
アメコミヒーロー・バットマン物語の最初から描く、いわば「エピソード1」
2005年 アメリカ アクション、サスペンス
2005年7月6日 川崎チネチッタ
監督 クリストファー・ノーラン(メメント)
出演 クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマン、渡辺謙、ケイティ・ホームズ、ライナス・ローチ
ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)はゴッサムシティに住む大金持ちの一人息子。しかしある日両親を強盗に殺され、その復讐を胸に誓う。古井戸に落ちたときにコウモリの大群に遭って恐ろしかったというトラウマが引き金になった犯罪だった。
その後デュガード(リーアム・ニーソン)という男と運命的な出会いを果たし、悪と戦うために犯罪学、武術、格闘技などを身に着ける。そしてゴッサムシティに戻るが、父親の残した会社は、代理人によって株式公開をする寸前だった。彼は両親の残した膨大な資産と、数少ない味方と共に悪と戦うことを誓う。
ゴッサムシティは何者かの手によって、正しい世界を築くために腐敗した都市を「掃除」されようとしていたのである。ブルースは自ら自分が恐れているコウモリになり、正義のために戦う。
謎めいたヒーロー、バットマンは超能力を身に着けているわけでも突然変異でもない。あくまで鍛えられた生身の人間である。ここが面白いところであり、脚本・演出上辛いところでもある。リアルな映像とコミックスの世界が、ちょっと不調和をおこしていると思える部分があるように思えるのだけれど?
しかし、全体的に黒を基調とした画面が効果あり。クリスチャン・ベイルがすごく身体を作りこんで、繊細な面差しに思いがけないほどの太~い二の腕で生身のヒーローを演じている。
ヒマラヤの山奥で研鑽を積み、恐怖心を克服し悪と戦う能力を身に着けるわけだが、ここの親玉であるラーズ・アル・グールって何者なのか、何人なのか、渡辺謙がスキンヘッドにドジョウ髭というファッションと、すごい眼力で演じている。出番は少ないが存在感抜群。
そして彼らと袂を別って来る。彼らは悪を滅ぼすことを考えているところまでは彼と同じだが、悪を一掃するためなら殺人という最終的な手段を選ぶことに躊躇しないのである。
ブルースは悪人といえども殺すことをしない。デュカートにも情けをかけて、断崖壁の絶体絶命状態から救い出す。この時のブルースの腕力!
舞い戻ったゴッサムシティは犯罪の巣。警察や裁判所も賄賂で動き、逮捕や摘発も思うに任せない。しかし、ブルースの幼馴染レイチェル(ケイティ・ホームズ)は若い女性ながら理想に燃えた判事補として悪を追放しようとしている。全体にダークな世界に、たれ目で童顔のケイティの笑顔が救いになっている。
しかし、あまりに判事補としては頼りない。あまりに童顔に思えるのだが?ドーソンズ・クリークⅠを夢中で観ていたのはほんの数年前。あの時高校生だったのに・・・
バットモービルの無敵な走りは見もので、数々の危機を乗り切るし、特殊な素材で作った衣装一式や装備、もちろん形状記憶繊維のおかげでバッドマンのマントも完成。全て物分りの良いフォックス部長(モーガン・フリーマン)のおかげ。
こちらも物分りの良い執事のアルフレッド(マイケル・ケイン)も忘れるわけにいかない。アルフレッドにとってはいつまでもブルースはお坊ちゃまであり、父上の名前を汚すわけにはいかないなどとの一貫した姿勢と、どんなときにもうろたえない忠実さが持ち味である。
この愛のある年寄り二人のバックアップで、若者の無茶な二重生活が支えられているのである。ヒーローは必ず仮の姿で生活していて、このあたりがまた、歯がゆいような楽しみでもある。
数少ない善良な警官であるゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)との、やりとりも面白い。彼がバットモービルを運転するくだりなど、必見である。
「フォーガットン」で「親切な男(
)」を演じたライナス・ローチがブルースの父の役で出ている。序盤で強盗に殺されてしまうのだが、「フォーガットン」であんな役をやったために、どうしても「なにかやらかすのでは」と思ってしまった。

次回作を期待させる形で終わっているが、どうなるのだろうか?私は次回作作って欲しい方に1票

2005年 アメリカ アクション、サスペンス
2005年7月6日 川崎チネチッタ
監督 クリストファー・ノーラン(メメント)
出演 クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマン、渡辺謙、ケイティ・ホームズ、ライナス・ローチ
ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)はゴッサムシティに住む大金持ちの一人息子。しかしある日両親を強盗に殺され、その復讐を胸に誓う。古井戸に落ちたときにコウモリの大群に遭って恐ろしかったというトラウマが引き金になった犯罪だった。


謎めいたヒーロー、バットマンは超能力を身に着けているわけでも突然変異でもない。あくまで鍛えられた生身の人間である。ここが面白いところであり、脚本・演出上辛いところでもある。リアルな映像とコミックスの世界が、ちょっと不調和をおこしていると思える部分があるように思えるのだけれど?

しかし、全体的に黒を基調とした画面が効果あり。クリスチャン・ベイルがすごく身体を作りこんで、繊細な面差しに思いがけないほどの太~い二の腕で生身のヒーローを演じている。

ヒマラヤの山奥で研鑽を積み、恐怖心を克服し悪と戦う能力を身に着けるわけだが、ここの親玉であるラーズ・アル・グールって何者なのか、何人なのか、渡辺謙がスキンヘッドにドジョウ髭というファッションと、すごい眼力で演じている。出番は少ないが存在感抜群。



舞い戻ったゴッサムシティは犯罪の巣。警察や裁判所も賄賂で動き、逮捕や摘発も思うに任せない。しかし、ブルースの幼馴染レイチェル(ケイティ・ホームズ)は若い女性ながら理想に燃えた判事補として悪を追放しようとしている。全体にダークな世界に、たれ目で童顔のケイティの笑顔が救いになっている。


バットモービルの無敵な走りは見もので、数々の危機を乗り切るし、特殊な素材で作った衣装一式や装備、もちろん形状記憶繊維のおかげでバッドマンのマントも完成。全て物分りの良いフォックス部長(モーガン・フリーマン)のおかげ。


この愛のある年寄り二人のバックアップで、若者の無茶な二重生活が支えられているのである。ヒーローは必ず仮の姿で生活していて、このあたりがまた、歯がゆいような楽しみでもある。

数少ない善良な警官であるゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)との、やりとりも面白い。彼がバットモービルを運転するくだりなど、必見である。

「フォーガットン」で「親切な男(



次回作を期待させる形で終わっているが、どうなるのだろうか?私は次回作作って欲しい方に1票

普通の人間が 心の壁を乗り越えて 正義のために 戦う。私は こんな人間ぽいとこ 好きです。
大切な彼女のためなら 交通ルール守らないとこも(笑)好きですね。
これまでの「バットマン」シリーズとは違うものを作ろうというクリストファー・ノーランの意気込みが伝わる改心の出来でした。
鑑賞後、コミックヒーロー映画という印象がないのが凄いところです。
個人的には、映画全編の会話にある「善悪論」の奥深さに感服、この台詞を集めただけで「本」になりそうな理論展開でした。
ヒーローだけど生身の人間、バットマンの魅力がありますね。トラウマ克服の物語でもあるのかな?
心配するアルフレッドに「交通ルールを守っているヒマがなかった」というシーンが好きです。
まつさん
単純な善悪論では映画に魅力がなくなった複雑な時代。深いけれど、ちゃんと分かりやすく展開されていました。大人向けでしたね!
ティム・バートンも好きなんですけどね。
もう一度みたいかなあ。
また来ますね!
感想は全く違うのにTBまでしていただいて
しまって。映画の感じ方は人それぞれですも
んね。ももママさんのレビューを読んでいた
ら僕の見方は間違っていたように思ってしま
います(笑)お上手に書かれてるから。
この映画で一番びっくりしたのはクリスチャ
ンベイルのあの筋肉ですよね!
「マシニスト」の翌年にこんなムキムキに
なるなんて・・・。恐るべき役作りです。
今までのバットマンの好きな人にも、今までのバットマンをあまり好きでない人にも、今までのバットマンを知らない人にも、同時にお勧めします!
tomyさん
クリスチャン・ベイルの筋肉にびっくりした方は多いようですね~。
それから、映画の見方はそれぞれだし、どれも間違いではないと思います。時間が経つと違う考えを持つことだってあって、反対になることも。ブログをやっていると、他の方の見方を教えてもらって面白いですね!1回しか見ていない映画を何倍も楽しめます。やめられまへん~
アルフレッドの「決して」が良かったですよねー
アルフレッド、いい味出してましたね。プレイボーイになることを勧めるくだりはお気に入り。頼れば何でもやってくれちゃうし、太っ腹!分からないように1万個部品をオーダーするんだもの。
使い魔さん
決して見捨てないアルフレッドが好き~!忠実さと愛に支えられて、生身のブルースがバットマンとして活躍できるのですね~。納得。
でも、クリスチャン・ベールが続編の契約にもサインしたという話もあるので、また新たなストーリーが綴られるかも知れませんね。
いずれにせよ、大変よく出来た作品だったと思います。
バットモービルも格好良かった^^