ねこぶえのうろうろ

  ニュースはなるべく辛口に…(時々甘くなるかも?)

自分の頭で考えるということ

2006-10-14 21:07:44 | 政治
 最近、気になっていること。
 こんなこと書くと、また荒れるもとかもしれんけど(^^;。でも、たくさんの人が見てくれているときだから、書いておきます。

 単純サヨクくん(純粋まっすぐ君、自虐史観など、呼び方はいろいろあるけど、要は「日本は悪いことをいっぱいしてきたから、謝らなきゃいけない」ということを、あまり根拠もなく(せいぜい学校でそう習った程度の根拠で)信じている人のこと)はずいぶん減ったと思います。ネットの世界なら、そういう人はむしろ少数派かもしれない。

そこには、小林よしのり氏とかが、マンガでわかりやすく従来の説の矛盾を突いた功績が大きいと思います。
それは良かった。

しかし、最近気になっているのは、「単純ウヨク」と呼ぶべき人が、逆に増えているんじゃないか?ということ。

小林よしのり氏の「戦争論」とか「ゴーマニズム宣言」なんかをちょっと読んだだけで、
「俺は本当の歴史を知ってるぜ!」
と思ってしまっているような人が、増えてるんじゃないかなぁ。

つまり、単純サヨク君が、そのまま180度引っくり返っただけ。
共通なのは「自分の頭で考えずに、人の頭で考えられたことを、口に出してるだけ」ということですな。

例えば小林よしのり氏のマンガだけ読んで、従軍慰安婦について語る人。

判で押したように
「日本軍が悪い関与をしたという証拠はない」
とおっしゃいます。
その通り。
その物的証拠がないだけに、そのことについて、日本が国として謝罪したり補償したりする必要はない。
そこまでは良いと思います。
しかし、単純ウヨクくんは、そこまでで(つまり小林よしのり氏の頭で考えたところまでで)思考が止まってる。あー、そんなことはなかったんだー、と、何も考えずにそこで止まってる。

しかし、例えば今の日本は、援助交際なんて言葉が普通に使われていて、セックスがタブーでもない時代です。でも実際にお金で体を売る女性が多数というわけじゃない。
あるいは、昔、東北地方で不作の年に娘が遊郭に売られることがあったとはいっても、そうならないように極力頑張っていたわけです。だからこそ、身売りが悲劇であったんだろうと思います。

じゃあ、その当時、民間の業者は韓国人慰安婦を簡単に集められたんだろうか。
そんなうまくいくかなぁ?

あるいは、集めたのは業者…つまり民間であって、その慰安所を利用した日本軍は、その女性達がどのように集められたか知らなかったのかなぁ?
スパイを使って、占領地で不穏な動きがないか、目を光らせていたというけど?

いや、そんな状況証拠で、日本軍の責任を立証しようなんて思っていません。
ただ、「証拠が残ってないのだー。そんなことはなかったのだー。」で思考停止していいのかな、と、そう思う。

個人的な感覚としては、あれだけ管理された軍隊の中で、慰安婦だけが民間丸投げとは、あんまり考えにくいと思ってます。

繰り返しますが、証拠はないし、だから「国としての責任」なんかは、少なくとも今のところはないと思ってますよ。
でも、僕は自分で中国や韓国の文献を読むこともできないし、現地で調査をすることもできない。
ただ、いろんな人が調べて書いてくれたことを何冊かの本として読んだだけ。

だから、たとえ読んだ本の中で、作者にとっての結論が出ていたとしても、僕自身はそこで思考を停めてはならんなぁと思ってます。

僕は軍隊も直接は知らないけど、やっぱり当時の日本軍が、何も知らない、責任がないってのは不自然やと思うもん。


あー、念のために言っておきますが、僕は日本が好きですからね(^^;)。愛国心ありますよ。
日本が常に最善をなしてきたとは思ってないけど、それでも日本人でよかったと思うし、日本に生まれてよかったと思ってます。
君が代は、音楽の好みとして好きじゃないけど(音楽的にも不自然で、国歌としてふさわしいとも思ってないけど)、それを差し引いても日本という国は好きです。


要はね。
情報はなるべく広く集めて、そして常に自分の頭を使って考えなきゃいけないよ、と(当たり前のことを)思うわけです。

今までの歴史があるから、自虐史観的なサヨク思想に対する反動があるのは理解できる。全体的にウヨク思想に片寄るのはやむをえない。
けれども、それに伴って、韓国や中国を蔑視したりする風潮まで復活しつつあります。
このブログのコメントでも、それを感じさせる言葉を、恥ずかしげもなく書き込む人がいる。

日本の歴史を肯定したら、お隣の国を馬鹿にする風潮まで肯定してる人がいる。
日本はすごいんだぜ!と思うことを愛国心だと決めつけ、そのためならお隣の国をおとしめる人がいる。そんな人が「国を愛するなら、国旗や国歌も愛するべきだ」なんておっしゃる。
単純ウヨク、と僕が呼びたいゆえんです。

日本人でよかった、と先ほど書いたけど、この部分ではとても恥ずかしく、悲しく思う部分です。
ブログが荒れても構わんけど(そこから学ぶことも多いし)、単純ウヨク君の吠え場所になるのはイヤだなぁ。

自国の歴史を大切にすることと、なんでもかんでも今の時代に復活させることは違うはず。
自分の頭で考えることを忘れちゃいけないな、と思う次第です。

民間人の犠牲者、という言葉

2006-07-05 23:42:17 | 政治
 北朝鮮がミサイルを撃ったみたいで、政治の世界はまた忙しくなった模様。
 なんでそんなことが起こるのか、さっぱりわからんのですが、それはさておき。戦争ってのが、また身近になった気がするので、ちょこっとだけ書いておこうと思います。

 あの、イラク戦争のときなんかもそうやったけど、軍事施設のみを狙ったピンポイント爆撃とかってのが、最近の流行ですね。
 そして、攻撃を受けた側は「アメリカの爆撃によって、子どもなど民間人がたくさん死んだ」と非難するし、逆に攻撃した側は「民間人の犠牲を最小限にとどめた」と宣伝するわけです。

 たしかに、基本的には、どうしても避けられない戦争ならば、それは軍人同士だけで決着されるのがよい。
 民間人が戦争の犠牲になるのは、悪いことです。

 でもなぁ。
 やっぱりここにも、忘れてはいけない視点があると思うのです。

「一つの花」みなさん覚えてますか?小学校4年生の教科書に載ってるお話。
 ゆみ子が、「おじぎり、一つだけちょうだい」と泣くので、戦争に行くことになったお父さんは「おかあさん、みんなおやりよ、おにぎりを」と言う。でも、お母さんは「もう、みんな食べちゃったんですの」と困って答える。
 そのとき、お父さんが「ゆみこ、一つだけのお花をあげよう」…って言って、一輪の小さな花を、ゆみ子にあげるんですな。

 やっぱねぇ。軍人といえども、戦争が起こったからこそ、軍人にならざるを得ない人ってのが、たくさんいるんですよ。
 このゆみ子のお父さん。戦場に行ったら民間人じゃないから、ミサイルで犠牲になってもいいですか?
 民間人に犠牲が出なかったからと言って、自慢できる戦争の成果ですか?

 そりゃまぁ、今のアメリカ軍は、多くは職業軍人かもしれません。
 しかし、イラクの軍隊は、多分そうじゃなかっただろうと思う。民間だの、軍人だのという境は、とってもあやふやなものなんです。

 最後に、僕がテポドンなんかよりずっとこわいと思うのは、日本が今、「非常時には、民間は自衛隊に協力すること」という法案を持ってしまっている、ということなんですね。
 言うときますが、自衛隊に協力してる民間ってのは、軍隊と一緒やからねぇ。
 自分たちが、たやすく、「戦争状態なら、攻撃されても当然の存在」に勝手に変えられてしまうというのが、実は一番こわいことだと思います。

 なんとか、平和な世界ってのには、ならないものかなぁ…。

日本側の政治利用

2006-06-29 22:50:17 | 政治
 横田めぐみさんの夫とされる金英男氏。
 この会見が「北朝鮮側の政治利用だ」という報道がいっぱいいっぱいなされていますが。
 もちろん、僕もそうだと思いますが。

 絶対に見落としてはいけないと思う視点が一つ。
 それは、日本側も、拉致事件を十分に政治的に利用してる、ということです。

 そもそも、20年以上たってから、急に「拉致問題」がクローズアップされてきたのはなぜか。
 被害者家族ががんばったから?
 もちろんそれもあるけど、それだけではないはずです。それやったら、10年以上前から今くらいの話になってなきゃならん。

 要は、小泉首相になってから、急展開したんですよね。
 それはなんでかというと、僕は、「日本政府が『仮想敵国』を欲したから」だと思うのです。

 ご存知のとおり、小泉首相の時代になってから、日本はかなり攻撃的な国になりつつあります。あちこちに軍隊を派遣してます。
 じゃあ、これをもう一歩進めるためにはどうすればいいか。
 それは、「日本が危ないなぁ」と思うような『仮想敵国』があれば、都合がいいのです。

 さて、北朝鮮という国は、もともと「変な国やなぁ」というイメージはあったけど、直接日本とどうこう関係のある国じゃありませんでした。「近くて遠い国」という表現がぴったりな国。
 ところが、「拉致」を国家的犯罪としてクローズアップしたことによって、「日本と直接関係のある、しかもとてもとても悪い国」になりました。

 いやもちろん、拉致ってのは絶対に許されない犯罪なのは間違いないですが、犯罪の重さと、それが国際問題としてクローズアップされるかどうかは別問題。やはりこれは、日本の政府が「国際問題としてアピールした」と言えます。そういう意味では、拉致問題ってのは、日本側が仕掛けたといえるかも。それを、双方が駆け引きしながら利用しているわけです。

 そう考えると、今回の件は、北朝鮮のアピールでもあると同時に、それを「政治利用だ!」と批判しまくることによって、日本側も政治利用していると見るべきだと思います。

 北朝鮮を擁護するつもりはまったくないけど、少し割り引いてマスコミの報道を受け止めなきゃなぁ、と思っております。

憲法なんかも

2005-11-23 14:44:28 | 政治
 先の選挙で自民党が大勝してから、「憲法改正」が話題になってますね。
 特に憲法9条。

 時々テレビで、政治家が議論してたりしますが、正直、お粗末な議論やなぁと思います。
 2つの重要な観点が抜け落ちてるんじゃないでしょうか。

 まず第一に、めっちゃ根本的な話だけど、日本に攻め込んでくる国なんてないですよね。
 仮に自分が、中国の国家主席とか、ロシア大統領とか、北朝鮮の書記長とか、韓国の大統領とかになったと考えてみればよいのです。いったい、何のために日本に攻め込むでしょうか。
 日本には石油などの資源もないし、歴史的に他の国がほしがるような土地でもないし、宗教的な対立を起こしているわけでもないのです。逆に、食料自給率40%という事情を考えれば、征服した土地のために、別のところから食料を運んでやらねばならないのです。いったい、何のために日本に攻め込まなければならないのか。

 唯一ある可能性は、日本が軍隊を持っていたり、アメリカ軍が日本にいたりすることで、その攻撃を受けないために先制攻撃されるくらいじゃないでしょうか。たとえばですが、北朝鮮と韓国が戦争を始めたとして、日本から兵器が運び込まれるのを防いだり、アメリカ軍基地が使われたりするのを防ぐために、北朝鮮が先に攻撃してくる…そんなことくらいしか考えられません。

 つまりなにが言いたいかというと、日本に軍隊があるから、攻撃されかねないのであって、日本が本当に戦力を放棄すれば、日本は完全に平和になるということです。
 百歩譲って、今の、がんじがらめに縛られている自衛隊で十分。それも、今後削減していくべきであって、現状に合わせて憲法を改正し、そもそも憲法違反している自衛隊を追認してやる必要なんて、どこにもないのです。

 ここから2つ目の観点ですが、憲法というのは、現状を追認するような性格のものでは、決してないんですよ。
 国の進むべき道、理想の姿が「憲法」なんですよ。

 もちろん、それが時代とともに移ろうのは否定しないし、そのときには憲法を改正すればよいです。
 しかし、「平和国家」というのは、今も「日本の国のあるべき姿、これから進んでいくべき道」でしょう?
 ならば、それを変えるのは絶対におかしい。最終的に「あるべき姿」のなかに「軍隊」が組み込まれるのはおかしいと、ねこぶえは思うのです。
「交戦権」というのは、つまりは「国家の命令であれば、人を殺しても罪に問いませんよ」ということですから、それが憲法に組み込まれるのは、明らかに平和国家に反するのです。

 またも百歩譲って、どうしても平和のために「集団的自衛権」とかいうものが必要なのだったら、その時その時で法律を作るしかないでしょう。実際にそうして自衛隊を送っているのだし。その手続きを簡単にしよう…という必要が、いったいどこにあるのか。議論を避けて、軍隊を手早く送ろうとする、その真意はいったい何?と考えてしまいます。
 憲法との矛盾は生じるけれども、本当に「集団的自衛権」なるものが正しいのかどうか、国際的な議論を待つしかないかと思います。


 いや、ほんとにね。
 日本というのは、地理的にも、歴史的にも、奇跡的に恵まれてきた国だと思うのです。
 イスラエルなんて国は、誕生した時点から、宗教的にも地理的にも問題のまっただ中にあり、平和国家になれそうにもない状況を背負ってきています。北朝鮮という国も、要は当時のソ連が勝手に作った国であって、「あるべき姿」の中に「平和」が含まれていなくてもしょうがないのです。

 だからこそ、日本という国は、その奇跡的な幸運を世界に還すために、本当の意味での「戦争放棄」を目指すべきだと思うんですね。
 ごちゃごちゃ理屈を付ければ戦争ができるような、そんな言い訳だらけの国にするんじゃなくて、本当に世界を信頼し、自分達を信頼し、武器なんていらないよと。
 それが理想なのは十分わかっているけど、憲法というのはそういう「理想」でなけりゃ、意味がない、とねこぶえは思います。


 実際に。
 ねこぶえは、今の自衛隊にかかっているお金で、世界中から若者を招待し、留学してもらえばいいと思います。
 たくさんの人に来て、日本という国を知ってもらえばいい。本当に、平和な国ってのがあるんだよ、と、知ってもらえればいい。
「徴兵がなくて、だれも銃を持ってなくて、武器も基地もない国が、本当にあったよ」
と、その人たちに、自分の国に帰ったあとでみんなに伝えてもらえればいいのです。

 毎年そんな人が、1万人ずつ増えていったら、日本は世界の中で本当に立派な働きをしたことになる。
 10人の技術者を送るために、100人の兵隊を一緒に送るより、ずっとずっと大切なことじゃなかろうか。まして、外国に出て行って、そこで兵器を使うことの方が重要とは、ねこぶえにはとても思えない。
 少なくとも、どちらを「理想」として憲法にうたっていくべきなのか。そう考えれば結論は明らかだと思っています。

 政治の世界が、現状追認に走っていっちゃ、絶対にダメですよ。
 それって、ようするに「何でもあり、やったもん勝ち」ですから。先の大戦のとき、陸軍や海軍で、武功を挙げた方が政治の場で発言力を持っていったというのが、まさにその姿ではないですか。
 目の前のことに振り回されず(目の前の問題に対応するのは、憲法以外の問題です)、これからを担っていく日本のリーダー達に「本当にあるべき姿」は何なのかを考えてもらいたいです。

本当に!??

2005-09-11 21:06:48 | 政治
 今、選挙開票速報を見ているわけですが…、自民党単独で300議席!??

 うそやろ~!!!???

 出口調査だけの話やから、これからどうなるかわからんとはいうものの…、まさかこんなことになるとは思わんかったです。


 それに、奈良一区もびっくりですが、あの鍵田忠兵衛が、出口調査では1位になってる。1ポイント差ではあるんだけど、まさかこんなことが起こるとは。
 選挙戦・前半の記事でも書いたけど、税金未納問題で市長を不信任にされて、「民意を問う」とかいって辞職&議会解散を行って、自民党候補と争って、ものの見事に負けた人ですよ。
 その人が、2ヶ月後に自民党候補として、国会議員の選挙に出てくるなんて、それだけでもその神経を疑いたくなるのに、それがひょっとしたら当選するかもしれないなんて、なんかもう、悪夢みたいだ…。

 しかし、今回の選挙で、「政党の地盤」というものの強大さが、ものすごくよくわかりますね。
 前々回の選挙で、奈良一区で勝った森岡正宏さんが、今回無所属で出て、鍵田忠兵衛に遠く及ばない。

 結局、こういう構図が浮かびます。
 前回までの選挙では、無党派層の票が、基本的に民主党に流れていたわけです。

 ところが、今回は、無党派層の票が、いわゆる「造反議員」に流れていて、そこで民主党の勢いが完全に止まってしまっているのですな。
 しかし、無党派層の票だけでは当選できず、また、民主党も、無党派層の票なしでは当選できず、結果的に自民・公明の組織票で、与党候補が次々と当選している感じです。
 小選挙区のおそろしさでも、あるのかもしれません。

 結果論にしかなりませんが、造反議員が、自民党を協力にアシストしてしまった…、ということではないでしょうか。


 うーむむ、しかし…、ほんと、鍵田忠兵衛が当選するようなことがあったら、奈良市の恥やでぇ…。

選挙戦・後半

2005-09-11 13:37:15 | 政治
 いや、すっかり書くのが遅くなってしまって、なんと今日はもう投票日(^^;。
 ねこぶえは、先ほど投票をすませてきました。

 結果は、開けてみなければわかりませんが、世論調査によると「自民党優勢」のようですね。
 うーん、実に残念。

 今さらですが、ねこぶえが「自民党の言うてることはおかしいで」と思うことを書いておきましょう。

 まず第一に、「郵政民営化することで、国家公務員を減らせる」という主張。
「国家公務員を減らす」というのは、「国の無駄な支出を減らす」ための手段であって、「国家公務員を減らすこと」自体は目的じゃありません。
 国の税金を1円も使っていない国家公務員を減らすことには、何の意味もないんですね。郵便局の職員さん30万人を国家公務員じゃなくすことよりも、あちこちの役場で余ってる公務員を減らす方が、よほど先決です。

 もちろん、公務員にしてるから窓口の接客態度が悪いんだ、とか、民間にしたらもっと給料を抑えられる、とかいう意見も考えられますが、それならそう主張すべきなんですね。
 自民党が、なぜそういわずに「国家公務員を削減できる」という無意味な主張を繰り返すかと言うと、これがあたかも「改革」であるかのように見せるためです。実質的に中身のないことを、あたかも「公務員削減」という難題解決を行うことであるかのようにしたいという意図が見えます。


 第二に、その国家公務員削減や、「民間でできることは民間で」などを総合して「小さな政府」という主張を行っています。民主党がやろうとしていることは「大きな政府」であって、自民党は改革をして「小さな政府」をめざすのだ、と。

 一般に、「小さな政府」の方が、自由で無駄がなくてスマートな雰囲気を受けます。実際、本当ならその通りです。
 しかし、決してダマされてはいけないのは、自民党が近い将来の増税を予定している、ということです。選挙戦に入ってからは、増税についてはイエスともノーとも言わなくなりましたが、実際には消費税アップなど、いわゆる「サラリーマン増税」が待ち構えているわけです。ここに、決定的な矛盾がある。

 小さな政府、民間にできることは民間で、と主張するなら、税負担は「軽くならなければならない」のです。
 民間が行うということは、サービスを受けるのにお金がいるわけですから、その分、税金は安くなり、大衆の財布の中に現金が残るようにしなければならないのです。
 なのに、官によるサービスは打ち切り、しかも税金はアップというのでは、まったく「小さな政府」の意味がない。

 重要なことは、「だれのための」国家公務員削減や、小さな政府であるのか、ということです。
 ここまでで書いた通り、一般国民にとって、自民党のいう「国家公務員削減」「小さな政府」は、まったく無意味で、単にサービスの低下と負担の増加を意味しているだけです。

 結局、これで得をするのは、減税措置を受け続けている大企業と、郵便貯金が解放されることによって儲けのチャンスを得る銀行(特に外資系)なのは明白です。
 それ以外には、まったくメリットは思い当たらない。

 痛みに耐えて改革を実現しよう、と、小泉首相はずっと言い続けてきたけど、少なくとも郵政民営化と、小さな政府という「改革の成果」は、僕にはなんのメリットもないのです。
 これが改革なら、それは「儲ける人が変わっただけ」の「お役所改革」でしかないし、そんな改革は昔からあったのです。

 まったく、本当に自民党というのは、言葉の使い方がうまいし、民主党はそれを指摘する力が本当に弱い。
 結局最後まで、まともな政策論争は行われなかったな…、というのが僕の実感です。

選挙戦、前半

2005-08-23 17:56:56 | 政治
 さてさて、いうてる間に選挙がやってきますね。
 ふぅむ。ねこぶえはどうするかな、と。

 奈良は、造反自民党さんが二人いて、そしてしっかり刺客が送り込まれております(^^;。
 ねこぶえの住んでいる1区は、前の選挙で、ついに自民党の牙城が崩れて民主党の議席になったところです。

 で、今回は、本来なら森岡正宏氏が、自民党公認で立候補するはずでした。(今までは、前回落選した高市早苗氏と、小選挙区と比例代表とで選挙ごとに交代する方式をとっていて、今回は森岡氏が小選挙区に回る番)
 ところが、郵政民営化に対して反対票を投じたため、森岡氏は自民党から立候補できなくなったわけですな。

 そしてそして、自民党が刺客(?)として立てたのが、鍵田忠兵衛ですわぁ。もう、敢えて敬称略です。
 知る人ぞ知る…というか、先日の奈良市長選挙で落選した、鍵田忠兵衛。
 税金の未納問題で辞職。さらに市議会の解散にうって出て、奈良市民の信を問い、そして見事に選挙に敗れた、あの鍵田忠兵衛です。

 えぇと…、どうなんでしょね。
 税金が未納であったり、奈良市政を停滞させたことで、奈良市長に選ばれなかった人が、その約2ヶ月後の選挙に普通に出てくるというのは。
 何より大事なことは、市長時代は、自民党とは全然協調してないんですよ。実際、市長選では自民党が推薦した候補に破れてるわけですし。

 その人が、自民党の公認をもらって、国会議員の選挙に出てくる。その神経が、ねこぶえにはイマイチわかりません。
 たしかに、奈良市の自民党の地盤は非常に分厚いですから、投票率が低ければ、鍵田忠兵衛当選の可能性も十分にあるとは思いますが…、要は、政治家にさえなれれば何でもよい、ということですね。
 この前の市長選で、この人に投票しなくてほんと良かったな、と思う次第です。

 まぁ、鍵田忠兵衛は、そんなこんなで、候補から外せるのです。
 それから、共産党も候補を立ててくるはずですが、そしてねこぶえは共産党支持ですが、死票になるのがわかりきっているので、残念ながら共産党候補にも投票するつもりはないんですね。

 で、残るのが無所属で出てくる森岡氏と、前の選挙で見事に高市早苗氏を破った民主党の馬淵氏なんですね。

 これがなぁ…、非常に迷う。
 二人とも、なかなかえらい政治家だと思うのですよ。とにかく、選挙期間中でなくても、しょっちゅう街頭に立って政策をうったえてはります。
 議員になったら、あとは知らん顔の政治家が多い中、この両氏は、少なくとも自分の考えを表明する機会をたくさん作ってる。実際、街頭に出るってのは、なかなか勇気のいることやと思うんですね。僕は、高市早苗氏が、選挙期間以外で街頭演説をしてるところを見たことがない。。

 特に今回は、森岡氏が苦境に立たされているわけです。
 高市早苗氏が議席を失ったあとだし、自民党の公認は得られないし、しかも当の高市早苗氏は、あっさり奈良2区に回って、「刺客」として公認もらってるし。
 うむむ。こういう逆境の中にある人は、ついつい応援したくなってしまいます。

 馬淵さんも、すごく誠実な雰囲気の人。
 この人もよく街頭演説をしているし、こまめに国会での報告をチラシにしてポスティングもしてはります。前回は、この人と高市早苗氏の対決だったので、なんら迷うことなく馬淵さんに1票を投じました。
 ただなぁ…、民主党も、どぅも頼りないところがあるしなぁ。森岡氏が自民党に復帰しないのであれば、森岡氏を応援してあげたいなぁ…。なんてなことを思っています。

 しかし、この感情の動き。
 まさに小泉さんの思う壷のような気も、する(^^;。


 ま、比例区は、今回は共産党か社民党ですな。
 前回は公明党でしたが(^^;。
 可能性として、いずれの政党も過半数に届かないのであれば、共産党の存在意義が増してくるかもしれません。そうなると、1議席の意味は重いです。それは、ある意味で、有権者の気持ちを素直に投票していい機会と言えるかもしれませんね。
(前回の選挙なんかだと、自民・公明の連立政権が過半数を超えるのは確実だったので、共産党や社民党に投票しても無意味な感じがすごくしましたから…)

 とにかく、今回も大事な選挙です。
 小泉さんが、国民の意思を問うと言ってるんだから、しっかり答えていくべぇ。

NHK番組への政治圧力

2005-01-14 09:14:10 | 政治
NHKの番組に、政治的圧力がかかったというお話。

中川昭一・経済業産相と安倍晋三・自民党幹事長代理から「番組内容が偏っている」という指摘を受け、放送直前に編集が行われ、いくつかのシーンがカットされた…ということを、現職のNHKチーフプロデューサーさんが告発しています。

もちろん、議員の二人は否定しているわけですけども、これはまぁ…、圧力をかけたってことでしょうな。

まず第1に、
中川議員は「面会したのは放送後だ」とか、
安倍議員も「予算の説明を聞いただけ」とか、
そんなことを言ってますが、素朴な疑問があるですよ。
「なんで、NHKの幹部が、自民党の幹部とわざわざ面会してるのん?」
「なんで、予算の説明なんてするのん?」
これですな。
一応、ねこぶえなりにネットで調べてみましたが、僕がわかる限りでは、別に安倍さんも中川さんも、NHKの相談役でもなんでもないわけです。

第2に、安倍さんが会見の中で言ってましたが、この「従軍慰安婦問題を取り上げた番組」が、自民党の中で話題になっていたってのは事実なようですね。

この2点から想像するに、番組の内容が自民党内で事前に話題になったことで、NHKの幹部が勝手に「これはちょっとやばいんじゃない?」と考え、安倍さんに相談に行った。
そしたら「ま、ここは一つ、公平な報道を頼みますよ」と言われ、「こりゃいかん。編集しよう!」ってなったんだろうねぇ。

今回告発を行ったチーフプロデューサーも言ってますが、これは基本的にはNHK側の問題です。
自民党内で事前に番組内容が話題になったり、議員との面会が普通に行われているということから、おそらくは日常的に番組内容が政治家に相談されていると考えられます。

その上で、政治家も、直接的に「番組内容を変更しろ」とは言わなくても、
「ま、公平に頼みますよ」と言えば、これはもう「今の状態だったら、(政治的に)偏って見えるてイマイチだね」ということと同義ですから、これも立派な圧力ですな。

おそらく、NHKも議員さんも、賢い方々ですから、どちらも「直接的に」
「先生、これどうしましょうか?」と相談したり、
「これはいかん。変えたまえ」なんて指示を出したりはしてないと思います。
そこは、阿吽の呼吸で探りあってるんでしょう。

だから、今回の件で、圧力を「立証」するのは極めて困難であるに違いないと思います。
でも、日本の報道というのが、こういう日常的な「政治圧力」を受けながらなされている、というのは、頭に置いておかなきゃならんなぁ、って思いました。

黒ネコがんばる

2004-09-28 23:29:31 | 政治
ヤマト運輸が郵政公社を提訴したというニュース。
先日の新聞で、ヤマト運輸がローソンとの提携解消の過程を説明した広告を出してたのを思い出しました。
うーん。難しいことはわかりませんが、やっぱ、公社が民間を圧迫するようなことをしちゃいかんな。と思います。

えぇと、基本的に「競争」というのは消費者にとっていいことなんですが、それは競争が公平だったら、という前提があります。
んー、たとえば、ねこぶえが「よし、配達屋さんを始めるべぇ」と思い立ったとしますよね。
そしたら、問題になるのは、『いかにしてその配達網を整備するか』なんですよ。
ねこぶえが一人で、北海道や沖縄まで荷物届けてたのではまったく採算が合わないので、荷物をあっちにやったりこっちにやったりする仲間が必要になります。

さて、郵政公社の場合、この『配達網』をどうやって作ったかというと、これは「郵便配達」でできたのをそのまま使ってるわけです。荷物がばかでかくない限り、配達も、郵便屋さんがやってくれてます。
で、じゃあ郵便配達の配達網はといえば、これは国営で作られたものなんですね。
ふぅむ。それってズルいんじゃない?というわけですな。
こうやって書いてみると、やっぱズルいですな。しかし、そういう「空きスペース」を使ってサイドビジネスに乗り出すというのは、経営の基本でもあるかもしれない。

個人的には、もし郵便に特化して、郵便が安く速く届くようになるなら、郵政公社は郵便だけに特化してスリム化してほしい。
それが無理なら、やっぱりゆうパックは便利だし、今みたいな形で共存してほしいです。

いまごろ辞職??

2004-09-25 01:31:43 | 政治
古賀議員が、やっとこさ議員を辞職したそうです。
えぇと、だれやっけ???と一瞬思ってしまいましたが、アメリカの大学を卒業したとかしてないとか言って、「自分の目で確かめてくる」とアメリカまで行った人でしたね。
もうずいぶん前のことのような気もするけど、まだ辞めてなかったのかぁ…というのが正直なところ。

しかもこの記事によると、やっぱり「卒業してないのはわかってた」らしく、だったらあのアメリカ行き(たしか国会の会期中に行ったんじゃなかった?)も、単なるパフォーマンスだったってことになりますね。こりゃ非常に悪質だなぁ。

忘れかけてたねこぶえが言っても説得力ないですが、こういうことは忘れちゃいけませんね。
きっと、何年かしたら、いけしゃあしゃあと選挙に出てくるんでしょうから…。
奈良1区の高市早苗さんが、実に8年ぶりの小選挙区で落選したように、有権者を裏切った議員は、ちゃんと有権者が憶えていて、落選させなければいけませんね。
余談ですが、高市早苗さんは、次の選挙は比例区で出てくるはずなので、これは通っちゃうはずなんです。
このように、比例区と小選挙区で交互に出馬し、8年に1度しか有権者の実質的な審判を受けないようにするって、「ほとぼりが冷めるのを待つ」ようで、非常にずる賢いやり方だなぁと思います。庶民派っぽい顔して、しっかり政治家なんだなぁ。