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新幹線灯油自殺から:貧困と健康、健康と貧困

2015-07-07 11:44:23 | 日記

先日、東海道新幹線車内で焼身自殺した東京都杉並区の71歳の老人が区議会議員に「12万円の年金生活では不足」と相談しており、「容疑者の遺品から、借金返済の明細が200枚ほど出てきたそうです。(略)年金暮らしの上に借金。生活苦から自暴自棄になったとみて、間違いないでしょう」(捜査事情通)と日刊ゲンダイが報じている。サラ金に借金があったと言っても、サラ金がおいそれとカネを貸すはずがない。銀行からの借金返済が滞り、系列の「サービサー」と言うサラ金に請求が回され厳しく追い立てられている姿は、想像に難くない。カネより精神的支えをへし折られたのに違いない。12万円では生活に不足するほどの謝金額だったのだろう。これに、健康でなかったら、病気にかかっていて、病院通いしていたなら出費は有無を言わさぬもので、納税、健康保険への支出もままならないに違いない。公共機関への滞納は延滞金嵩むから、雪だるま式に覆いかぶさる。

30年も前になるが、灘神戸生協の高村会長に取材した際(筆者は以前経済新聞の記者でした)「歳を取るということは病気を持つことと同じですからね」と、まだ若かった筆者を諭すように仰ったことがあり、まだ覚えている。71歳の老人はまだ働いていたそうでが、体はさぞきつかったろう。老人が貧困であることは即健康に害を及ぼす。直結する。今日の貧困問題は高齢化と密接なパラレルな関係にある。これは若い人には分かりにくいかもしれないが、71歳の老人が「年寄りは死ねということか」と口にしていたというのは実に深刻だ。焼身自殺した71歳の老人はある種の社会的典型現象で実は一人ではない。大きな社会問題だ。この事件の持つ意味が分からない学者や記者や社会ウォッチャー(評論家)は「失格の焼き烙印」を捺してやるべきだろう。「現代の貧困、ギリシャなど」について、私は常々考えていることがあり、次回に…。

追伸:読売2015年07月06日 16時18分によると「玩具や小型電子機器に使われる「ボタン電池」の誤飲や誤飲の疑いで、乳幼児が医療機関を受診した事故が東京都内などで2010年以降、少なくとも157件発生し、うち23件は入院が必要だったことが都の集計でわかった」という。子供さん、お孫さんにご注意!1


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