昨日かそのチョット前くらいから大きな騒ぎになり、内容を知って「アイタタタタ・・・」と気持ちが痛くなった漫画家による盗作ニュース。名前を知ってる作家さんだっただけにショックが大きい。
疑惑は多岐に渡ってる。
絵については構図がそっくりでトレース疑惑があること、セリフ・ストーリーについても模倣疑惑があること。
これらの事例について検証サイト(漫画家・末次由紀氏 盗用(盗作)検証)が立ち上げっていて、騒ぎが大きくなってから知った私にも事の起こりから、作家本人のコメント、現状までを知る事ができた。
本人も描写盗用問題については認めてると講談社が発表してる。その他の部分については知らない。だからここでは絵のことについてのみ扱う。私も絵についてのみが気になっていたから・・・。
講談社が謝罪をする前の10月16日時点で、絵の描写問題について本人が疑惑を認め、以下のようなコメントを寄せてる。
あーーー。
うーーー。
胃がキリキリする。
被写体となるもの(建築物だったり、オブジェだったり)や、プロカメラマンが撮影した写真などにはさまざまな著作権の絡まりが難しい。それらを用いて、新たにコンテンツを作成するには仁義を通さなくてはならなかったりすると言うのは分かる。
実は私も仕事で、絵を描いたり、デザインしたりする事があるから。
だからこそ、
「(著作権を持ってる)人に聞け」と思う。
私は仕事でそれらを用いるときは、関係しそうな人に仁義を通すことにしている。
だって、プロカメラマンが「僕の撮影した写真を好きに使って良いよ」って言ってくれたときでさえ、その写真は撮影者によって”デザイン”されてるものだから、コンテンツに掲載するための可変は大丈夫かとか、「好きに」というのはWebへの掲載もアリかとかの点において、意識のすれ違いがおきがちだもの。
その一方で、使用目的とか掲載方法をはっきりと伝えると、意外と簡単に協力してくれたりするし。
本を見本にして絵を描いたときも、できるだけ出版社に連絡をしている。そうすると、時にはその出版社から見本を貸し出してもらえることもあった。
漫画家さんは個人で仕事をする事が多いようだから、こういう声掛けをせずに一人で悩んで、結局悪い選択肢を選んでしまうのかなぁ。
「作品からトレースさせて」とはサスガに言えないと思うけど、「バスケの漫画を描きたいから、資料を教えてほしい」って言えば、ライバルの出版社とはいえ、資料写真のアドバイスくらいはもらえるんじゃないかなぁって思う。ポーズが同じでもトレースじゃなければ、ここまでの問題にはならなかったはず。
だって、著作権の本を幾つか読んで思ったけれど、結局一番製作者に近いところは、当人同士(もしくは関係者間)で連絡をしあうことで、簡単に解決できてしまう事が多いもの。これを著作権うんぬんの難しい問題にはしてほしくない。
そして、今回の事件での結末が、「雑誌連載中止・全単行本絶版・出荷停止」。
死活問題だ・・・。
(盗作の内容よりもむしろ処分の厳しさでニュースになってる気がする)
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(2005年10月21日:追記)
漫画原作者であり編集家の竹熊健太郎氏が、この事件についてご意見をブログの「たけくまメモ」にupしてる。ここでもストーリーの盗作はともかく、絵のことをメインにして記事になってる。
でも「そうした行為を「したことがない」漫画家というものが、どのくらいいるのかな?」というご意見については、そうしたということがトレースを意味するのであれば、「漫画家さんに失礼ですよ、センセ」って思う。
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漫画の表現盗用、2chの指摘で絶版・回収に
(2005/10/18 20:09 更新)
講談社から出版されていた少女漫画に、「スラムダンク」などと酷似したシーンが登場すると「2ちゃんねる」で指摘があり、同社は盗用を認めて単行本の絶版・回収を決めた。
ITメディアより
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疑惑は多岐に渡ってる。
絵については構図がそっくりでトレース疑惑があること、セリフ・ストーリーについても模倣疑惑があること。
これらの事例について検証サイト(漫画家・末次由紀氏 盗用(盗作)検証)が立ち上げっていて、騒ぎが大きくなってから知った私にも事の起こりから、作家本人のコメント、現状までを知る事ができた。
本人も描写盗用問題については認めてると講談社が発表してる。その他の部分については知らない。だからここでは絵のことについてのみ扱う。私も絵についてのみが気になっていたから・・・。
講談社が謝罪をする前の10月16日時点で、絵の描写問題について本人が疑惑を認め、以下のようなコメントを寄せてる。
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漫画は絵が作業のメインです。自分の頭の中で考え出すものもあれば、資料を一生懸命集めてそれを見て絵にすることも多いです。 実際に今世界の中で生きている漫画の中の人物を書くとき、ブランド物の服をそのまま漫画に書くことも人によってはあります。「人の作ったもの」をどこまでモデルにして漫画の中に出していいのか、都庁は?街にあるオブジェは?かっこいいモデルがポーズ取ってる写真は?美しいテニスプレイヤーのプレー写真は?それらの線引きの判断が難しいと思うことは多々ありました。今回問題になった事と同じような安易な参考の仕方をこれまで全くしなかったということもできません。
「漫画家・末次由紀氏 盗用(盗作)検証」サイトの
「公式掲示板に末次由紀氏ご本人からのコメントが投稿されました」より
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あーーー。
うーーー。
胃がキリキリする。
被写体となるもの(建築物だったり、オブジェだったり)や、プロカメラマンが撮影した写真などにはさまざまな著作権の絡まりが難しい。それらを用いて、新たにコンテンツを作成するには仁義を通さなくてはならなかったりすると言うのは分かる。
実は私も仕事で、絵を描いたり、デザインしたりする事があるから。
だからこそ、
「(著作権を持ってる)人に聞け」と思う。
私は仕事でそれらを用いるときは、関係しそうな人に仁義を通すことにしている。
だって、プロカメラマンが「僕の撮影した写真を好きに使って良いよ」って言ってくれたときでさえ、その写真は撮影者によって”デザイン”されてるものだから、コンテンツに掲載するための可変は大丈夫かとか、「好きに」というのはWebへの掲載もアリかとかの点において、意識のすれ違いがおきがちだもの。
その一方で、使用目的とか掲載方法をはっきりと伝えると、意外と簡単に協力してくれたりするし。
本を見本にして絵を描いたときも、できるだけ出版社に連絡をしている。そうすると、時にはその出版社から見本を貸し出してもらえることもあった。
漫画家さんは個人で仕事をする事が多いようだから、こういう声掛けをせずに一人で悩んで、結局悪い選択肢を選んでしまうのかなぁ。
「作品からトレースさせて」とはサスガに言えないと思うけど、「バスケの漫画を描きたいから、資料を教えてほしい」って言えば、ライバルの出版社とはいえ、資料写真のアドバイスくらいはもらえるんじゃないかなぁって思う。ポーズが同じでもトレースじゃなければ、ここまでの問題にはならなかったはず。
だって、著作権の本を幾つか読んで思ったけれど、結局一番製作者に近いところは、当人同士(もしくは関係者間)で連絡をしあうことで、簡単に解決できてしまう事が多いもの。これを著作権うんぬんの難しい問題にはしてほしくない。
そして、今回の事件での結末が、「雑誌連載中止・全単行本絶版・出荷停止」。
死活問題だ・・・。
(盗作の内容よりもむしろ処分の厳しさでニュースになってる気がする)
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(2005年10月21日:追記)
漫画原作者であり編集家の竹熊健太郎氏が、この事件についてご意見をブログの「たけくまメモ」にupしてる。ここでもストーリーの盗作はともかく、絵のことをメインにして記事になってる。
でも「そうした行為を「したことがない」漫画家というものが、どのくらいいるのかな?」というご意見については、そうしたということがトレースを意味するのであれば、「漫画家さんに失礼ですよ、センセ」って思う。
確かにそうだと思います。
まず、この人が担当さんにその辺を相談してみたのかどうか。
ただ、担当さんが面倒見の悪い人の場合もあります。
描き手が意見や質問をしてもまともに聞いてくれないとか、
資料をお願いしても、真っ向から断られる場合もあります(笑)
誰に聞いていいかわからない場合もあるかもしれません。
この人の場合はどうやら度を超したパクリッぷりだったようで、
そこに同情することはできませんが
関わっていた担当者、会社などが疑惑の最中に
どう考えていたのかは気になるところです。
あとでその問題になったシーンなど、見比べたいなぁと思うのだけど
マンガを描く作業って、とっても孤独ですよね
だから陥りやすいというか…
どこまで面倒をみてくれていたんだろう…編集の人は
結構そういったプロの心得みたいなものって、編集さんが教えて育てていく部分があるから
この作家さんがすべて悪いとは言わない
みおさんの言われるように、ちょっとした配慮なんだと思います
本当、この問題は奥深いですよ…
> 担当さんにその辺を相談
そうですね。
おっしゃるように相談しても後回しにされちゃったり、担当者さんが疎かったりしたらキツイですね。
大学の時に出版者になるための講座を受けましたけど、当時そこでは著作権とかそんなのは習わなかったですし。広くいろいろ知っておけとは言われましたけど。
でも、私が「あっちゃー」って思ったのは、ご本人が既に「これって悪い事?」と気付いてたってところです。
私は「迷ったらやめておけ」って言われます。迷うところって概して必然性のない装飾や、代用が利くものだったりしますからね。そしてどのような代替案があるかを、担当者に相談すればまた違った結果になってたと思うんです・・・。
> 資料をお願いしても、真っ向から断られる場合
ありますねー(泣)。
役に立たない資料を積み上げられたりしてもツライです。
あと、資料を提供してくださった方が、著作権を確認してくれてない場合も。
↓こちらのサイトの検証が分かりやすいと思います。(絵以外も検証してます)
http://tretre.fc2web.com/index.html
> どこまで面倒をみてくれていたんだろう…編集の人は
社交的な漫画家さんはそういう心配が少なそうですけどね。一条ゆかりとか。
そういえば漫画家の編集者への依存度を、その組合せの夫婦の多さで揶揄してた話を聞いたことがありました。ますます漫画家デビューする年齢が低くなってるようですしね。
> この作家さんがすべて悪いとは言わない
最終的に出版社のアウトプットとして発表されてるから、編集者のチェックが甘かったってことは言えますね。
(他のブログを読んでいると、ちょっと気掛かりな内容が見受けられるんですけど、事実が確認できないのでここでは置いときます)
> ちょっとした配慮なんだと思います
声を掛けると、意外と応えをいただけちゃったりします。
仕事じゃなくても、例えばこのブログでも「この内容って掲載してよいかな?」って迷った場合は、関係してると思われる会社にメールで質問したりしてます。
CMになると思えば快くOKをくださいますし、「ご遠慮ください」って言われても基準を示してくれたりするので、だんだんと境界線が見えてくるような気がします。(境界線が幻じゃなければ・・・ネ!)
あちらは、同人活動者がトレースしているんじゃないかって問題でしたが、それでもCLAMPさんはじめ、あちこちに多大な迷惑がかかったんですよね。
まさか、プロでこんなことが・・と、いま検証サイトをみて、愕然としました。
構図をちょっと変えてはいるけれど、人物の表情や動作はまるで一緒。これでは言い訳しても救いようがない。講談社の対応も致し方ないものだな、と感じます。
ただ。
CLAMPの事件では逃げてしまった某同人の人とは違い、この方は、避難を受け、謝罪する意思がはっきりしている、それだけは「プロ意識」ですか、ね。。
と、今回はめずらしく(?)キツイ文面で書いてしまっている私。
だってね。いやなの。こういうの。悔しいし悲しいし情けないし・・・出版業界、しっかりしなさい!って心底思う。チェックできなかったんか?仮にも編集者もプロでしょうーって!
そんな事件があったんですか! 知りませんでした。
さっそく検索してみたところ・・・画像の比較は見当たりませんでしたが、当時のCLAMPからのコメントを読むことができました。そこから推測される限りではトレースどころかスキャナーで読み込んでそのまま使用してた模様ですね。これはもはや”海賊版”と言うのでは・・・。
ところで、CLAMPの全作品を知ってるわけではないですけど、彼女達(つか、もこなの絵)はとてもマネしやすいんですよね。私、『東京BABYLON』は中学生の頃からマネっこしてましたし。北斗ちゃんにハデな服装をさせるのが好きで。
> いやなの。こういうの。
私もこのニュースはかなり胃に来ました。
絵を自分で描くこともありますが、依頼する事が多いので、なんだか見たことのあるテイストの絵を提出されると、しばらく悩んじゃいますし・・・。
これで読んでいた作品がなくなってしまうというのも、作者はもちろん読者だってやるせないですよね。今回の事件の作家さん、泣かせる系のストーリーが多いし。
> 出版業界
たま~にちょっとした絵を描く仕事の依頼をいただいたときなんか(そういえば転職前の会社の規定では副職はNGだったな)、「どういう絵がほしいのか具体的に言ってください」ってお願いすると、どこかで掲載された絵や写真をくれることが結構あります。トレースはNGでも、ポーズや構図を真似するのは商業ベースでもアリなんだなって思ってました。
もちろん、業界全部がそうなのかは分かりませんが(業界全部を知ってるわけじゃないし。むしろチョビットしか知らないし)。