AHN というのは管で栄養や水分を体内に流し込むことです。http://blog.goo.ne.jp/nachotai/c/bbeeaf3e5538d25539a1c4d6faa52fb7
鼻から管を通して胃袋へ栄養剤を入れるとか、胃袋に穴を開けて栄養剤を入れるなどのことです。腸の上部に穴を開けるものやら食道にやらもあるそうです。太い静脈を使うものも含まれます。
さて、この中で昨今盛んに使われている胃ろうを考えてみました。
これが恐ろしいテクノロジーというか、善意で必死の救命措置だけに拒否しにくいというか、延命治療拒否 遂行の最大の壁なのです
胃ろうが普及した背景には、開腹手術なしに、胃カメラで造設できる(PEG)手軽さや誤嚥による肺炎の危険回避、介護者の負担の軽減があります。医療施設の収益性もあるかもしれません。
誤嚥で肺炎を起こしたら、救急車で病院へ行きますよね。
胃ろうを勧められます。
何もしない選択肢は死ぬことだから、家族は承諾してしまいます。
経口摂取が困難になったら、餓死回避のためには胃ろうしかないとなっちゃいますよね
自分の親が食べ物を一切口にしなくなり、衰弱していく姿を目の当たりにしていると、何もしないで見ていられないでしょうね。
少しでも長く生きて欲しいと願うし、少しでも栄養を取って安らかに最期を迎えてほしいと行動するでしょう。
それで、胃ろうとなります
胃ろうは人工呼吸器、気管切開、はもちろん、意識レベルの低下、嚥下困難、認知症、全身状態の悪化などで行われるそうです。
そして、何年も何年も寝たままで、先が見えない介護生活が続きます。
生き延びます
自分で食べられないだけなら胃ろうでも生きていたいと思うか、死を覚悟するか、は各自の生き方です。
人生の捉え方によって決めるしかありません。
私は尊厳ある生活を選びたい。
つまり、命を縮めてでも、死期が早まったとしても、胃ろうを拒否したいと思います。
そこで私の「延命治療拒否宣言書」では
5. AHN (人工的水分、栄養補給法) : 摂食嚥下困難となった場合は、AHNを実施しないで下さい。経口摂取できる状態までを人としての尊厳の限界と考えます。以上がどうしても受け入れられない場合は医療機関を変えるか、ホスピスか、在宅か、最小限の末梢点滴かを選択して下さい。
回復の可能性が確かにあり、回復後は抜去する前提で一時的処置の場合のみ実施して下さい。
外傷や脳血管疾患などにより急激な重度の障害を負った場合は意識障害のまま生存を長引かせるものですから、実施しないで下さい。
<参考> (社)日本老年医学会「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン ~人工的水分・栄養補給の導入を中心として~」2012年 http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/
認知症患者の胃ろうガイドラインの作成ー調査研究事業報告ーPEGドクターズネットワーク鈴木裕 http://www.peg.or.jp/news/research/h22_peg.html