獣医師インディ・ヤスの冒険!

家畜伝染病と格闘する獣医師インディ・ヤスさんのブログです。インディ・ヤスさんはロシア・東欧のオタクでもあります。

リオ五輪での熱戦の中でロシアはどうかなあ

2016-08-13 16:10:51 | スポーツ
 リオデジャネイロオリンピックが先週の8月5日(金)に開幕した。その熱戦も前半戦が終了したところであるが、日本人選手の活躍が素晴らしく嬉しいかぎりである。一方、今回のオリンピックに関しての最大の話題は、ロシアによる組織的なドーピングであろう。当初、ロシアは387名という大選手団をリオオリンピックに参加させる予定であったが、組織的なドーピングが明らかになった陸上競技選手などの参加は認められず、結果とし271名のみがリオオリンピックの参加を認められた。この271名についてもIOCは各競技連盟の参加の可否の判断を委ねたため、また、陸上競技連盟のようにドーピング検査体制がしっかりしたものばかりではないことから、271名のうちかなりの数の選手が灰色であるらしい。そもそも、何故、ロシアは選手にドーピングをさせるのであろうか。
 東西冷戦時代、ソ連をリーダーとした社会主義体制の国々では国威発揚のため、オリンピックでの好成績を国家目標とし、また、ドーピングも現在ほど問題視されなかったことから、選手強化の手段として多くの選手に薬物を与えていた。例えば、私が高校生の頃開催されたモントリーオールオリンピックでは、社会主義国の女性選手の身体は、まるで筋骨隆々の男性選手のようで、練習で鍛錬しただけの結果とは到底思えなかった。東西冷戦が終結し、西側の自由主義体制が東側の社会主義体制より国民により多くの幸福を与えることが明らかになってから、ドーピングは選手個人の問題だと思っていた。と言うのは、国が国威発揚のために一部のスポーツエリートを育成してメダル争いを行うことより、普通の国民が広くスポーツを楽しめるようにすることの方が大切、ということを世界が広く理解したと思っていた。しかし、少なくとも“ロシアではそうでない”ことが今回の組織的ドーピング事件で明らかになった。
 ロシアのプーチン大統領は、スポーツ仲裁裁判所がロシアの陸上競技連盟の組織的なドーピングを黒と判決し、その判決を受けてIOCがロシアの陸上競技選手などをリオオリンピックに参加させない決定を下したことについて、「ロシアを貶める陰謀だ」とスポーツ仲裁裁判所やIOCを強く非難した。盗人猛々しいとしか言いようがない。これだからロシアウォッチャーをやめられない。


コメントを投稿