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中国武術 対 日本武道 (書籍編30 全日本柔拳連盟 対 新陰流兵法転会)

2015年09月07日 | 日本武道 VS 中国武術

中国武術日本武道

を書籍によって対比

していく企画。

私の蔵書は、

そんなに大したことは

ないが、それでも、

この企画で紹介する

書籍群によって

中国武術日本武道

思想・理合・技法・

奥義(極意)などが

ほぼ明らかになること

は間違いない。

 

その30は、

 

全日本柔拳連盟

  対 新陰流兵法転会

 

王樹金老師の

太極拳 全 

(地曳秀峰 著、

 王福来 演武) 

  対   

新陰流兵法教本 

(渡辺忠成、

 渡辺忠久 共著)

 

 

   

王樹金老師の

太極拳 全 は、

地曳老師が王樹金老師から

伝授された

正宗太極拳の解説書。

地曳老師は、

全日本柔拳連盟会長だが、

以前は、佐藤金兵衛老師の

ところにいたはずで、

(佐藤老師の著書に

 演武者として出ている)

佐藤老師は、

著書の中で、

王福来老師のことを知らない

と書いているので、

この辺りの人間関係は

複雑なようだ。

 

新陰流兵法転会は、

柳生厳長師範の弟子

であった

渡辺忠敏師範の息子である

渡辺忠成師範が結成した

団体。

(渡辺忠久師範は、

 忠成師範の息子か?)

新陰流兵法教本は、

最近(平成25年)の発行

だが、

著者の肩書きは、

「新陰流兵法転会宗主

 渡辺忠成」

「同会宗主代理 渡辺忠久」

となっている。

 

全日本柔拳連盟は、

王樹金老師の技を正当に

継承する団体と自負し、

新陰流兵法転会も、

柳生厳長師範の技を

正当に継承し、かつ、

本伝を平成初期に

完全復元し、

これを教習課程に

取り入れたため

完璧な教習課程を

有していると自負している。

 

両者の言い分は、

ウソとは言えないが、

これに対して、

「おいおい」と

言いたくなる団体が

存在するのも事実。

 

全日本柔拳連盟に

対しては、

佐藤金兵衛老師や

河野義勝老師など

王樹金老師から真伝を得た

師範やその団体が存在し、

新陰流兵法転会に対して

は、

尾張柳生本家の道統を

有する柳生会、

柳生厳周師範の技を

継承する名古屋春風館が

存在し、

いずれも正当性を有する

団体が存在する。

 

私が柳生会在籍時に

聞いた話では、

BAB出版の取材のとき

(20年以上昔だったか)、

柳生会の先代宗家の

柳生延春師範に対して

失礼な言動があったため、

柳生会からBAB出版が

出入り禁止にされた

ということがあった。

そのために

BAB出版の雑誌「秘伝」

などで

柳生新陰流を取り上げる

場合に、

専ら新陰流兵法転会が

扱われるようになり、

同会の認知度が上がった

という事実がある。

 

王樹金老師門下、

新陰流の各団体は、

表だって対立すること

はないが、

親しく付き合っている

わけでもない。

交流は全くない

と言っても良いくらいだ。

著書の中や稽古時には、

お互いに他の会派に

ついて、

チクチク批判などを

書いたり、

言ったりしているのも

事実。

この辺は、大人の世界で

武術・武道の本質とは

何の関係もないが

まあしょうがない。

 

なお、新陰流兵法転会には

下の書もある。

 

 

「新陰流第二十世

 柳生厳長伝述

 新陰流兵法太刀伝」

(渡辺忠敏 編集、

 渡辺忠成 増訂)

 

「新陰流入門」

(渡辺忠成 著)


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