渥美先生の伝説の一つに、講義の
途中で教室から出て行った学生を
追いかけていき、
教室に連れ戻したというのがあります。
おそらく、
渥美先生のエネルギッシュな様子から、
そのような伝説が発生したと思われます。
しかし、渥美先生は、講義の中で、
「私が学生を追いかけて、
教室に連れ戻したという話があるが、
私は、やる気のない学生を無理に
呼び止めるようなことはしない。
このような話はウソである。」
と断言されていらっしゃいました。
渥美先生について
印象に残っていることの一つに、
先生の自説への確信からくる、
強い断言的な口調があります。
私が覚えているものでは、
「田宮くんは、間違っている。
指摘しているのだが、
なかなか直してもらえない。」
「憲法の教科書でまともなのは、
佐藤くんのだけだ。」
(佐藤くん=京大の佐藤幸治教授
当時は、刑事手続に関する学説に
近いものがあるためか、渥美先生は
憲法学者では佐藤幸治推しだった。
まさか、将来、佐藤幸治さんが
司法試験の合格者数を毎年1万人に
すべきなどと、とち狂ったことを
言うとは思ってなかったでしょうね。)
「○○さんの、労働法の学説は、
ワガママだ。」
などなど。
渥美先生は、まさに自信の固まりでした。