入試に出る!!時事ネタ日記

現役の社会講師が最新の時事問題をコメント付きで紹介します!

東京都立高校入試 講評速報!

2007-02-24 10:30:00 | 社会

一昨日の神奈川県入試に引き続いて、昨日は東京都立高校入試がありました。神奈川県と比較すると伝統的に書かせる問題が多く、難易度としては東京都の方が断然難しいと言えます。ただ当然のことながら神奈川県では80%の得点率が当り前のように出るのに対して、東京都の方は70%確保できれば上出来ということになります。以下、東京都立高校入試社会に関して講評を述べたいと思います。

まず各分野のバランスですが、必ずしも地歴公民が等分されているわけでなく、分野横断的な総合問題で歴史地理も含めると地理に重点が置かれている印象です。

まず大問の1ですが、地名を問う問題が中心となりました。レベルは標準よりも易しく、ここで落すわけにはいかないといった内容です。

次に大問の2ですが、先の問題に比べると難易度は上がります。地図や表などの資料活用型ですが、神奈川県のように、与えられた数字の識別や計算というよりも、前提となる知識があってそれをベースに判断を問う問題で、ある意味これが社会科の問題としては本筋であるように思われます。易しくはありませんが、良問と言えるでしょう。

そして大問の3ですが、大問2とは異なり、複数資料を同時活用する問題で、難易度は更に上がります。東京都の場合は選択肢も長いことから、単純な丸暗記ではなく、国語的な能力、読解力も問われた問題と言えるでしょう。これについては大問6も近いものがあり、基礎知識ももちろんですが、同じ形式での問題慣れが出来ているかが分かれ道ですね。

次の大問4は歴史単独出題で、かつレベルや形式が神奈川県のそれに近い平易な問題が出題されました。ここでの取りこぼしは命取りかもしれません。

これに対して大問5は、問うている知識はそれほど細かくないものの、出題の意図を読み取ることが出来なければ、かなり時間のかかってしまう資料問題や長文選択肢問題を含んでおり、問題の作り方にかなりの工夫が見られました。そういう意味では良問ですが、受験生にとってはタフな問題だったかもしれません。

全体を通して資料問題が多く、制限時間に対して効率よく解き進めていくだけの練習量と、設問の意図を読み取る国語力が要求され、神奈川県の従来の入試のように直前詰め込み型では対応が利かない類の問題でした。塾での指導も知識(一問一問)一辺倒では不十分で、そのあたりが塾によっても差が出たのではないでしょうか。

東京エリアの注目の倍率(男女の順番)は以下のとおりです。

日比谷:3.24倍、2.55倍
戸山:2.63倍、1.96倍
青山:2.21倍、2.17倍
西:2.47倍、1.85倍
八王子東:1.38倍、1.44倍
立川:1.76倍、1.58倍

単位制高校に関しては男女の別はなく、総合倍率です。
新宿:2.33倍
国分寺:1.89倍

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