なみへい☆ブログ

青春時代アタマが固すぎてはじけられなかった後悔から、今頃はじけようとあがくちょっと見苦しい日々の記録

私たち親子は道具か。介護関連法採決強行に抗議

2017-04-15 16:13:26 | 日記・雑感
 介護保険関連法の衆議院委員会採決強行に命がけで抗議します。

 命がけというのは、比喩ではありません。介護保険をはじめとする介護の将来には、要介護2の母と私の命がかかっています。

 私の母は認知症です。今年はじめ、お正月も開所してくれたデイサービスとヘルパーさんの支えで何とか三が日を乗りきり、今年も、ギリギリながらも在宅での暮らしを続けられそうかなと思っていた1月8日、母が布団から動かなくなりました。どこが具合悪いのか痛いのか何度聞いても、本人には説明できず、わかりません。

 それまでほとんど使わせていなかったリハパンをはかせて寝かせていましたが、夜の間に首のところまでびしょびしょになっていました。着替えさせシーツを替えようとしますが、少しでも動かそうとすると、痛い痛いとさけんで動きません。尿臭のなか汗だくで母を抱えながら30分以上格闘しました。2年間、軽度認知障害時代を含めれば数年間の介護の苦しさが吹き出し、「あんたのせいで私の人生めちゃくちゃやわ」「もっと力入れてよ」とさけんでしまいました。

 母は怒り、「こうか、こうか」「ひどい娘だ、人間じゃない」と私を叩きました。

 瞬間、台所にある包丁のことが胸に浮かびました。

 自分がこわくなり、母を上半身裸で寝かせたまま、居宅支援事業所の休日緊急ダイヤルに泣きながら電話しました。担当ケアマネさんが、休みにもかかわらずとんできてくれたおかげで、事なきを得ました。

 母は翌日入院しました。わがままでなく本当に具合が悪かったのだと後悔しました。急性期病棟では痛みのために看護師さんに暴言を吐いて同室の患者さんに悪口を言われ、肩身の狭い思いをしましたが、回復とともにもとのおだやかな母に戻ってきました。

 ホッとしましたが、でも途方にくれました。元通り歩けるようになったものの、家に帰ったとして、自力でトイレに行けるか。入院前にできていた電話をとることができるか。

 母は地域包括ケア病棟に移り、60日以内に退院しなければなりません。在宅復帰率が一定以上なければ報酬がとれないこの病棟からは、特養ホームは選ぶことができません。かといって家につれて帰ればつきっきりの介護が必要になります。

 仕事をしながらいくつも老健施設を見てまわり、書類を山ほど書いて面接の予定を入れて、役所に足を運びました。わかったことは、施設を選ぶ、といいますが、空きの少ない現状ではこちらが選ばれるのだということです。

 真っ先に入所可能の返事があった老健施設は「在宅復帰強化型」。もう少し長くいられる施設を探すべきか、でも断られたらどうするか、ヘルペスにかかるくらい悩んだ挙げ句、仕事の繁忙期をとりあえず乗り切ろうかと、そこに入所を決めました。

 でもまた、3ヶ月の期限が迫ってきています。「在宅復帰強化型」施設からは、これまた特養ホームは選べません。
 とにかく、母をいったん連れて帰りたいし、そうするしかありませんが、入院前のことを思うとどうなるか。いま先は全くみえず、なんの希望も持てません。

 ちなみに、初めて施設サービスを利用するので、補足給付の申請をしたら、10万円そこそこの年金収入しかない母も、預金を調べられました。こんな手続きが必要なのも、ついこの間の法改定によるものですね。
 所得制限も厳しくなっていて、一番安くなる減免には当たりませんでした。「在宅の方との負担の公平性をはかる」そうですが、在宅復帰前提の老健施設だから、家の費用も払いながら、施設の利用料を払わなければなりません。母の年金だけではまったくの赤字です。

 これが、「地域包括ケア」の現状ですが、今度の法案、結局、家族にもっとがんばれという話ではありませんか。


 そんな法案を、理事会のいざこざの報復に採決とは、私たち親子はあなた方の道具ですか。介護の当事者のことが、胸に浮かぶことはなかったのですか。

 そもそも、あなたがたはいったい、介護の現状を少しでも考えたことがあるのですか。こんなに介護心中、殺人が多いのはなぜか、法律をつくる身でありながら、現実を見る気もなく、立ち止まって考えようともせず、「地域」に介護を押しつける法律を簡単に通してなぜそんなに平気でいられるのですか。

 あなたがたが3日くらいの審議で制度をつくって、その制度で人が死においやられたとしても胸が痛みませんか。あなたがたがつくる法律に多くの人生がかかっていることに思い至りませんか。
 
 それでも国会議員ですか。

 誰のための政治ですか。