涙目筑前速報+

詰まるところは明日を知る。なだらかな日々につまずいて
向かうところはありもせず、未来の居場所だって未定―秋田ひろむ

4月4日、中野サンプラザのあまざらしのライブ所感

2015-04-05 01:17:46 | 音楽
ライブの話。
昨日4月4日に中野サンプラザで行われたライブ公演、「あまざらし プレミアムライブ 千分の一夜物語『スターライト』~アンコール公演~」に行ってきた。



今ではamazarashiというバンド名ではあるが、その前は「あまざらし」という名義で活動していた。
今回は昔の名前での公演という事から、初期の楽曲を取り入れている。
セットリストは下記。

オープニングSE.星めぐりの歌(作詞作曲:宮沢賢治)
1.光、再考
2.ムカデ
3.空っぽの空に潰される
4.隅田川
5.無題
6.さくら
7.ドブネズミ
8.つじつま合わせに生まれた僕等
9.古いSF映画
10.カルマ
11.ひろ
12.夏を待っていました
13.季節は次々死んでいく
14.美しき思い出
15.スターライト


まず、OPのSEに入ってきたのは宮沢賢治が作詞作曲をした「星めぐりの歌」だ。
この公演は秋田ひろむの書き下ろし小説「スターライト」の世界を描く内容である。
そして、この「スターライト」自体が宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフにしている。
そういう意味で、この幻想的なSEは非常にニヤリと来るものがある。
ちなみにこのSEだが、加賀谷玲バージョンの「星めぐりの歌」のような気もした。
※エンドロールでクレジットが出ていた気もするのだが見逃してしまったので、断定はできない。

SEが終わると小説「スターライト」の朗読と楽曲を交互に行っていくという流れになった。
そして、最初に良いと感じたのがストリングス主体の演奏陣だ。
今回の公演全体に言えることだが、ストリングスと呼ばれるバイオリン、ビオラ、チェロなどの弦楽器を主体とした楽器がふんだんに使われている。
このストリングスとamazarashiの楽曲が非常によくマッチしているのだ。
「空っぽの空に潰される」のようなロックナンバーがしっとりとした曲になり、「無題」のようなバラードナンバーも、より音に深みが増していく。
非常に聴いていて心地良かった。

また、「古いSF映画」「美しき思い出」といった、これまで僕が行ったamazarashiのライブでは聴けなかった曲をプレイしてくれたのも良かった。
特に「美しき思い出」には、下記の歌詞にもあるように、今回の公演会場である中野が出てくる。

飲みすぎてゲロ吐いた 中野の駅前
月明かりを反射して キラキラしてた
あの娘のピアス イライラする 美しき思い出

―amazarashi「美しき思い出」より


この歌詞と実際の場所がリンクする部分は自分の中でかなり感情移入できた。
なお、「美しき思い出」と「さくら」のサビ部分だったかで、ヴォーカル秋田さんの声がちょっと引っ掛かったというか、噛んだようなシーンがあった。
歌詞を忘れたか噛んだかと思ってはいるが、どこかライブらしい愛嬌のあるシーンだった。

他の楽曲も1つ1つが非常に聴き心地よく、心揺さぶられる歌詞だった。
「ドブネズミ」の途中ではブルーハーツ「リンダリンダ」の一節を引用し、ロックファンをニヤリをさせてきたりと、演出も良い。
また、「ひろ」や「無題」はかなり自分の中でウルっときてしまうような内容だ。
そして、最後の朗読でトマーゾが2年ぶりに外に出るというくだりがあった後に、この小説の世界を歌にした「スターライト」がプレイされた時は、言い知れぬ充足感に満たされた。
小説で使われた文言をちりばめながら前に進もうとする、下記のような歌詞の部分は、本当に感動する場面だ。

夜の向こうに答えはあるのか それを教えて スターライト
失望 挫折 うんざりしながら それでも 何かを探してる
近付けば遠くなるカシオピア 今は笑えよ スターライト
いつか全てが上手くいくなら 涙は通り過ぎる駅だ

―amazarashi「スターライト」より


この小説や各々の演奏された楽曲で綴られているような悲哀を受け入れたうえで、それでも前を向いて生きて行こうとするこの部分こそ、僕がamazarashiを素晴らしいと思う一番の理由なのだ。


今回のライブもとても感動する内容だった。
そして、「ストリングスとamazarashi」というタイプの公演は今後もやってほしい。
また彼らのライブに行く機会があれば、是非とも赴きたいという自分が存在していた。

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