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国籍法から婚姻要件を除外…改正案骨子固まる

2008年08月17日 | 日本の移民政策

現行の国籍法を違法とした最高裁判所の判決が出たのが今年6月4日であるから、おおよそ2ヶ月ほどでそれに対応した改正案ができあがってきているということになる。この改正によって日本国籍を新たに取得する子供が大勢いることを考えれば確かに早急の作業を迫られている。この判決以来、海外の日本領事館(特に東南アジア地域)にはひっきりなしに問い合わせがきていることだろう。

国籍取得の要件が事実上「緩和」される今回の改正案に盛り込まれるのが、偽装認知への罰則。悪徳移民斡旋業者などが認知というシステムを悪用したり、認知という行為を商品化する日本人がでてくる可能性が高い中で、それをどうやって未然に防ぐことができるのか?エンターテイナー枠での入国が厳しくなれば。配偶者枠ででも日本に人を送り込もうとする、なんでもありの業者や組織が日本にも送り出し国にもいくらでもいる。

どこまで偽装認知について厳しく追求するのかは記事からはわかりにくい。現在は認知に必要な書類といえば日本人男性の戸籍謄本と外国人女性個人に関する公式書類の提出のみだ。認知を繰り返すなど疑わしい場合などには今後、たとえばDNA鑑定などを導入・利用する予定なのだろうか?

日本のパスポートは20万-30万円で売れるという。世界で路頭に迷った日本人がパスポートを売ることも珍しくない。日本国籍に必要な「認知」の値段はいくらになるのだろうか。先進国での生活を夢見る多くに途上国の人にとってそれはプライスレス、お金では量れないほど価値がある。

国籍法から婚姻要件を除外…改正案骨子固まる8月17日3時8分配信 読売新聞


 日本人と外国人の間の非嫡出子(婚外子)が日本国籍を取得することを認めない国籍法を違憲とした最高裁判決を受け、政府がまとめた同法改正案の骨子が16日、明らかになった。

 〈1〉父母の婚姻を国籍取得要件からはずし、日本人の親に認知されることだけを要件とする〈2〉偽装認知に1年以下の懲役か20万円以下の罰金を科す--ことが柱だ。与党の了承を得た上で、臨時国会に改正案を提出する方針だ。

 判決のケースでは、母が外国人で、子どもは生後、日本人の父から認知されていた。しかし、現在の国籍法は父母の婚姻か、日本人の親の出生前認知を要件としているため、国籍取得が認められなかった。判決では婚姻要件を、「合理的な理由のない差別」とした。

 また、判決が「遅くとも(原告が国籍取得届を提出した)2003年当時には、婚姻要件は憲法に違反するものであった」としたため、改正案でも、03年1月までさかのぼって婚姻要件を満たさなくても国籍取得を認めることを付則で定める。

 ただ、認知だけを要件とした場合、外国に住む女性が日本人男性に虚偽の認知をさせて子どもの日本国籍を取得し、自らも在留資格を得るなどの「偽装認知」が横行する恐れが出てくる。

 現在は、偽の親が子どもの国籍取得届を法務局に提出しても罪に問われない。改正ではこうした行為に罰則を新設する方針だ。


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