直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

そして白居易は残った

2011年05月25日 | ちょこのひとかけ


白居易(はくきょい)。旧中国の詩人です。
その人生は順風満帆とはいかず、折々で困難にぶつかったようです。
特に問題となったのが住む場所で、
それゆえに自分の名前にも願いを込めたとか。

白……あきらか
居……居る、居住の場
易……たやすい、容易である

住む場所がはっきりとして、住むことが容易であるように。
そんな思いが伝わってきます。

彼はまた力自慢でもあったようで、
自分たちを立ち退かせようとするものに対しては
押し問答どころか力押しで追い返していたとか。

彼が求めた居場所。
彼が望む住まい。
住まいに居続けること、すなわち、すまうこと。
それは、相撲(すまふ)になりました。

お互い徒手空拳、体ひとつで向かい合い、
正々堂々とぶつかり合い、どちらが住まいを得るのかをきそうもの、
それがすもうです。
すもうとは縄張り争いのような意味を持ちます。
実際それを象徴して、現在でも土俵に縄が張られているのを見ることができます。

今回の日本の相撲の不祥事で相撲からおいだされ、
住まいをおわれた人々を見ると、
すもう本来の性質がよみがえったような気がして
なんとも不思議な気分になります。

こんな状況を見たのなら、白居易はいったいどう思うのでしょうか。
すもうもずいぶんと楽になったと笑うでしょうか。
それとも、真剣勝負を汚したと憤るでしょうか。

そんな思惑も想像も超えたところ、
白居易は今日も土俵でたたえられ続けます。

「白居易残った、白居易残った」と。


参照文献:
空田武都軽 『そして白居易は残った』 民明書房 2006年
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