今日はお二人の19世紀ギター製作家がお立ち寄りくださいました。
黒田義正さんと田中清人さんです。お二人とも兵庫の製作家ですが、昨日東京のオペラシティ・近江楽堂で開かれた『19世紀ギター展示会&コンサート』に出展された帰路に途中下車してくださった訳です。
この展示会には大西達朗さん、奥清秀さん、加納木魂さん、山下暁彦さんとこの黒田さん、田中さんの6名が出展されて、金庸太さんがそれぞれの楽器で演奏されると言う企画で、とても良かったとのお話。
田中さんは出展されたラプレヴォット(Etienne Laprevotte)モデルを持ってきて下さり、黒田さんはラコート・モデルを持ってきてくださいました。2本とも素晴らしい響きとバランスの楽器で改めて19世紀ギターの良さを認識しました。しかもお値段が非常にお安いから驚きです。田中さん曰く『出来るだけ安価に提供したい』との事で、専用ケース+特製ギターレスト付きで\525,000との事。あまり素晴らしいので置いて行って頂きました。
このラプレヴォットは19世紀前半にパリで活躍した製作家で楕円のサウンドホールに特徴があります。一時はラコートの工房でも仕事をしていたそうです。
田中さんとは先日茨木で行われたギターフェスティヴァルで知り合い、名刺交換したばかりですが、しっとりした音色でとても気持ちよく弾ける魅力ある楽器を作られます。ふくよかに鳴り、遠達性もありそうなギターです。彼は25年ほど前にギタリストの西垣正信さんがヨーロッパから持ち帰った19世紀ギターを見て『これが私の作りたい音のギターだ!』と思い、19世紀ギターを作り始めたそうです。日本が19世紀ギターブームになるもっと前のお話。そして、いろんなモダンギターと19世紀ギターのオリジナルや自作品を大きなホールを借りては弾き比べ、聴き比べする会を何度か持つことで19世紀ギターの持つ魅力を啓蒙してきたそうです。
これでミューズには3本の19世紀ギターが並びました。写真右から以前からある黒田さんのラコート・モデル、田中さんのラプレヴォット・モデル、大西さんのグァダニーニ・モデルです。しかも3本とも本当に素晴らしい楽器です。何だか嬉しくなって3本を並べて展示してみました。高級ギター棚が一段といい雰囲気になりました。暫くこの3本を眺めながら仕事をします。皆さんも是非見に来てください。
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