●歌詞
言葉に対する感性が貧相なことこの上ない残念な仕上がりのわたくしではありますが、時々、「おっ、この文句素敵☆」と思うことはあります。
(どうでもいいが「これは使える!」と思った二大名言は、再三申しております通り
1つ:「今はその時ではない」C・ラファエル・カストール『大航海時代4』
2つ:「だが、そのていどですんだだけでも幸いだと思わなければ。」C・上級天使『バロック』
です。色んな場面でリーズナブルに使えちゃうんだぜ!)
ていうか、最近偶然ネット上で拾った葛生千夏さんの歌の歌詞で萌えたというだけなんですが。
(君は葛生千夏を知っているだろうか!説明しよう。ご自分で音楽活動を営んでおられる傍らゲームミュージックも手がけておられた女性アーティストだ。某有名乙女ゲー『アンジェ●ーク』の音楽を手がけておられたと聞けば思い当たる方もいらっしゃるのでは(ジュリアス様のお部屋の音楽など個人的にとても葛生さんらしいと思います)。だが、わたしが葛生千夏さんの音楽と出会ったのは『アンジェ●ーク』以前、『三剣物語』のサントラだった。ちなみにこのCD、葛生さんの他にもザバダックなんかも参加しているとてもサントラとは思えない豪華な一枚なんだぞう!その冒頭1曲めで早くも魅了された単純なわたしはその足で中古CDショップに走り、度重なる幸運の末インディーズで発売されて入手が大変難しい(というのは後で知った)葛生さんの2枚のCDをゲットしたのである。1st『THE CITY IN THE SEA』、2nd『THE LADY OF SHALOTT』だ。これがまたテニスンやシェイクスピアのソネット、エドガー・アラン・ポーの詩に葛生さん独特の曲をつけた風変わりなCDで、おかげさまで未だに「The Lady of Shalott」の冒頭他いくつか詩を覚えてます。歌っちゃうから朗読は出来ないけど)
備忘のためにその歌詞をメモ
If you think you don't have how 'bout me?
(やったことないけど『ダークシール』というゲームの『Overcome Your Despairs』という歌の歌詞だそうです。C・葛生千夏)
直前に、ごくごく真面目でいかにもこういった曲にありがちな「絶望も、友達と一緒に乗り越えよう」てな感じの歌詞があり、その後にこのフレーズが続いています。
「もし誰もいないならぼくなんてどうだい?(意訳)」
OH!カワイイ!!直前まで「このくっさい歌詞はなんやねん臭ってきそうや」、などと思わせといて、なんというお茶目な口説き文句(口説き文句違う)!!
一緒に拾った『ダークシール』のも一つの曲『The Sword of Delight』という曲も葛生さんには珍しいポップなナンバーでとても良かったです。現在活動を休止されてる方なので新たな曲が拾えるととても嬉しいの!(←2枚のアルバムの他に『グラン・ローヴァ』も『ファンタズマゴリア』も持ってるフェチ)
嬉しいついでに、葛生さんのほかにも、これまでの人生の中で心に残ったフレーズなど書き出してみたいと思います。
●プレヴェールの詩の内二つ。
一つ目:王様とロバとわたし
「王様とロバとわたし
明日はみんな死ぬ
王様は退屈で
ロバは空腹で
わたしは恋で
時は五月!」素敵じゃない!
二つ目:夜のパリ「三本のマッチを1本ずつ擦る
夜の中
1本目で君の顔を一度に見る
2本目で君の目を
3本目で君の唇を
残りの暗闇で今の全てを思い出す
君を抱きしめながら」おフラーンス!万歳!
●ハンプティ・ダンプティの谷川俊太郎さんの訳(講談社の文庫のしおりに書いてあるやつ)「ハンプティ・ダンプティ塀に座った
ハンプティ・ダンプティ転がり落ちた
王様のお馬をみんな集めても
王様の家来をみんな集めても
ハンプティはもとには戻らない」もどらないんだ…
●CARMINA BURANAの『O Fortuna』の呉先生の訳 特に最後の
「mecum omnes plangite !」を「皆さんもわたしと一緒に嘆いてください」
と訳してあるのにはクラクラしました。大体が他の人の訳だと「衆人もわたしと一緒に嘆くがいい」的な日本語になるんですが、そんな中唯一丁寧語で訳してある呉先生の日本語訳は何か胸にキュンと来た(なんで!?)。
●葛生千夏さんの『ポピュラスのテーマ』の冒頭
「No one did this, so you shall do this(誰もかつて為したことがなかった。だからお前が為すがいい)」
まるでアテナ様の台詞のようです。
●これまた葛生さんの曲『A Recent Letter2』の冒頭
「If you’ve decided to ruin our land,
Do it now with your own hands.
If my candle should be blown off,
May it be with your own sigh」これもなんか好き!
●オマケで、昔の誰やらの作った「鴫たつ沢の秋の夕暮れ」という短歌も好きだったなあ。なんか、秋の穏やかな夕暮れの景色の中わーっと鴫がいっせいに飛び立つ様子が目の前に見えそうでさ。
後,、ドラマ『射雕英雄伝』の主題歌も好きだったなあ、雄大で。特にタイトルにもなってる「天地都在我心中(天地は共にわたしの中にある、てな意味)」の部分が好きじゃ。
多分、日本語じゃない方が限定されてない分美しい何がしかを自分の想像で補える余地があるから三割増で素敵イメージが残るんだろうなあと思います。
ああ、そうそう、も一つ忘れるとこでした。まどみちおの「かばのうどんこ」も妙に忘れられない一作です。
詩は覚えてないから書けませんが、確か、男の子が、友達の近藤君と喧嘩して腹いせに塀に大きく「こんどうのばか」と書くような筋なんです。その時右から自転車に乗ってきた近所のおっちゃんが「か・ば・の・う・ど・ん・こ、か。はっはっはっは」と読み上げて笑いながら通り過ぎる、というそれだけの詩なんだけど、何これ、めっちゃカワイイやん!
あー、スッキリした!
しかし、これだけ生きてきてこれだけしか心に残ってないとは、ほんと感性ねえな…(残念!)
→目次へ
→HPへ