自分が、心療内科に通う前に読んでいた本を、久しぶりに読んでいる。
明治大学助教授の諸富祥彦(もろとみよしひこ)さんの『生きるのがつらい。「一億総うつ時代」の心理学』という本だ。
最近、久しぶりに大きな気分の落ち込みに遭遇してしまったからだ。
原因を考えれば考えるほど、悲しくなる、コントロールできない。
考えるのをやめようと思っても、また考えてしまう。
そんな鬱屈とした日々が、3日間ぐらい続いていた。
その本の中で、歌手のCoccoさんが、昔リストカットをしていたが、自分の気持ちを歌詞で歌で、表現することによって、リストカットをなくすことができたことが書かれていた。
諸富さんは、生きにくい時代だからこそ、自分の弱音を吐ける場所が必要だと述べている。
そして、つらい気持ちや弱さを言葉で表現することで、自分の気持ちと間がとれるようになるのだと言う。
これを読んで、自分が言葉を紡いで自分を表現するきっかけ、音楽を始めたきっかけは、自分も生きづらさを感じていたからだ、どうしようもできない悲しみや自分の弱さを抱えていたからだと気づいた。
早川義夫さんが、悲しいから自分は音楽を作るんだと言っていたように。
表現は何も歌や歌詞だけでなく、電話相談やインターネット上でのチャット、ブログ、イラストや絵でも構わない。
また、Coccoさんのように、自分も心の傷を抱えながら少しずつ自立し、他の人の傷を癒していこうとする人のことを、「ウーンディード・ヒーラー(wounded healer)傷ついた癒し手」と言うらしい。
また、そういう人が世の中にはたくさんいることを知ることもできた。
本書では、虐待を受けていた人が、自ら自分の体験や思いを詩にして、ウェブ上に載せることによって、自分や他人を救っている、「ゆっきーのたから箱」というホームページのことも紹介されていた。
ウーンディード・ヒーラー。
なんて素敵な言葉なのだろう。
次の曲のタイトルにしようかな。いや、アルバムのタイトルでもいいな。
そう考えたらワクワクしてきた^^
そうか。
誰かのおかげで、僕も今、こうして生きていられるんだ。
諸富祥彦さん、この本を書いてくれてありがとうございます。
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