(有)村田牧場通信

(有)村田牧場から情報を発信するブログ

【血統・配合】アルレガーロの2017(牡 ターファイトクラブ提供馬)

2017年11月14日 | クラブ募集馬



当場生産馬として、ターファイトクラブに募集馬として提供しているアルレガーロの2017。

10月上旬に繁殖分場から1歳分場に移動して、約1か月が経過しました。

1歳分場に移動する前に迎えたターファイトクラブの募集馬ツアーでは、比較的大人しい感じでしたが、1歳分場に移動してからはローレルゲレイロ産駒らしいハツラツとした活気のある雰囲気を見せ始めています。

四肢の肉付きが良くなってきたため、ツアー時のスラッとしていた頃より馬体に厚みが増してきました。

父母ともに短距離馬だったことも考慮すると、こういうスピード馬の体型で今後も成長していくものと予想されます。

さて、今日はそのアルレガーロの2017について、彼の血統や配合の紹介をしたいと思います。





父のローレルゲレイロは、当場生産馬としてG1を2勝してくれて、最優秀短距離馬にも選ばれた功労馬です。

種牡馬としては、準OPを勝っているアイラインや地方重賞を勝っているシークロムなどを出しています。

ローレルゲレイロ自身の血統的特長の一つとして、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionによる相似クロスが挙げられます。






上記で色分けした通り、これら4つの血脈はNearoやPharamond、さらにはBull Dog=Sir GallahadやMahmoudを持つ点で共通しています。

ローレルゲレイロが持つこの血統パターンを生かすために、アルレガーロの2017の代ではこれらのうちHaloを4×4でクロスさせています。

また、ローレルゲレイロの代で一度プールされたNijinskyクロスを、アルレガーロの代で再びクロスさせる配合にしました。

この血統パターンは、現2歳のソイルトゥザソウル(現1勝)のそれに類似したもので、ソイルの場合はHaloクロスとNijinskyの息子であるCaerleonクロスを持たせる配合にしています。

ローレルゲレイロの3代母モガミポイントは、アルレガーロの持つStorm Catの血と相似クロスを形成する関係です。





それぞれの父系であるNijinskyとStorm Birdは、いずれもNorthern Dancer×Bull Page系牝馬の組み合わせです。

また、モガミポイントの母父ボールドラッドUSAとStorm Catの母父Secretariatは、いずれもBold Ruler×Princequillo牝馬という4分の3同血クロスを形成します。

このモガミポイント≒Storm Catの相似クロスは、同父のローレルゲレイロ産駒であるグランジゲレイロ号(中央1勝)や、現2歳のダンケシェーンにも用いている配合手法です。


母のアルレガーロに目を向けると、彼女自身はスペシャルウィーク産駒ですが、どちらかというと母系のスピードが勝ったようなしっかりとした馬体で、スペシャルウィークの伸びのある馬体とは少し異なります。

全姉のクロワラモーよりも、より短距離向きの馬体をしている感があります。

産駒の代になれば、もしかするとスペシャルウィークの体型を産駒に伝えるかと思いましたが、ここまでの産駒の出来を見ると、母アルレガーロより種牡馬の馬体の影響を受けている産駒が多い印象です。

実際、アルレガーロの2017についても、ローレルゲレイロ産駒らしい『ムダ肉はつかないが四肢が発達した馬体』という雰囲気を帯び始めています。

そのアルレガーロの父スペシャルウィークですが、ローレルゲレイロの父キングヘイローと共通祖先を持つ関係です。





いずれの血脈もHaloやNorthern Dancer、Buckpasserを持つ点で共通しています。

他のローレルゲレイロ産駒と異なり、アルレガーロの2017が持つ特徴的な相似クロスという点では、カコイーシーズ≒Seeking the Goldがそれに該当するかもしれません。





それぞれの父であるAlydar≒Mr.Prospectorが、どちらもRaise a Native×Nasrullah系牝馬の組み合わせであるほか、2頭とも母父がTom Fool系である点で同じです。

カコイーシーズに関しては、その母父Jesterが、Storm Catの3代母Bolero Roseと相似な血の関係にある点も興味深いと言えます。





どちらもMenowとEight Thirtyを持ち、さらにはBull Dog=Sir Gallahadを持つ点でも共通しています。

このようにカコイーシーズがStorm Catと血統的に相性が良く、さらにはモガミポイント≒Storm Catという相似クロスが派生することを考慮すると、カコイーシーズ×モガミポイントの配合で生まれたモガミヒメという血脈はStorm Catの血を持つ馬と相性が良いのかもしれません。

以上のことからも、アルレガーロの2017が多くの相似クロスを持った血統であることがわかります。

このような血統パターンにすることで、少しでも高い競走能力の遺伝に好影響を及ばしてほしいと願っています。

父ローレルゲレイロの牝系も、そして母アルレガーロの牝系も、それぞれ当場で何世代にもわたって力を入れてきた系統です。

アルレガーロの2017自身は高額な募集価格ではありませんが、思い入れのある血統なので、当場としても大きな期待を持ってしっかりと育成していきたいと思います。


(寝ながらこちらをチラ見するアルレガーロの2017)




4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ON)
2017-11-16 00:24:41
Haloのクロスへ世代前進してますが、Hail to Reason≒Second the Motion5・5×6もいい感じですね!
返信する
Re: ((有)村田牧場)
2017-11-16 06:51:34
ONさま

いつもコメントありがとうございます。

確かに、Hail to Reason≒Second the Motionという見方は可能ですよね。
Turn-to、Sir Gallahad=Bull Dog、あるいはMano'War≒Chance Playもありますからね。

ただ、この牝系にHail to Reasonの血を引くHalo種牡馬を付けても、クロワラモーやメジェルダといったブラックタイプレベルは出ているものの、こちらとしてはもう少し活躍馬が出てほしい印象。
その意味でも、Hail to Reasonの息子であるHaloを直接クロスさせるという新しい試みは、プラスに働いてくれるのではと期待してるんです。
返信する
ダンケ! (ON)
2017-11-16 23:39:29
いつもいつも返答ありがとうございます。
いよいよですね。
東京ダ1400mはベストな感じがしますね。
期待してます。
返信する
Re: ((有)村田牧場)
2017-11-17 07:06:01
ONさま

こちらこそ、いつもコメントありがとうございます!

ダンケシェーン、抽選通って正直ホッとしました。
思えば函館入厩して、札幌ダ1700でデビューさせる予定の馬でしたが、ここまで長引いてしまい出資会員さんにはご迷惑をお掛けしてしまいました。

当時、調教師の先生と電話した時の会話として『ローレルゲレイロはピッチ走法だから芝の短いところでデビューさせたけど、ダンケシェーンはそれよりストライドが大きいからもう少し長めの距離で使おうかと思ってる』と言われていたことを思い出します。
その意味では、直線の長い東京競馬場はこの馬に合ってるはず。
また、これまでのヘニーヒューズ産駒の活躍を見ても、ダ1400あたりが適距離と思わせるところもあります。

一方で、別ルートの情報ですが『初戦から勝ち負けできる馬』と某陣営が言っていた馬(どの馬かはご勘弁を)、ダンケシェーンとともにデビュー戦を迎える模様。
フルゲートでもありますし、デビュー戦から厳しいレースが予想されますが、ダンケシェーンも調子が良さそうですし、能力は高い馬だと信じています。

ONさんも、明日応援してやって下さい。
よろしくお願いします!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。