清須市 傾聴ボランティア「みみとも」

愛知県清須市初 傾聴ボランティアグループ「みみとも」です。

ふーさん 後日談

2011-12-19 18:22:48 | みみとも 月例会
ロールプレイの役名:ふーさん(話し手さん・認知症あり80代女性) 今日聞いたお話です。


最初の聴き手さんとロールプレィをしていたとき、
聴き手さんの焦りなのか、

「そういえば、あの時、次から次へと矢継ぎ早に質問攻めだったわぁ」

「一生懸命 『あんた看護婦さん?』 と聞こうとしているのに
聞く隙間なく質問されるもんで、困っちゃった。」


 ドキっ

 身に覚えがある・・・。

なんて答えたらいいかわからなくなってしまう質問が出そうなとき
あえて全然関係のない話題を無理やり振って、その場をしのごうと変な努力をしてしまいます。

話し手さんからしたら、今、知りたいことを答えてほしいんですよね。

もっとちゃんとお話に耳を傾けて、不安にならないような答えを出せるように精進しなくてはいけない、と改めて気づかせていただきました。


ふーさん(仮名)ありがとうぅ。




昔話

2011-12-12 22:40:48 | 日記
昨年亡くなった父の思い出話です。

母が長期の入院をし、日中一人でいる時間の長くなった父は、さみしさがきっかけで認知症の症状が出始めました。

午前中から昼過ぎにかけては結構まともな会話が成立していたのですが、夕方近くになってくるとだんだんと落ち着きがなくなって不安そうに何度も同じことを尋ねてきました。
赤ん坊の黄昏泣きのような感じで、せつない気持ちになったのを思い出します。


夜中、仕事に行かなければならないと心配しだす父。昔は腕のいい建具職人でした。
とうの昔に仕事は辞めていたのに、道具の準備や段取りをあれこれと心配しています。
否定するのは簡単なことだけど、混乱に拍車をかけるだけ。現在と過去の自分が入り乱れて訳がわからなくなって、悲しそうな表情が忘れられません。
だから、「もう暗いから、明日の朝早くに起きて道具の手入れをしようか。私が手伝うよ。」というと、「そうか」と喜ぶ父。とりあえず安心したのか、昔の話を昨日の出来事のように聴かせてくれました。


こんなことがきっかけで、”傾聴”を技術としてとらえ、学んでいます。
父のおかげです。

忘年会

2011-12-10 14:55:30 | みみとも 月例会
今年の締めの月例会は、忘年会でした。

美味しい料理と楽しい会話とゲームであっという間の時間でした。


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 11月の月例会で行った、ロールプレィの続きです。


 認知症の方の傾聴で、聴き手の方を「あんた看護婦さん?」と聞く話し手さん。
 「違います。」 とお答えするたびに、混乱し、不安になられているのが伝わります。
 でも、ほんとに看護婦さんじゃないし、嘘をつくのもためらわれるし・・・。
 さぁ、どうしましょう。


 そこで ベテラン傾聴ボランティアさんの対応を見せていただきました。

 傾聴さん
「こんにちは、今日は近くに来たから、ふーさん元気かなぁ、って寄ってみたのよ。寒くなってきたけど、いかがです?」

 ふーさん(話し手さん)
「あちこち痛むことはあるけど、おかげさまで元気に過ごさせてもらっとりゃーす。ところで、あんた看護婦さんだっけ?」

 傾聴さん
「そうですよ。お元気そうでよかったぁ。じゃ、ちょっと脈でもみてみましょうかね。・・・あら、とっても調子よさそうよ。よかったわね。」

 ふーさん(話し手さん)
「ほうかねぇ。そりゃよかった。じゃぁ、お金払わないかんね。おいくらだね?」

 傾聴さん
「ありがとう。いますぐはわからんで、後で計算してくるよ。」

 ふーさん「たのむのん」

 傾聴さん
「ところで、最近なにかかわったことはない?・・・」


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 認知症のある方は、否定されると、混乱し、とても不安そうな表情を浮かべることがあります。そんな時は、すかさず看護婦さんでも、先生でも、店員さんでも、話し手さんが安心する答えの方にすっと変身して、女優になった気持ちで接するのも一つの手段となるようです。

 帰り際にはお金のことは忘れていることが多いので、心配せずにお話し相手になってみてください。
 もし、お金の心配を思い出されたら、「そうだった。すっかり忘れてたわぁ。じゃぁ、次にお伺いするときに請求書をもってくるね。思い出させてくれてありがとう」と感謝の気持ちを置いてくると、素晴らしい置き土産ですね。

自信をもって楽しい会話を弾ませてください。