覚書あれこれ

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『ロック・ユー!』

2006年12月25日 | 映画

Q:貴方は平民で、とある騎士の従者として身を立てています。騎士はとある馬上槍試合に出場中、後一勝すれば優勝、というところまで勝ち進んでいながら、打ち所が悪くて死んでしまいました。さて、貴方なら次に取る行動は?

 ①正直に主の死を主催者に申し出る。
 ②とんずらぶっこく。
 ③主の騎士に成りすまして自分が出場する。

 
 一般の善良な皆さんならおそらく①番を選択するのではないでしょうか。しかし、この映画の主人公の取った行動は…?→③番だったのです。


『ロック・ユー!』というタイトルに長い間勝手にロック歌手の映画だと勘違いして見なかったこの一作、では先ず早速、お薦めポイントから述べさせていただきます。

・若者が努力の末夢をかなえる話なので、基本カラーが明るくて罪がありません。何も心配せずに見てください。
・馬上槍試合、という史上稀に見るマイナースポーツが取り上げられています。マイナー好きの皆さん、更に歴史好きのマニアンな皆さんはきっとマニア心をくすぐられる事でしょう。
・それに何より、庶民パワー全開!だということです…!!!



ホントは身分の違いを乗り越え、夢を実現させ、愛する女性を手に入れる主人公のサクセスストーリーだとか、若さだとか、純粋さなどを見んといかんのでしょうが、それより騎士達の中に紛れ込んだ平民ご一行様が、特有のお気楽さとしぶとさと根性でのりきっちゃう行程の方が面白い!この、内心にやりとしてしまう爽快感は秀吉の成功譚や某『笑う●天使』などにも通じるのではないでしょうか。
また、主人公を応援してくれる平民仲間達の連帯感や親密さが、実に温かい!友情ものに弱いわたくし見習いのツボを見事にクリティカルヒットでございます!!庶民バンザーイ!!!

中世というと、暗くて宗教的で陰惨で、人々は抑圧されながら苦痛のうちに一生を送っていた、と想像しがちではないでしょうか。ですが、この映画を見て、恩師の「中世の人々だってみんな結構楽しく生きてたんですな。ルネサンス礼賛に目を曇らされて過度に暗いと思い込んではいけません」という言葉を思い出しました。いつの世だって、若者は恋をして、中年は酒飲んで、それなりに人生楽しんでいるのかもしれませんね。

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