覚書あれこれ

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ヘルメスについて

2009年09月17日 | タワゴトと萌え語り

まだまだ続く『世界女神大全』ネタ


道々に祀られてるヘルマとか、大きな神殿があるような話を聞いたことが無いとか、(ひょっとしてわたしが知らないだけであるのかもしらんが。)、後、概ね呉先生の影響で、薄ぼんやり「ヘルメス信仰=お地蔵さん」的なイメージを持ってしまっている見習いですが、信仰形態はさておいて、オリュンポスの権力構造からちょっと外れてる、という認識はあながちはずれでもないかと今回思うに到ったわけでありまっす。

ていうか、ひょっとして、ヘルメスって、後から来た印欧語族の男神より、先住民の大女神の系譜により近い神様なの?

元々支配者層の神様ってより、一般農民&牧者がこじんまり祀ってるようなローカル色を感じてはいたのですが、今回『豊穣を祈るための男根などの表現は、全てを内包する大女神(全て内包される方ですから、当然男神の役割も全てお一人で担当なさってます)の男性原理の現れである』というくだりを読んで、「あれ?これってヘルマ?」などと思ってしまったもので(単純です)。

それに、ヘルメスの死人を冥府に案内する役割も、よくよく考えたら鳥女神の職能とよく似てるなあ、と。

①まず、大昔の大女神というのは、世界そのもので、全ての恵み(食べ物も生き物も)は女神の子宮から出て、死んで女神の体内に帰っていく。そしてまた女神の子宮から生まれて出てくる、そんな風に考えられていたようです。循環型世界っスね!女神は生死を司る存在だったわけです。

②で、次、鳥。
鳥って空を飛ぶじゃない?水も泳ぐし。だから昔は人間には行けない別の世界とこの世界を行き来する存在だと思われてたらしいっス、更に言えば、鳥というのは大女神の、生の世界と死の世界を自在に行き来する側面の化身だと思われていたと。で、鳥の特徴を備えた女神を鳥女神、とするのですが、要するにこれって大女神の一面のことです。
(この鳥の特徴を備えた女神の痕跡は、一般にはアテナによく残ってるといわれてる)

③最後にヘルメス。空・海・冥府の三界を自在に行き来し、死んだ人間の魂を地下に案内する神です。(ただし、生き返らせてくれないあたりは所詮男神だよな)。
大女神(特に鳥女神)との二重写しがあまりに濃ゆ過ぎる…!!
そう思ってみると、靴だか帽子だかについてる羽も、そうか、界を渡る鳥の表象なんだなと思え…え?みんな最初から分かってたの!?(ズガーン)

これまで、

「足に羽って、……お前、ええ年してその飾りは恥ずかしないんかヘルメス~

と思ってましたが、ごめん、ちゃんと意味があったのね。

大体全ての知識が中途半端なので、嘘八百言ってる自覚ありありなのですが、ヘルメスの要素がどれとどれとどれで、どういう紆余曲折を経てとりあえずホメロスの描くヘルメスになったのか(その後の変遷は、文字の使用以降なので、とりあえずホメロスまで分かれば十分かなと)、非常に気になるところでありまっす!


ちなみに、ローマのヘルメス、ことメルクリウスは、もっと年の若い神様な気がしますよ。
根源にトゥルムスがいるとしても、そっちに関しては全然分からんのでとりあえず置いておいて、直接のローマでの前身らしきルクリイに関しては、明確に「富の神」じゃん。

富の神、なんて、商業活動が発達しなきゃ出てこない発想じゃない!?

てなわけで、ヘルメスのエピソードを受け継いだ方ではありますが、メルクリウスはヘルメスとはあんまりかぶらない、「商人達の神様」という認識なのでありまっす!(ていうか、そこしかかぶってない)
しかし、ゴールやガリアで北欧神話のオーディンにあたる神と同一視されてたんだよな。
どのあたりが同一視の原因なのでしょう。
最高神ユピテルは雷の神様だからトールだと思われたの?
(天候神てことでオーディンと一緒でいんじゃねーの?)(投げやり)
昔の人の同一視の基準がよう分からん…
交易・商業の守護神て意味で?
ヘルメスとの同一視もこのあたりっぽいから、ますますローマ人的には「メルクリウス=商業の守護」だった疑いが濃厚に…

後、ヘルメス→メルクリウス→魔術のつながりもよう分からん…
ヘルメスとエジプトのトトの同一視から来てるの??

…もっと精進したいと思います!

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