「おでん」と「よし子」

学会＠那須ののち実家に帰り、いろんな友人と連日連夜飲み交わしておりました。
その合間を縫って先日、老人ホームにいる祖母に会いに行きました。

家庭のさまざまな事情で、ホームに入った老人たち。
彼らの多くは認知症（痴呆よりも曖昧なこの表現）であり、
ぼんやりと椅子に座り虚空をながめていて
そんな彼らを、私もぼんやりとながめながら
無性にやるせない気分に襲われるのでした。

ふと廊下をみると、入所者の書いたお習字が掲示されていました。
「春」「さくら」といった書道にありがちな言葉と共に並んでいたのはなんと…
「おでん」！
うわ、おもろいわ、と思って他の作品をみると、目に飛び込んできたのは
「ヨンジュン」！！（笑）
カタカナかよっ、呼び捨てかよっ、とつっこみどころ満載。
きっとなんでも好きな物を書きましょう、ってことだったんだろうな。
で、きわめつけは
「よし子」！！！（爆笑）
だれだーだれなんだー！妻か？娘か？愛人か？でもそれを書いちゃうっていうモチベーションがすごい。圧巻。

やっぱり人間ってすごい。私たちの想像をかるーく超えていく。
老いるのも楽しいかもしれない。
一時の憂鬱が嘘のように、そんな希望をもって、帰途についた。