幕末の予感・・・西郷隆盛の箴言

天下分け目の参院選が始まった。
地方遊説に出かける機会が多くなったが、移動の最中は貴重な読書の時間だ。
最近手にする本は、決まって幕末・維新もの。
ちょうど、92年から94年にかけて、読み漁ったものだ。
米国留学にも持って行って、勉強の合間に読みふけった。
その中から、海音寺潮五郎の秀逸作品『西郷と大久保』。
次のくだりは、長州の公武合体派の論客・長井雅楽に乗せられて、奸計を弄した薩摩の秀才・堀次郎をたしなめる西郷吉之助の言。
「・・・術策で天下のことが成ると思うとるのか。大体、人が術策を用うるのは、勇気がなかからだ。自分の身が恐ろしゅうなるから、術策に頼ろうとするのじゃ。天下のことは誠心をもってすべきであり、また誠心によらんければ成りはせん。誠心をもってするならば、たとえ仕損じても、感憤して続いて起つ人が出て来る。あっちをだまし、こっちを欺き、そげん卑劣なやり方で、天下のことが成るものか。・・・」
安倍自民党の凋落ぶりと重ね合わせ、この言葉の重みを噛み締めている。
なんとなれば、安倍自民党が目指す「戦後レジームからの脱却」は、その大上段に振りかぶった「建て前」とは裏腹に、(かんべい殿が鋭く看破しておられるように)背後に隠された「本音」の狙いが余りにも姑息で、術策が過ぎたのである。
かんべい殿の解説にいわく、「戦後レジームからの脱却」政策の4本柱の真意は、
①教育再生・・・じつは、日教組潰し
②社保庁解体・・・じつは、自治労の最強部隊潰し
③公務員制度改革・・・これも、自治労にダメージ
④憲法改正・・・民主党を股割きに。
戦後レジームからの脱却というスローガンの意味するところは、日本再生を目指した果敢なレジーム・チェンジなどではなく、民主党、いや民主党の「応援団」潰しという、ほとんど嫌がらせのレベルに過ぎなかったのである。(ところが、残念ながら、私たち生粋の民主党議員からすれば、自治労や日教組になどまったく世話になっていないのが実情。したがって、彼らの攻撃には何の痛痒も感じない。)
こんな術策で、世論が動くはずがなく、天下の大事が成し遂げられるはずもない。
かくて、年金、松岡、久間、赤城の連続自爆テロによって、頼みの支持率はつるべ落とし・・・。指導者のメッキが剥がれれば、民心が離れるのは早い。前哨戦に過ぎない鳥羽・伏見の戦いに破れ、将軍慶喜が大阪城を脱出したとたん、関東以西の諸藩は雪崩を打って官軍に降ったものだ。
天下をうかがう我々は、この轍は踏むまい。
民主党議員、候補者一人ひとりが代表の示した「覚悟」を共有し、堂々とマニフェストを掲げ、「(ここが大切!)民主党が政権を担った暁には、戦後日本の悪弊がどのように一掃され、国民生活の将来にどのような展望が拓け、世界における日本の地位がどのように確立するのか」を粘り強く、わかりやすく訴えていかねばならない。我々がここで誠心誠意訴えて戦い抜けば、結果はどうあれ、後から後から同志たちが澎湃として立ち上がり、さらに大きな改革のうねりをつくり出すに違いない。
地方遊説に出かける機会が多くなったが、移動の最中は貴重な読書の時間だ。
最近手にする本は、決まって幕末・維新もの。
ちょうど、92年から94年にかけて、読み漁ったものだ。
米国留学にも持って行って、勉強の合間に読みふけった。
その中から、海音寺潮五郎の秀逸作品『西郷と大久保』。
次のくだりは、長州の公武合体派の論客・長井雅楽に乗せられて、奸計を弄した薩摩の秀才・堀次郎をたしなめる西郷吉之助の言。
「・・・術策で天下のことが成ると思うとるのか。大体、人が術策を用うるのは、勇気がなかからだ。自分の身が恐ろしゅうなるから、術策に頼ろうとするのじゃ。天下のことは誠心をもってすべきであり、また誠心によらんければ成りはせん。誠心をもってするならば、たとえ仕損じても、感憤して続いて起つ人が出て来る。あっちをだまし、こっちを欺き、そげん卑劣なやり方で、天下のことが成るものか。・・・」
安倍自民党の凋落ぶりと重ね合わせ、この言葉の重みを噛み締めている。
なんとなれば、安倍自民党が目指す「戦後レジームからの脱却」は、その大上段に振りかぶった「建て前」とは裏腹に、(かんべい殿が鋭く看破しておられるように)背後に隠された「本音」の狙いが余りにも姑息で、術策が過ぎたのである。
かんべい殿の解説にいわく、「戦後レジームからの脱却」政策の4本柱の真意は、
①教育再生・・・じつは、日教組潰し
②社保庁解体・・・じつは、自治労の最強部隊潰し
③公務員制度改革・・・これも、自治労にダメージ
④憲法改正・・・民主党を股割きに。
戦後レジームからの脱却というスローガンの意味するところは、日本再生を目指した果敢なレジーム・チェンジなどではなく、民主党、いや民主党の「応援団」潰しという、ほとんど嫌がらせのレベルに過ぎなかったのである。(ところが、残念ながら、私たち生粋の民主党議員からすれば、自治労や日教組になどまったく世話になっていないのが実情。したがって、彼らの攻撃には何の痛痒も感じない。)
こんな術策で、世論が動くはずがなく、天下の大事が成し遂げられるはずもない。
かくて、年金、松岡、久間、赤城の連続自爆テロによって、頼みの支持率はつるべ落とし・・・。指導者のメッキが剥がれれば、民心が離れるのは早い。前哨戦に過ぎない鳥羽・伏見の戦いに破れ、将軍慶喜が大阪城を脱出したとたん、関東以西の諸藩は雪崩を打って官軍に降ったものだ。
天下をうかがう我々は、この轍は踏むまい。
民主党議員、候補者一人ひとりが代表の示した「覚悟」を共有し、堂々とマニフェストを掲げ、「(ここが大切!)民主党が政権を担った暁には、戦後日本の悪弊がどのように一掃され、国民生活の将来にどのような展望が拓け、世界における日本の地位がどのように確立するのか」を粘り強く、わかりやすく訴えていかねばならない。我々がここで誠心誠意訴えて戦い抜けば、結果はどうあれ、後から後から同志たちが澎湃として立ち上がり、さらに大きな改革のうねりをつくり出すに違いない。

