又市征治は、30歳で自治労富山県本部の書記長になってから、書記長を11年、副委員長を12年、委員長を5年務めている。こうして長い期間、労働組合の幹部を務めていると、いわゆる「労働貴族」になる人もいるという。では又市はどうか。
又市が委員長を務めていたとき、ある対談の企画が持ちかけられた。又市の対談の相手は、政治記者から田中角栄元総理の秘書となった、政治評論家の早坂茂三だった。
早坂は対談の後、又市という人物をこう評している。
「労働組合の指導者と偉そうに言いながら初心を忘れ、労働貴族に成り上がったり…する連中をげんなりするほど見てきた僕だが、又市さんは一味も二味も違った。久しぶりに、すがすがしい男に会ったなあというのが素直な印象ですね。・・・富山県の労働運動で指折りの指導者である又市さんの原点は、はじめにイデオロギーありきではなく、仕事に密着した正義感だ。さらにいいところは55歳になっても胸の炎が燃え続けていることだね。みごとだなあ。」
(平成12年5月7日「富山新聞」)
大絶賛である。
早坂はこの対談の4年後にこの世を去っている。「政治家は『悪党』に限る」と著書も残している早坂だが、政治家としての「又市征治」をどう評価するか、もう一度対談してもらいたかった。
蛇足だが、この対談を企画した富山新聞こそ、又市が小学生、中学生、高校時代を通じて配達していた新聞だ。もちろん新聞社の人々は、一配達員だった又市の過去など知るよしもなかっただろうが。
(敬称略)
又市が委員長を務めていたとき、ある対談の企画が持ちかけられた。又市の対談の相手は、政治記者から田中角栄元総理の秘書となった、政治評論家の早坂茂三だった。
早坂は対談の後、又市という人物をこう評している。
「労働組合の指導者と偉そうに言いながら初心を忘れ、労働貴族に成り上がったり…する連中をげんなりするほど見てきた僕だが、又市さんは一味も二味も違った。久しぶりに、すがすがしい男に会ったなあというのが素直な印象ですね。・・・富山県の労働運動で指折りの指導者である又市さんの原点は、はじめにイデオロギーありきではなく、仕事に密着した正義感だ。さらにいいところは55歳になっても胸の炎が燃え続けていることだね。みごとだなあ。」
(平成12年5月7日「富山新聞」)
大絶賛である。
早坂はこの対談の4年後にこの世を去っている。「政治家は『悪党』に限る」と著書も残している早坂だが、政治家としての「又市征治」をどう評価するか、もう一度対談してもらいたかった。
蛇足だが、この対談を企画した富山新聞こそ、又市が小学生、中学生、高校時代を通じて配達していた新聞だ。もちろん新聞社の人々は、一配達員だった又市の過去など知るよしもなかっただろうが。
(敬称略)