書籍による日本武道と中国武術の比較をまたやってみよう。
(日本武道:Japanese Martial Arts ; Budo)
(中国武術:Chinese Martial Arts ; Wushu)
前の企画とかぶったり、
逆に違うことを言ったりするかもしれないけど
そこはご勘弁を。
次は、「剣 対 太極」の第三弾。
剣と太極の対比は、
「日本武道の精華剣道と中国拳法の名流太極拳、
到達した思考の深さは共に他をよせつけない」
(「楊式太極拳のしくみ」陳孺性著より)
とされるように日中両国の武を代表するものである。
で、「剣 対 太極」の附随練習法対決
「全解 日本剣道形」重岡曻著
対
「太極推手入門」劉慶洲著
剣道において
形は、竹刀稽古と同様に非常に重要なものとされ、
段位審査では必ず形の審査も行われる。
ただ、実際には、形の稽古はほとんど行われず、
段位審査の前に
動作の順番を覚えるだけで必死という人もおり、
ときには、
審査会場で無様な形を披露してしまう方もいる。
そのため、形をしっかりと稽古したい剣道家の中には、
古流の形を稽古する人もそれなりにいる。
現代剣道家が修行する古流の形で多いのは、
直心影流の法定の形や小野派一刀流の大太刀など。
警視庁では、日本剣道形もしっかり稽古するが、
その他に一刀流の形も稽古したりするらしい。
太極拳の練習の中心は
一人で行う套路である。
しかし、
対人練習である推手もあり、
太極拳の練習には必須と言われるほど重視されている。
推手については、
昔、弁証法で有名な空手家の南郷継正師範が、
中国拳法には間合いの観念がないと批判していたが、
これは的外れだろう。
アメリカとかでは、
ヘルメットなどの防具を付けて
実戦さながらの推手が行われているらしい。