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健康ジョギング学入門

2012年10月14日 | ジョギング

2012.10.13-14 に開催された日本運動処方学会で

「健康ジョギング学入門」を講演しました。 内容は下記の通りです。参考にしてください。【はじめに】 最近の健康志向の高まり?で、ジョギング人口が増加しています。2007東京マラソン以降は、フルマラソンへの人気も上昇し、各地のフルマラソン大会の応募者も急増しています。演者は2001年より、減量目的でジョギングを開始し、幸いにも10年以上継続することができ、フルマラソンも50回を超えたので、その経験をもとに述べます。             
【ジョギングとは】 ①ゆっくりとした、楽な早さで走ること。②歩くことから発展した軽い駆け足のことです。ジョガーとは競技選手とは別に健康や楽しみのために走る市民とされています。
 ジョギングは代表的な運動有酸素運動で、健康の維持や増進、減量、フィットネス、ストレス解消、爽快感、心身のリフレッシュ、そして生活習慣病の予防や改善に効果があります。

【ランニングとの違いは】 自覚的運動強度で「やや楽、楽」以下の強度、かつ、周りの人と会話ができる程度のスピードで走ること、で感覚的な意味で区別されます。「ゼーゼー」、「ハーハー」言わない位のゆっくりしたスピードです。身体に与える影響には格段の差があり、突然死や膝や足に障害を起こすのは、それ以上のスピードで走るランナーです。

【健康ジョギングとは】 健康目的を自覚して、いつ止めても良いという気持ちを持って、決して、無理をせずにジョギングすること。したがって、①疲れたり、しんどくなったり、②翌日の仕事に差し支えると思ったり、③内臓や運動器等の身体になんらかの異常を感じれば、すみやかにペースを落とし、休止もしくは中止してください。

【時間と回数】 2006年に「健康づくりのための運動基準」で身体活動と運動の基準が示されました。その運動量は4メッツ・時/ 週(2-10メッツ・時/ 週)程度をとされている。これは速歩きでは約60分、ジョギングでは約35分(17.5-88分)で、週1~2回、1回30分程度に相当します。この程度なら、運動をしてない人も、他の運動習慣を持っているも、行うことができます。

【走行距離】 膝や足の障害の予防のためには、月間走行距離が中高齢者では200km、女性は150km以下が望ましい。週1~2回、1回30分程度のジョギングでは、月40km以下なので、フルマラソンを2回走歩しても、問題にはならないので、近くで開催される の市民マラソンに参加してみるといいでしょう。      

【開始・継続・習慣化】 実際に運動を開始して、習慣化できる人は少ないと思われます。その理由は、時間がとれない人、運動習慣のない人、運動が好きでない人がいきなり、週2回以上の運動を始めることは、かえってストレスとなります。週1~2回、1回30分程度のジョギングなら、なんとか続けることができます。しかも、「健康づくりのための運動基準」の運動量でもありますので、励みになります。次いで、継続し、習慣化するためには、何か目先の目標が欲しいものです。3、4ヶ月先の市民マラソンに参加することが良い目標となり、先々のマラソン大会にエントリーしておくと、継続することができます。もちろん仲間がいれば心強い。そして、「いつかはフルマラソン(東京マラソン、ホノルルマラソン等)。」と思うことも、も非常に良い目標となります。時間がとれなくて、間隔が開きそうになったら、家の周りの路地を一回りして、間隔を開けないようにしましょう。そうして、1年間継続できれば、その後は「喉が渇いたら水を飲む」、「お腹が空いたら何か食べる」と同じように、自然にジョギングすることが出来るようになります。普段のジョギングは、屋外では公園とか、幅の広い歩道のような安全な場所で、日中の涼しい時に行い、暗い時間帯は避けましょう。室内ではトレッドミル(床面がローラーで動き、歩行や、走行用の器械)で行うのがいいでしょう。                                         

【市民マラソン参加の注意点、服装】 参加者の殆どがランナーなので気をつけること。特に、距離の短い大会は全力疾走するランナーが多いので、つられて早く走らないこと。マイペースを守りましょう。そして、気候の良い時期の制限時間の長いマラソン大会を選び、「時速5kmで歩いても○kmまでは行ける」と計算し、途中で時間制限に引っ掛かてもいいやという余裕を持った気持ちで参加しましょう。暑さ、寒さ、紫外線、熱中症対策を考えた服装や携行品を持って参加することが大切です。塩分、水、食料、小銭、携帯、デジカメもあると良いでしょう。  

【フルマラソンの完走】 制限時間が6時間以上の大会であれば、週1~2回、1回30分程度の練習量でも、フルマラソンのFinish(完走歩)は可能です。早めに歩きを入れて、体力の消耗を防ぐこと、上り、下りも無理をしないこと、エイドステーションだけでなく、歩いている時に、塩分、水分、糖質の補給が大切です。ハーフの折り返しが2時間40~50分を目標にして、時間内の走歩が可能です。周囲の風景や沿道の人達の暖かい応援が力をくれ、背中を押してくれますので、早い時期に一度参加してみると良いでしょう。初参加の大会がフルマラソンの大会だと記念になります。

【観光&健康ジョギング】 岡山県内のお勧めのフルマラソン大会は、4月の津山・加茂郷です。他は観光を兼ねて全国各地の大会や、最近では海外の大会にも参加しています。コースから見る風景や町並みは、観光バスや車から見る景色とは異なり、他に味わえない良さがあります。70歳位まではフルマラソンを楽しみたいと考えています。この講演を機会に健康ジョギングを始める人が増えることを願っています。