世にも恐ろしい!?現地へごあんな～い

せっかくだからということで、
バスで現地へ案内してもらうことになった。

まだ3層までしかできてないけど（当時）
この物件の売りである丘に立つ眺望と
広大な専用庭が見られるそう。

「ただ、近所の方々が入り口に立って
騒いでいると思いますが、気になさらないでください」

？？？？？
何でも近隣の住民が反対運動を起こしていて
毎日のように入り口でシュプレヒコールをあげているとか。
大型マンションゆえ、近隣の渋滞、学校定員の飽和などを
問題にしているらしい。確かに一度に何百家族が
ご近所に引っ越してきたら、いろいろ歪みがおきるでしょうね。

営業さんの話によれば、ウチらは法定内で建築してるし
役所の許可もとってる。まったく問題ないとのこと。

そうだよね。なんて納得できる話ではない。
ニュースや新聞で取り上げられているのを見たことはあっても
具体的にそういう話に直面するのははじめて。
モデルルームで沸き立った心が、にわかに波立っているのがわかりました。

バスの車中は専門のガイドさんによる“はとバスツアー”状態。
「みなさま～、右手に見えてきましたのが、ユニヴェルシオール…」
ぼくら1組だけの客に、そんなにていねいに説明してくれなくてもいいですよ。
一生懸命聞いているフリしていたら、何度も目があってバツが悪かった。
ガイド口調に何度も噴出しそうになるし。

そんなこんなで退屈するヒマもなく、
結構混んでいる細い道を経て
マンションの丘に続く坂道に着くと――――

あぁ、やっぱり立ってるー。
住民の方々が怒ってるーーー。

何か顔を見られてはいけない気がして、
頭をすこし伏せがちにやり過ごしました。