国家に反するのです。

 またも百歩譲って、どうしても平和のために「集団的自衛権」とかいうものが必要なのだったら、その時その時で法律を作るしかないでしょう。実際にそうして自衛隊を送っているのだし。その手続きを簡単にしよう…という必要が、いったいどこにあるのか。議論を避けて、軍隊を手早く送ろうとする、その真意はいったい何?と考えてしまいます。
 憲法との矛盾は生じるけれども、本当に「集団的自衛権」なるものが正しいのかどうか、国際的な議論を待つしかないかと思います。


 いや、ほんとにね。
 日本というのは、地理的にも、歴史的にも、奇跡的に恵まれてきた国だと思うのです。
 イスラエルなんて国は、誕生した時点から、宗教的にも地理的にも問題のまっただ中にあり、平和国家になれそうにもない状況を背負ってきています。北朝鮮という国も、要は当時のソ連が勝手に作った国であって、「あるべき姿」の中に「平和」が含まれていなくてもしょうがないのです。

 だからこそ、日本という国は、その奇跡的な幸運を世界に還すために、本当の意味での「戦争放棄」を目指すべきだと思うんですね。
 ごちゃごちゃ理屈を付ければ戦争ができるような、そんな言い訳だらけの国にするんじゃなくて、本当に世界を信頼し、自分達を信頼し、武器なんていらないよと。
 それが理想なのは十分わかっているけど、憲法というのはそういう「理想」でなけりゃ、意味がない、とねこぶえは思います。


 実際に。
 ねこぶえは、今の自衛隊にかかっているお金で、世界中から若者を招待し、留学してもらえばいいと思います。
 たくさんの人に来て、日本という国を知ってもらえばいい。本当に、平和な国ってのがあるんだよ、と、知ってもらえればいい。
「徴兵がなくて、だれも銃を持ってなくて、武器も基地もない国が、本当にあったよ」
と、その人たちに、自分の国に帰ったあとでみんなに伝えてもらえればいいのです。

 毎年そんな人が、1万人ずつ増えていったら、日本は世界の中で本当に立派な働きをしたことになる。
 10人の技術者を送るために、100人の兵隊を一緒に送るより、ずっとずっと大切なことじゃなかろうか。まして、外国に出て行って、そこで兵器を使うことの方が重要とは、ねこぶえにはとても思えない。
 少なくとも、どちらを「理想」として憲法にうたっていくべきなのか。そう考えれば結論は明らかだと思っています。

 政治の世界が、現状追認に走っていっちゃ、絶対にダメですよ。
 それって、ようするに「何でもあり、やったもん勝ち」ですから。先の大戦のとき、陸軍や海軍で、武功を挙げた方が政治の場で発言力を持っていったというのが、まさにその姿ではないですか。
 目の前のことに振り回されず(目の前の問題に対応するのは、憲法以外の問題です)、これからを担っていく日本のリーダー達に「本当にあるべき姿」は何なのかを考えてもらいたいです。

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33 コメント

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むずかしいねー (ぱく)
2006-09-30 23:08:30
読ませていただきました~。



ねこべえさんの言うような国を作ろうと思うなら

国連でもなんでも世界的にそういった国であることを認めてもらう必要がありますね~。

完全に絶対に中立。軍隊持たない、持ち込まない。

軍隊が国土を通過するのもダメだし、

etc、etc。



問題はねこべえさんの言うような事を「日本がする」のではなくて

国際社会が「日本がそうなることを認める」事が出来るかですねー。



他にもアメリカに負けた日本は事実属国状態ですよねぇ。ヘコヘコしてて。

そういった状態から抜け出せるのか?ってこと。



あと国じゃなくなるんじゃないかなーって思うかなー。

周りの国が追随するならいいですよ。

でも、もし近くの国でひどい戦争があって、日本にはそれを止める力も無い。

終わった後近くの国を復興させてあげることもできない。

いつものようにお金を出すだけ?になるのかな。

それってすごく国際的に浮いてると思うんですよねー。

火事場でその現場に飛び込んで助けるのと、

火事が終わった後にお金を出して取り壊すみたいな。

そんな国だと、今もそうですけど国際的な発言権ってほとんど無くなるんじゃないのかなぁ?

(こんなに平和にいてお金で貢献しまくっても常任理事になれてないですからねー)

万が一非常時になった時に必要だし軍隊作ろうか!じゃ間に合いませんよねぇ?

とすると、国民の生命と財産を守る事が国家の力によって成されない事を意味しますよね?

いうなれば天国みたいですけど。

そういったのは理想論ってやつでまだまだ先の話じゃないのかなーなんて思いました。

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Unknown (???)
2006-10-01 08:29:19
政治について語る教師って何か信用できませんね。特に憲法問題。

まさか教室で赤旗配ってる?そんなことはやめてね。
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Unknown (ねこぶえ)
2006-10-01 20:49:12
>ぱくさん

 うん、世界的に認めてもらうために、留学生をどんどん招待したらいいと思うんですね。

 追随してもらうというよりは、そうやって日本の「平和」に触れた若い種を、世界中に蒔いていく…といいうイメージでしょうか。



 もちろん、理想論だとは思っております。

 でも、実行可能なことではあるだろうとも思ってます。

 だから、憲法の中に、安易に軍隊を組み込むな、と思っているわけです。



>???さん

 語った内容と無関係に「政治について語る教師は信用できない」と言われてしまうと、なんとも言いようがないですが(^^;;。

 信用して頂けなくてもしょうがないですが、偏見抜きで見てもらえたらそれで十分かと思ってます。
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Unknown (ひろ)
2006-10-02 21:24:13
世界のひとを日本に留学させたら・・ということですが、平和でない国の人達は、「どうやったら、日本みたいに平和になるの?」と質問するでしょう。というか、それだけが聞きたいはずです。留学なんかする必要はないでしょうね。



で、あなたは何て答えるんですか?。



平和な状態をつくるために、どれだけの血が流されるか、あなたはわかっていますか?。



なんだか、日本はたまたま奇跡的な国だなんて、

適当な説明していますが、歴史や現実をしっかり

捉えなければ、他国の人間に馬鹿呼ばわりされるだけだと思います。



なんか、ものごとをあまりにも知らないから、無責任な言説ができるような感じがします。不快感。



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Unknown (ねこぶえ)
2006-10-02 21:48:03
>ひろさん

 いやぁ、知識として学ぶのと、実際にその国の人とあって話すのだと、だいぶ違うと思いますよ。

 僕は以前、「徴兵制ってのも悪くはないかもな…」と思ってた時期がありましたが、韓国に行って、同年代よりちょっと年上の人たちと話をして、本当に日本に徴兵制がないことを心から嬉しく実感しましたから。

 それに、日本が平和憲法を持っているということが、どれくらいちゃんと世界に認識されているのか。そうしたことを考えれば、留学して「日本に暮らしてもらう」ということの意味は大きいと思います。



 それから、僕が一番言いたいのは、日本は「武力による平和以外に方法はない」と考えがちな人たちに対して、非軍事(不完全ではあるけども)で平和にやってる国があるんだよ、というアンチテーゼを投げかけるべきだ、ということです。

 そのための、実行可能な方策として「留学生の受け入れ」というのはどうでしょうか、と。



 ちなみに、「どうやったら平和になるの?」という問いに対して、「日本は、武器を持たないことで平和になりました」と答えられます。(この辺が、はしょりすぎてて、ひろさんの不快感の原因かもしれませんが…)

 もちろん、残念ながらそれは普遍の方策ではないとも思っています。国によっては、周りの国との貿易協定を結ぶことかもしれないし、宗教的な和解をすることかもしれないし、国土を割譲したりすることかもしれません。



 ただ、軍備を放棄することで平和を確保できている国もあるんだよ、と、そのことのアピールは続けた方がいいよな、と思う次第です。
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Unknown (AZK)
2006-10-03 21:45:34
「日本は、武器を持たないことで平和になりました」と答えて、

「日本はちゃんとした武力を持ってますし、米軍も駐留しています。

それで非武装で平和を守ったなんて

嘘を言わないで下さいと言われたらどうします?

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Unknown (ねこぶえ)
2006-10-03 22:35:35
>AZKさん

 それは本文を読んでくださいな。

 先のコメントでも「非軍事(不完全ではあるけども)」と但し書きをしています。

 僕の考えでは、日本は武力を放棄して平和になり、再軍備によって徐々に危険に近づいていると思っています。少なくとも、自衛隊や在日米軍によって、日本の平和が保たれているわけじゃないと思いますよ。

 もしよろしければ、僕の意見への批判だけではなくて、AZKさんご自身の考え方を書いてみてください。その方が、話が建設的な方向に向かうと思います。
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Unknown (Unknown)
2006-10-04 19:11:53
非武装によって平和が保てるなら、植民地時代にろくな軍備も持っていなかった国が植民地化された理由を、わかりやすく説明してください。

そんなに有効的なら、何故非武装中立国が存在しないのかも教えてください。

全面戦争ではなく、軍事力による恫喝によって資源や領土を盗られてしまったときにはどうすればいいのか教えてください。

万一攻撃を受けてしまった時、どのようにして国民を守るのか教えてください。
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Unknown (ねこぶえ)
2006-10-04 19:58:03
>Unknownさん

 武力放棄によって平和になる、というのは「普遍的な方法ではない」と、この記事の中のコメントで書いた通りです。

 また、その辺が「奇跡的に恵まれた国」と僕が書いている所以です。



 世界的に、アメリカ主義の平和概念がはびこりつつあるでしょ?攻撃されそうなら、こっちから攻撃しちゃえ!それが平和だ!みたいな。

 でも、それが全てじゃないよ、ということを、世界の人に実感としてつかんでもらいたい。

 そういう理想を描いているわけです。



 あとは、もう一度本文やここまでのコメントを読んでいただきたいです。

 万一に備えた軍備で、より具体的な危機にさらされるってのも、僕は嫌だなぁと思います。
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  (ググレカス)
2006-10-04 21:03:52
忠誠の昔からヨーロッパの鼻つまみ者であり

かつてのソ連の中心であり、裏切り者の代名詞であり

未だに独裁体質から抜けられない覇権主義国家、ロシア。



共産党一党独裁体制で、民主化勢力を悉く弾圧し

チベットを侵略し、東トルキスタンを侵略し

国民より軍事を優先し、台湾と日本に核の牙を向け

毎年二桁%で軍事予算が増大している

アジアの脅威、中華人民共和国。



言わずもがなの犯罪国家、国というよりテロリスト自治区・北朝鮮。



資本主義勢力に属し、米国の同盟国でありながら

上記の三カ国と政治的に非常に近く

たかが竹島の海洋調査如きに巡洋艦を出してくる程に

軍事力を多用し、国防政策上必要のない筈の兵器まで

アメリカに発注し、対日本戦に備える獅子身中の虫・韓国。



えー、彼等が我が日本国の隣人であります。

彼等に平和憲法を押しつけて実行させ、武装解除させてみて下さい。

それをしないまま「率先して」武装解除を行うのは

強姦魔共のど真ん中で全裸で生きる事を主張する気違い女くらいの

超異常行為です。

日本にある平穏な人間社会が、国境線の向こう側まで

続いていると思っているのなら、それは妄想です。

現実を見て下さい。夢から覚めて下さい。
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