坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ベルリン国立美術館展 フェルメール「真珠の首飾りの少女」

2011年11月17日 | 展覧会
今年もフェルメール旋風がおきましたが、来年の初夏にも、競うようにして上野の杜にフェルメールの華が咲く展覧会が相次ぎます。先日、オランダ、ハーグのマウリッツハイス美術館から、かの有名な美少女「真珠の耳飾りの少女」が来年6月、東京都美術館リニューアルオープン記念展として来日をお知らせしました。その展覧会に少し先駆けて、国立西洋美術館で開催される本展では、〈学べるヨーロッパ美術の400年展〉を副題として、イタリア、ルネサンスの成立から17世紀バロック、オランダの黄金時代、そして18世紀ロココまで約400年にわたるヨーロッパ美術の発展を展望するものです。
歴史の脈絡のなかで、17世紀オランダ黄金期の代表として紹介されるのが、日本初来日となるフェルメールの〈真珠の首飾りの少女〉です。タイトルが一字違いなので、あれっと思われる方も多いかと思いますが、生涯30数点しか現存しないフェルメール作品のこちらも代表的な作品。
薄日が差す窓辺に向かって、両手で首飾りを持ち上げている少女の横顔の立像。静謐な時の空間の中で穏やかな横顔が魅力的です。ボッティチェッリの〈ダンテの神曲〉、ミケランジェロの〈聖家族〉の素描など、見どころの多い内容となっています。

◆ベルリン国立美術館展/6月16日~9月17日/国立西洋美術館(上野公園)

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