デンカの宝刀(一男二女の父、元政府系金融機関職員の資格八冠王)

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思い出の学者⑫-1 渥美東洋教授(その1)

2007年02月08日 | 中央大学

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渥美東洋教授も

中大の大スターの一人

です。

私は、刑事訴訟法

ついては

正規には椎橋教授の講義を

受けていたので、

渥美教授の講義は、

潜りで受講しました。

   

渥美先生は、

大学在学中に超優秀な成績

で司法試験に合格し、

学者となってからも

学会に大きな影響を

与え続けてきました。

   

先生は、

司法修習の経験も

おありになるので

実務を強く意識した

学説を唱えられています。

   

私は、渥美先生

「刑事訴訟法」を基本書

として

刑事訴訟法の勉強をして

きました。

 

ただ、渥美先生の学説は、

必ずしも通説的なものでは

なく、

また、先生の表現には、

「都市化社会」だとか

「プライバシーの開かれた

領域」だとか、

それを使うだけで

「渥美説だ!」と分かる

ような独特の表現があった

ので、

渥美先生の教科書は

刑事訴訟法の理論を理解

するために

専ら使用し、

試験の答案などは

通説的立場で書いて

きました。

   

渥美先生で印象に

残っていることは、

先生の好き嫌いの

激しさです。

   

まず、

先生は、

「弾劾的捜査観」という言葉

が嫌いです。

徹底的に嫌いです。

   

この言葉を使い始めた

平野説に対して、

渥美先生が書かれた論文の

中で、

平野説を露骨に批判した

こともあります。

(ここまで言っていいの?

 と第三者である私が心配

 するくらい)

   

また、

先生は「ポケット六法」

いう類の六法が嫌いです。

私が講義で聴いたところ

では、   

「あんなものは、

 勉強しない学生が

 ファッションで持つ

 ようなシロモノ」   

だそうです。

   

先生は「模範六法」も嫌い

でした。

私が講義で聴いたところでは、  

「あんなものは、

 司法試験の択一だけ

 受かればイイと思ってる

 連中が使うものだ」   

そうです。

   

渥美先生は、

中大の大スターだけあって、

様々な伝説を残されています。