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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(78) ユニクロ栄えて国滅ぶ(文藝春秋10月号)

2009年09月10日 | 浜矩子語録
文藝春秋は、10月号から≪誰でもわかる経済教室≫を連載するようだ。
その第一回目を飾ったのが、エコノミストの女王・浜矩子である。
浜矩子は、『ユニクロ栄えて国滅ぶ―――安売り競争は社会を壊す恐るべき罠だ』を寄稿した。

ユニクロが栄えると、なぜ、国が滅ぶのだろう?
小欄は、以下にその序論と稿末の概略のみ記録するので、ぜひ同誌の全文をお読みになる事をお勧めしたい。

『ユニクロ栄えて国滅ぶ』
序論 ~・~・~ ユニクロが3月に990円のジーンズを売り出したかと思えば、イオンは8月に880円のジーンズを発売した。イオンとセブン&アイ・ホールディングスが一缶百円の第三のビールを出せば、ダイエーは一缶89円で対抗した。
テレビなどのマスメディアは、過熱する安売り競争を大不況下で家計を救う救世主扱いで連日のように紹介している。経済専門誌でさえも、そうした安売りを弛まぬ経営努力と徹底したコスト管理の成果だと称賛する傾向が強い。ユニクロを筆頭として、格安商品を実現し利益を上げている企業の戦略を見習え、という論理が支配的なのである。
しかし、それでいいのだろうか。この過激なまでの安売り競争は、さらに一段の不況地獄の先触れではないだろうか。 ~・~・~

以上の序論の抜粋のように、「安売り競争の恐るべき末路」を予言している。
そして、その原因は「自分さえよければ病」であり、現象は「合成の誤謬」だ、としている。

また、さきの総選挙について、
稿末 ~・~・~ だから今回の選挙のマニフェストの一行目には「戦後の日本経済が直面したことのない未曾有の困難であると」記されるべきだった。そして自民党と民主党は「マニフェスト」で来し方行く末を見据えた歴史認識を競い合い、日本が抱える問題を指摘し、国民が歩むストーリーを描いて見せるべきではなかったか。
私たちがまず目指すべきは、「ユニクロ栄えて国滅ぶ」という事態にならないよう知恵を絞ること、そして、「自分さえよければ病」からの脱却を図ることだ。 ~・~・~

なお、余談となるが、文藝春秋10月号では、『民主党議員実力ランキング』が面白いし、『地検特捜が狙う 鳩山「幽霊献金』は必読だ。
また、宮城谷昌光氏の『三国志』は第百一回を数え、泣いて馬謖を斬った諸葛孔明が、いよいよ秋風の五丈原で天命を迎えるときが近くなった。

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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-09-14 22:01:08
>その原因は「自分さえよければ病」であり、現象は「合成の誤謬」だ、

エコノミストと言われる人物がこんな馬鹿げた発言をなさるとは・・・。
日本の恥ですね。

彼女はどのような社会・経済システムを模索しているのでしょうか?帝国陸軍のごとく、「精神」で全てを克服されるおつもりなのでしょうか?

安売り競争に歯止めを掛けるための価格統制??

○経しか学ばなかった団塊世代には実現可能に見えるのかな?
返信する
純粋に学んだ欧米小売文化 ()
2009-09-15 02:14:58
メーカーばかりが苦しんでいる上に店頭で販売をやらされる。消費者ではなく プログラムで社会が動くようになっても何も抵抗しなくなってくる。

世界はいま「不労所得」に全てをかけている。

社長も人を雇わない
社員も仕事をしたくない
高齢者は年金が欲しい
子供達は勉強がしたい

炭鉱は大変だった 石油ははるかに安全だ
其のいずれにも無かった危険とコストを無視してでも
一時的に効率のよい原子力計画が止まらない。


 だから仕事が無い。
投資も儲かるのは不労所得狙い。

 そう不動産や資源が金融を支配している。
だから 景気なんて関係なく復活してきている。

 労働密度の少ない仕事についている一部の人間が高収入を得る。アフリエイター 金融 証券 保険 
審議委員 法人理事 経営コンサルタント。

みんながそれを望んでいるのだから
手間を掛けづに 誰も働かずに 
食べ物を作り 衣類を買い 住宅に住む。
水を飲み 資源をえて 魚を取り そして隣国を襲撃する。

全ての人間が不労所得を目指している。
返信する
エコノミストがこの国のために何をしてきたの?? (Unknown)
2009-09-15 07:25:09
フィナンシャルタイムズもさ、アメリカに都合のいいときに都合のいい記事ばかり載せるんだけれども、浜なんとかというおばちゃんのコメントを引用して記事書く時もある。「NHK」という自民党関係者のご子息の多い職場であって、自民党に偏った報道機関があるけれども、そこでもこのおばちゃんはよく出ていますね。

経済学者が役に立ったためしはなく、エコノミストが景気をよくしたためしもない。

日本全国が飢餓に襲われ、村中に餓死した骸がころがっているなかで、ただ高みにいておいしいものをたらふく食べている僧侶が空念仏を唱えているだけなのが解らないのでしょう。

ほんの僅かな、食べるに困らない人たちが「偉い坊主」の空念仏を有難がり、寄進するのはいつの世も同じ。
返信する
Unknown (Unknown)
2011-06-01 22:12:44
アホ
返信する
正しいですね。 (天岩戸開)
2013-05-16 16:00:06
浜さんの論文は読んでいません。でも、第一次大戦後、ドイツがハイパーインフレを脱出し、アウトバーンをはじめとする公共投資を行って景気回復させた時の手法、すなわち庶民にお金が周り、消費が回復するようにした時の手法を考えますと、ユニクロと対照的です。最近の企業は、給与をものすごく安く買い叩いて、働かせて安く売る。だから天才シャハトとまったく逆のことをしています。グローバル化は間違いです。最近はまともな経済学者が出てきているので、すでに証明されていますよ。
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