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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(104) 市場の神の第二の鉄槌、ドル50円

2010年11月07日 | 浜矩子語録

 遅ればせながら、9月11日講演の日曜クラブ懇談会における妖艶なエコノミスト・浜矩子の語録をアップする。

 

“日曜クラブ”とは、その案内によれば、東京都品川区に事務局を置き、「その時々の重要なテーマについて、講師を招いてお話を聞き、見聞を広めようと1952年(昭和27年)に創立され、今年で創立58年を迎える」とあり、多くの著名人を招いて講演会を開催している。

 

さて、今日の円高について浜矩子は、「円高ではなく、ドル安」と分析するが、11月に入って、ドル安は80円を切るか!という水準になっている。

そして、FRB(米連邦準備制度理事会)が米長期国債6000億ドルを買い取る追加金融緩和を決めたことについて、欧州や新興国からは「投機資金を膨張させる」などと批判が強まり、ガイトナー財務長官が「ドル安誘引が目的でない」などと弁解する中、11日からソウルで開催されるG20首脳会議では、人民元改革以上に重要議題になりそうな雰囲気で、まさに、通貨大波乱。

 

浜矩子は今年2月、ヒルトンホテル大阪における講演会で、

このままでは「リーマンショックを何回も何回も繰り返すということになるのではないか」と見通し、そうならないための“国際経済の大調整”ともいえることが「通貨大波乱」であり、その調整に望ましい相場は「1ドル50円」と予言した。 

 

それでも弱肉強食の国際経済、日本にとって、過度な円安は致命的な要件である。

しかし、“自分さえ良ければ病”による通貨安戦争で世界経済が破滅することを防ぐための、ドル安・円高という金融大調整の一過性であるとすれば、我が国は歴史的に難しいときを迎えている。

 

この日、日曜クラブの講演で浜矩子に課せられた演題は『恐慌ドラマの行き先は? 今、恐れるべきことは何か』である。

講演で浜矩子は、来るべき通貨大波乱を「市場の神の第二の鉄槌」と表現した。

そして、その対応を誤れば、「三度目は死に至る!」と断じた。

これが演題における『恐慌ドラマの行き先』である。

また、3つの怖いこととして、財政恐慌・昆虫大戦争・愛国開発の3点を挙げたが、これは演題における『今、恐れるべきこと』である。

これらの浜矩子語録は小欄の時間的事情で次編以降に書き留めることとし、本編では講演後の浜矩子を記録したい。

 

浜矩子は講演冒頭、日曜クラブの創立について、「自分で言うのも複雑な心境でありますが、私が生まれた年でございますし、私が生まれたのは8月3日なのですけれども、1952年の8月3日は丁度“日曜日”でございましたので、いろんな意味で『ご縁があるなぁ!』というふうに感じております」と、会場を和ませた。

そして、一気に、グローバル経済の恐怖ドラマの行き先と今恐れるべきことを語った。

 

本講演は、東京都渋谷区代々木の文化女子大学・D館が会場だった。

それは小欄にとって徒歩圏内であり、大変有難い講演会だったが、同大は渋谷区にあるといっても、最寄駅はJR新宿駅で、大方は“新宿の文化服装学院”と思っている。

 

小欄の超個人的感覚だが、建物には『幽霊が、出そうな建物と寄せ付けないビル』がある。

1980年代、『ゴーストバスターズ』という映画が興行されたが、ドラマ中、ゴースト達が好むビルと、聖別されてゴーストを寄せ付けないビルがあるように感じられた。

浜矩子的感覚から表現すれば、前者をカインビルと呼び後者をアベルビルと言えるけれども、小欄の感覚では文化女子短大は近隣の代表的アベルビルであり、そして指呼の位置にカインビルの最高峰・東京都庁がある。

都庁は高名な故人T氏の設計に拠るが、「Tさんの設計した建物はどこでも雨漏りが・・・」と言われるように、かび臭く、ゴースト達が好みそうなカインビルである。

間逆な文化女子大は全きアベルビルで、ゴーストを寄せ付けない。

ちなみに、日本一のアベルビルは横浜ランドマークタワーである。

 

講演終了後小欄は、文化女子大学を背にして甲州街道・西新宿交差点を北に渡ったが、そこには見送ったはずの浜矩子が北せんか西せんかと・・・

「先生、お迷いですか」と声を掛けると浜矩子は

「いえ、そうではないのですよ」

「今日はありがとうございました」と謝意を伝えると浜矩子は

「こちらこそ、ありがとうございました」と、腰を45度まで折り曲げて、実った稲穂の如く、頭を深々と垂らした。

 

そして、浜矩子は西し、カインビル・都庁方面に凛と向かった。

東京生まれの浜先生に、『お迷いですか?は愚問だったな・・』と思いながら小欄は東し、蛸の頭を求めて、小田急ハルクの地下に向かった。

その夜、蛸の頭を肴にして、浜矩子の特技である『多品種大量飲酒』にはまった。

 

西に傾きかけたけれども厳しい陽光が、浜矩子の銀の十字のネックレスに眩しく反射していたことが鮮烈だった。

今回の講演の浜矩子語録は11月中をめどにアップしたい。以下、次編。


浜矩子語録目次Ⅲ

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