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デング熱の診断検査(NS-1等)

2016-12-10 | Dengue fever

デングウイルスの非構造蛋白(NS1:Non-Structural Protein1)抗原
発症から5-6日まで陽性となる[J Infect Dis. 2002;186(8):1165.
入院時の感度は50-70%、特異度は95%との報告がある [PLoS Negl Trop Dis. 2010;4(8) Epub 2010 Aug 31.][Clin Vaccine Immunol. 2012 May;19(5):804-10. Epub 2012 Mar 21.]

NS-1 Ag検査でDengue virus type 2は感度が低い
2回目の感染では全般にNS-1 Agの感度が低い
重症化は2回目の感染に多いが、3回めの感染では少ない

ウイルス抗原とはウイルス粒子そのものを指す言葉ではなく、ウイルス遺伝子に基づいて感染細胞の中で発現する蛋白全てはウイルス抗原と呼ぶ。
デングウイルスそのものにNS1を検出はできないが、寄生細胞の中で発現する非構造蛋白なので抗原に分類される。

また、臨床ではPCR検査を抗原検査と呼ぶこともあるが、基礎医学領域では一般的に抗体を誘導しない遺伝子そのものは抗原とは見なさない。

バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社 診断薬事業部(2014年8月)
Dengue NS1 Ag STRIP 25回、45,000円, 2-8℃
プラテリア デング NS1 Ag 96回、120,000円, 2-8℃


Reference: 第17回 トガ・フラビ・ペスチウイルス研究会

 

2014年の国内流行を受けて、酵素免疫測定法(ELISA 法)による診断検査が2015年6月から、イムノクロマト法による診断検査が2016年6月から保険収載された。


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