ブログ de なんで屋 @東京

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活力ある農業団体紹介「株式会社ナチュラルアート」

2011-03-10 00:14:52 | 路上の声~仕事~

■ナチュラルアートってどんな会社?
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簡単に言えば
・農畜産物等の生産、加工及び販売から農業コンサル、講演、再生事業、マーケティング、ファイナンス、農業情報サイトまで農業を良くするためならなんでもやる
・売上高はグループ全体で100億円、従業員は約400名(2007年の情報)
・直営農場 全国に6箇所+シーズンにより対応、提携農家は1000軒
・2003年設立(設立8年目)
という会社です。

では、交流会のレポートに移ります。

■交流会で感じたこと
第一印象はみんな元気だということです。
そして、ナチュラルアートさん(特に代表の鈴木さん)のファンがとても多い。鈴木さんに張り付いていろんな話を聞く中で以下のことがわかってきました。

『日本の農を良くしたい』という気持ちで貫かれている
代表の鈴木さんのご意見を、まとめた記事があるので紹介します。

>世界は食糧危機。世界の60億人のうち10億人が飢餓状態、18億人は安全な水が飲めない状態。
日本の食料の自給率40%。国内の農業生産が衰退。食品の海外依存度UP。食品の流通業者はたくさんいるが、肝心の生産者がどんどん減っている。
300万人の農家の中で99%がいわゆる零細な家業・生業。
その一方で、
日本のヤル気のある生産者の農業技術は日々高まっている

>そんな状況から、なちゅらる・あーとさんは、
農業先進国に追いつけ追い越せ!そして国内に安心できる食品を安定的に供したい!そのリード役となっていきたい!
生産を元気にすること、生産がもっと強くなることを目的とし、農業生産が元気になるという目的を達成できるのであれば、我々にできることは何でもやる! (新しい「農」のかたち:リンク

 

現在、逆境にある日本の農を良くしていくために様々な分野に活力を持って取り組んでいます。

加えて、交流会で鈴木氏は、
「今の日本の農業の問題は全体的に行き詰っているのに、個々で対応し、あげく足を引っ張りあっているところにある。だから、まとまってみんなでがんばる必要がある!価値や利益はみんなで共有していこう!お客さんに対しても個々で対応するのではなく、提携してしっかり価値を認めてもらおう。
とおっしゃられていました。

個々ではなくみんなで!というところがポイントです

どちらかといえば閉鎖的、土着的な業界なので巻き込むのは困難だったと思います。確かに現在の農家は弱い立場に立たされているので巻き込みやすくなっていますが、それでも提携農家1000軒というナチュラルアートさんの巻き込み力はすごいですね。

その巻き込み力はどこから来るのでしょうか?

自分達はまだまだという謙虚な姿勢(=無能の自覚)
鈴木さんは常に「自分達はまだまだだ」とおっしゃられてました。
だからこそいろんなんなの力を借りていかないといけない。そして、期待を受ければできる限り応える。

まだまだという『無能の自覚』ができているからこそ、周りを巻き込み、期待に応えることができるのだと思います。

また、その謙虚な姿勢に周りも引き寄せられ、仲間がどんどんアピールしてくれてネットワークが広がっているようです。日本人ならではのネットワークの広がり方ですね

オープンな受け入れ体質
交流会では、各所で仕事の話が進められ業務締結が行なわれていました。集まっている人は取締役クラスばかりなので話が早い!

なちゅらる・あーとさんとの業務の話はもちろんですが、他の会社同士の業務の話もOK。この受け入れ体質にびっくりしました。
これも価値や利益はみんなで共有していこうというなちゅらる・あーとさんの受け入れ体質ならではなんでしょうね。

ただ、仲間内だからということで無理をしてまで業務提携はしないそうです。お互い納得がいくまで話をし、相互に利益があるのであれば提携し、難しそうなら提携しないという真っ当な判断の上で提携を進めるそうです。

当たり前ですが大切なことだと感じました。


このような社風によりいろいろな仕組みができています。

●大戦略会議
ごく信頼のできる仲間が集まり、徹底的に具体的戦略を詰め、徹底的に業績拡大を目指す。
●農業ビジネススクール
日本農業を担う農業経営者を育成を目的に、大学院(ビジネススクール)教授・農業経営者・栽培技術者・流通関連等々の各スペシャリストを講師とした、イーラーニング方式の授業
●交流会
日頃お世話になっている仲間の生産者、農業に関わる方、他産業の方々など、いろいろな方が集まる月例の交流会。鈴木さんは必ず参加するそうです。
●講演会
全国各地で年間50~60回の講演を行っている鈴木さんの講演
●作業イベント
全国各地にあるナチュラルアート農場(提携農場)で行われる農作業イベント
●農業SNS
農業業界が健全に発展するための、健全な議論や情報交換の場

 

最後に、鈴木さんに目標を聞きました。

「日本農業ホールディングス(≒第二の農協)を作りたい。なちゅらる・あーとはその傘下の1つでいい
個々ではなくみんなで団結していかないと日本の農全体がダメになる!だから日本農業ホールディングスを作り農業を守りたい。

『TPP』や『現在260万人いる農業人口が年間50万人減っていること(リンク)』を考えるとなんとか5年以内に農業ホールディングスを作りたい。そのために京セラの稲葉氏(第二電電の創設者)やソフトバンクの孫氏に会い経営戦略を学びたい」。
とおっしゃられていました。

鈴木氏の『農をもっと良くしたい』という意識のもと、実現に向けてどんどん邁進していく姿勢には頭が下がります。

なちゅらる・あーとさんの体制や仕組みをまとめると以下のような図解になります。

拡大画像はコチラ


農業は儲からないという風潮がありますが、日本の農をよくしていきたいという「実現の意思(可能性収束力)」と「巻き込み力(共認形成力)」があれば利益を上げることは十分可能だということを鈴木氏は教えてくれました。

>今まで以上に相手に踏み込み、一緒に動くことで相手を巻き込んでいる。更に、最初は巻き込まれる側だった人が、様々な協働作業を通じて成長することで、巻き込む側へ転向し、連鎖的に関わる人数が増え、渦がどんどん大きくなっている。それがこの時代の実現モデルなのだろう。

>表層的な観念や金で人を動かす時代はとうに終焉したと言ってよい。これからは、自らが相手に踏み込んで一緒に何かを実現していく『巻き込み力』が主軸となるだろう。

>そのためにも、まず周りをありのままに受け止める「肯定視」や「同化能力」、そして実際に物事を実現するための力である「可能性収束力」や「共認統合力」が必要となってくる。

『何を実現するにも「巻き込み力」が必要な時代』より


なちゅらる・あーとさんは上記の実現モデルを体現している企業だと感じました。これからも注目していきたい企業ですね

(masamune)


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