昨年、「アベノミクス」と並んで流行語大賞にノミネートされた「アホノミクス」は残念ながら大賞選外だった。 しかし、妖艶なエコノミスト・浜矩子の唇からは、2014年も奇抜な言葉が溢れ出しそうだ。
NHK・Eテレ:『100分de名著』の番組HPによれば、「通常、一度は読みたいと思いながらも、手に取ることをためらってしまったり、途中で挫折してしまった古今東西の1冊の“名著”を25分×4回、つまり100分で読み解いていく」ものだというが、2日のスペシャル番組では、タイトルを『100分de幸福論』とし、文学・経済学・哲学・心理学の4分野4人のエキスパートに夫々の名著を紹介させ「幸せ」とは何かという1つのテーマの正体に迫った。 MCは笑タレ・伊集院光、NHKアナ・竹内陶子。 以下、番組の浜矩子語録である。
■エキスパートたちの推薦名著と、それから見えて来る幸せとは?
●島田雅彦(小説家)、好色一代男・好色一代女(井原西鶴)、「幸福とは断念ののちの悟りである」
●浜矩子(経済評論家)、国富論(アダム・スミス)、「幸福とは ひとの痛みがわかること である」
●西研(哲学者)精神現象学(G.W.F.ヘーゲル)、「幸福とは ほんとうを確かめあうことで ある」
●鈴木晶(精神分析思想家)、精神分析入門(フロイト)、「幸福とは 愛する人の幸せを願うこと である」
■趣味は「大量飲酒」
「国富論から見えてくる幸福論」は次編に回すこととし、本編では番組冒頭の様子と浜矩子から発せられた「好色の損益分岐点」について記録する。
(竹内) ~ワイン!!
(伊集院) どうして出て来るのか分からない?
(竹内) なかなかこういう趣向は珍しいですが、浜さん、お酒は?
(浜) はい、趣味が大量飲酒でございますから。 これも、幸せの瞬間です!
「特技は多品種大量飲酒」と常々言う浜矩子は、時事放談の番組中でも時々酒をねだるが、早朝番組ゆえ実現しない。 しかし今回、ようやく念願が叶った、という番組プロデューサーの演出だ。 だが、番組終了までにワインを飲みほしたのは哲学者のみで、浜のグラスの赤ワインは我慢が残っていた。
■好色の損益分岐点
(竹内) 好色一代男の主人公 世之介 が関係をもった女性は3742人、男性は725人。
(伊集院) しかし、単なるエロ話とは違う?
(島田) 世之介、親の遺産が莫大なんですよ。 今の貨幣価値でいうと400億円くらい、これを一代限りで使おうとすると物凄く大変で、計算してみたことがあるんですよ。 一週間毎日女を変えるとして7人愛人が必要ですよね。 月のお家賃を50万円として一人当たり年間600万円、掛ける7人で、4200万円しかかからないんですよ。
(竹内) 4200万円しか?!
(伊集院) 400億円あるからね
(島田) 毎日良いワイン飲んで良い食事しても、1か月にかかる食費などしれていますよ、500万円くらいでしょ? それ以上食べるとお腹こわしますから。 あとポルシェとかフェラーリに乗っても、せいぜい1年間で2億~3億円で、もっと頑張っても4億円くらいで済むんですよ。 こう考えると、400億円使いきるには100年かかるんです。
(竹内) 一生では使い切れない?!
(伊集院) 一見、人から見るとうらやましいものが、度を超えるとプレッシャーだったりとか? 経済の専門家にお話し伺いたいのですけれども、あり余るおカネは幸福ではない?
(浜) そうです。 今お話を伺っていると(世之介は)非常に苦しそうですから、経済学的に言えば損益分岐点というのがありますが、この400億円は『好色の損益分岐点』をはるかに超えていて、ありゃぁ良いっつうもんではなくて、どの辺に損益分岐点を見極めるか?が、幸福との関わりでは重要なところです。
要は『好色も足るを知る』ということかと思います。
(浜) 好色一代男・女の一連のお話を聞いて、ポイントは魂の解放があったかどうか?という事だと思います。 色んな遍歴を辿って行くわけですが、「普通に結婚して」というのが物凄く窮屈な世界だと思えば、そこから解放されたいということに伴って急速に幸福度が上がって行くという事はあるだろうな?と感じます。
自分の魂が誰にも拘束されない事を追求していくと、物理的には悲惨な状態になるのですけれども、自分というものをそのプロセスの中で過激に持っている。 自由というものが、世乃さん的あるいは彼女さん的な幸せの根底には流れているという事ではないかな、と。
浜矩子の「国富論から見えてくる幸福論」は次編。
記憶蘇らせていただいてありがとうございます。
いまさらながらブログ転載させていただきました。
島田雅彦が紹介した『好色一代男』世之介の資産400億円に対して
浜矩子氏が発した「400億円は損益分岐点をはるかに越えている・・・」
この喋る様子見て噴出してしまいました。