<あれも聴きたい、これも聴きたい> 重要CD編
今回は珍しく30センチLPからご紹介します。
今となってはこのジャケットに見覚えのある人も少なくなってきたんじゃなかろうか。録音は1970年、今から35年前!我らがジョン・ウィリアムスがなんと29歳!共演は女性ヴォーカリストのマリア・ファランドゥーリ。
収められている作品は、
①ガルシア・ロルカの「ジプシー歌集」より七つの歌。
②テオドラキスのギター・ソロのための四つの「墓碑」。
③同じくテオドラキス作曲の三つの歌
この最後の三つの歌の中の第一曲目がアルバムタイトルになっている“Z(ゼイ)”の愛のテーマ。
このレコードは、ご存知の方はご存知でしょうが(あたりまえか)、非常に政治色の強いというか、反体制色の強いというか、左翼的思想が強いというか、そんなレコードなんですなあ。
北朝鮮とは言わないまでも中国でさえ発売が危ぶまれるほど反体制色が強い。
ジョンもこのころからタキシードをやめ、トックリセーターや派手な花柄のブラウスに黒のブーツといういでたちでコンサートに登場し、「どうしちまったの?」と我々を少なからず驚かせはじめたころだったと記憶しています。
タイトルの“Z”というのはたしか1967年のギリシャ、アテネ・クーデターを扱った映画で、シャンソン歌手の「イヴ・モンタン」が主役を演じていたしぶーい作品でした。
テオドラキスの作品は今でもジョンはコンサートなどで演奏しますし、最近では村治佳織さんもレパートリーに入れていたように記憶していますが、私が初めてテオドラキスという作曲家を知ったのが今回取り上げるジョン・ウィリアムスの演奏するこのレコードだったのです。
内容はというと、私的に言わせていただけば、ジョンの残した録音の中でも最高傑作ではないかと思えるほどの完成度の高さですし、唄うファランドゥーリもこれまた最高。このようなテオドラキスの音楽を表現させたら、これ以上は望めないと思えるほどの歌唱です。勿論ジョンとのアンサンブルも秀逸。
私はいつかこのLPがCDで復刻されるものと期待し、首を長くして待っているのでありますが、一向にそんな気配が見られません。ひょっとしたらあまりにも政治色が強いために再発売をためらわれているのか、あまり売れないだろうとなめられているのか、はたまたレコード会社の人達がこの演奏の素晴らしさにお気づきになっていないのか、「この際お白州に出てはっきりしろい!」
てなわけで、今回のこのテオドラキスの作品集はCDがないのでミューズでかけてもらうことができません。
ばってん、どぎゃんしたら良かとですか? 内生蔵 幹
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テオドラキスの出版社からは、「ジプシー歌集」(ロマンセーロ・ヒターノ)の楽譜が2種(PFとVo、GとVo)が最近出ました。
<GとVo>版はまだ流通していないようで、直接出版社から無償で航空便で届けられました。
涙が出るほど興奮したついでに、1.9万円の輸送費着払いを業者に請求されることとなって、、、。
「ジプシー歌集」の2重奏の楽譜やらCD、カタログなど沢山が入って。中身はタダで、輸送費が馬鹿高い。手違いで特急便扱いだったようで、
この話は、1年前ですヨネ、誰か読んでくれるのかな
o-taka1214@ cream.plala.or.jp
弘井俊雄さんの日本再演を千葉県市川にて行いました。その関係で無償で送付していただいたかもしれません。 自称「テデスコの専門家」です??
テデスコの歌など実演で聴きたいというのが昔からの「夢」です。