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シリアのオタク

2009-07-05 01:09:54 | シリア生活
日本を出てから1週間経ったけど、やっぱりマンガが読めないのは悲しい。
僕はマンガがものすごく好きで、日本にいる時はサブカルチャー研究の一環として、毎日その日に発売する週刊誌をコンビニで立ち読みしていた。
マンガ喫茶も大好きで、ネットカフェ難民ならずとも(まぁ実際は難民でしたが・・・)、マンガを読むためにマンガ喫茶に毎晩通いまくっていたこともある。
さらに、僕が東京で3年間居候し続けた家の家主は、秋葉系でアニメ大好きで二次元しか愛せないオタクだったため、彼と一緒に住んでいた僕も、それなりにアニメに詳しくなっていた。

僕は普通に本を読むことは好きだけど、小さいころからマンガを読むことも大好きだった。
だけど、「マンガやアニメは子供が見るもの」というような考え方が一般的には根強くあって、そのため、26歳の僕がマンガを立ち読みしたり、ネットカフェに通って読んだり、youtubeでひたすらアニメを見続けていたりすることを子供じみていると非難する人もいる。実際、僕が働きだして終電を過ぎてから帰宅するような時でもマンガやアニメを欠かさず見ているというような話をすると、「いい年してアホちゃうか?」ということを言われることはたまにあった。


だけど皆さん、日本のアニメやマンガが、世界でどれほど評価されているか知っていますか?

アニメやマンガが世界中で高い評価を得ていることは、皆さん周知の事実でしょう。
でも、それが世界中でどれほどのインパクトを与えているかまで、よく知っている人は日本にあまりいないんじゃないか。

そんな日本の方に読んでもらいたい本がこれ。

アニメ文化外交 (ちくま新書)  櫻井孝昌著

本の内容を乱暴に要約すると、日本のアニメやマンガ、ファッションがどれだけ世界中で注目され、受け入れられ、影響を与えているかということと、それを外交ツールとして如何に利用できるかというようなことが書かれているのだけれど、「そんなん知ってるよ」と思っていた僕が読んでみて「えー!マジで!?」とビビってしまうようなことも書かれています。例えばど田舎の国ラオスや、軍事政権の国ミャンマー、イスラム教色がものすごく強いサウジアラビア等、およそ日本の文化なんか伝わってなさそうなイメージの国でも、日本文化は旋風を巻き起こしているらしい。
ドラゴンボールやドラえもんのみならず、ワンピース、ナルト、犬夜叉やコナン、僕の同居人も大好きだった涼宮ハルヒの憂鬱等、多くのマンガやアニメに世界中の人々が熱狂しているらしい。そのインパクトのデカさがかなり興味深いです。

この本の著者の櫻井さんは、日本の外務省がやっている「かわいい大使」の仕掛け人であり、僕はたまたま櫻井さんとご一緒する機会があって、アニメやマンガ、日本のファッションの素晴らしさや、櫻井さんのされている活動についてお話を聞くことができた。その際、僕が今度シリアに行くことを伝えると、日本のアニメの大ファンで、将来はシリアにアニメセンターを設立するのが夢だというシリア人女子大生を紹介してもらえることになった。

彼女の名前はヌールさん。イスラム教徒でダマスカス大学の日本語学科の3年生で、日本のアニメ好きが高じて日本語の勉強を始めたらしい。昨年一年間早稲田大学に留学していた時に櫻井さんは出会ったとのこと。先に紹介した櫻井さんの著書の中でもヌールさんの話が出てくるが、櫻井さん曰く、彼女は日本のアニメの中でもワンピースが大好きで、日本に来たら日本人とワンピースについてたくさん話ができると思っていたにもかかわらず、日本人が意外とワンピースを読んでいなくてがっかりしたそうな。ちなみに、僕もワンピースの大ファンである。

ヌールさんとは日本にいる時から数回メールのやりとりをしており、ダマスカスに到着してすぐに彼女と待ち合わせをして会うことになった。

ダマスカスの旧市街のバーブトゥーマで待ち合わせ。彼女はお姉ちゃんと二人でダマスカスに住んでいるらしく、現在サウジアラビアに住んでいる家族が夏休みでダマスカスに来ており、この日は普段サウジに住んでいる9歳の弟をつれてきていた。

とりあえず3人で近くにあるマクハー(カフェのこと)に入る。
お土産に持ってきていたワンピースのキャラクターの携帯ストラップを渡すと、「ありがとう!!早速つけます!」と言って彼女はカバンから携帯電話を取り出した。すると、携帯電話には見たことのあるキャラクターの人形がすでにつけられていた。

「あ、これナルトのサクラじゃん!」

「そうです。日本で友達にもらいました。」

「ナルトのキャラで誰が一番好き?」

「私は自来也が好きです。」

「ああ、俺も自来也が好きだよ!」

「ちなみに、弟はサスケとイタチが好きです。女の子は大体サスケとイタチファンが多くて、男の子では自来也が好きな人が多いみたいですね。」

「そうなんだ。俺は我愛羅も好きだよ。一番好きな話が、暁にさらわれた我愛羅を助けに行くところかな。」

それを、ヌールさんが弟に訳すと、

「なんで我愛羅が好きなの?」と弟が聞いてくる。

「うーん、何というか、我愛羅を助けに行くナルトの心境とか、そういうのに共感できるからかなぁ・・・・」

って、話の内容、めっちゃオタクです。笑
やばいね。マジで。まさかシリア人の女の子とこんな話が出来るなんて夢にも思わなかったです。本当に。

ヌールさんの話では、弟や家族が住むサウジアラビアでは、いろんな日本のアニメがアラビア語に訳されて普通にテレビで放送されているらしい。弟はそれが大好きで、いろんなアニメをテレビで見ているとか。
他方シリアにおいては、サウジに比べるとそんなにテレビでは見れないようで、彼女は海賊版のDVDをレンタルしてきて見ているらしい。実際この国は情報統制がされていて、ネットでyoutubeとかも見れないのだ。ほんと悲しい。

ヌールさんは日本語がペラペラで、アラビア語訳のアニメよりも日本語のオリジナルのアニメや漫画にこだわっているそうな。日本でもツタヤに通っていっぱいアニメを見たそうな。僕の知らないアニメのことまで、ものすごく詳しい。

マジ、オタクです。すごいです。そして、弟もオタク。


ヌールさんの話では、シリアではまだそこまで日本のアニメや漫画の認知度は高くないらしい。ダマスカス大学の日本語学科でも、アニメファンがそんなにいるわけではなく、ヌールさんがアニメに一番詳しいらしい。(って日本人にもこんな詳しい人あんまりいないと思うけど・・・w)

「シリアでアニメセンターを作るには、いろんな弊害があって難しい。」
とヌールさんは嘆く。
やはり、シリアという国の特色や、アニメは子供のものというような大人の考え方が、大きな弊害だという。この点は、日本と同じか。

「うちの父も、はじめはアニメや漫画に大反対でした。だけど、櫻井先生がサウジでされた講演を聞いてからは、父も考え方を変えて、今では家族みんなアニメの大ファンです。」

すげー、櫻井さん。やっぱこういう活動がそのうち実を結んで、アニメや漫画への理解が深まっていくのかな。尊敬します。
ヌールさんのアニメファン家族は僕に会いたがっているそうで、今度は是非おうちにお邪魔させてもらおうと思います。


というわけで、シリアのオタクの女の子のお話でした。
文章がめっちゃ中途半端だから、「アニメの何がすごいの?オタクの何がいいの?」というような疑問を持ったままの人もいるでしょうが、その点については先に上げた櫻井さんの著書を読んでください。
僕が言いたかったのは、「オタク文化は世界を変えうる」ということなんですけどね。
ヌールさんがアニメセンターを作ろうとするなら、僕も全力で手伝いたいっす。

それにしても、新しい漫画が読めないのはつらいわ。
どうしたらシリアで漫画読めるか、同居人だったオタクの先輩に相談中です。
なんかいいアイデアありませんかね。


最後に、ヌールさんの弟は健康に気を使ってか大きいマスクをしていて、そのマスクをちょっとズラして片目にかけると、ナルトに出てくるカカシにそっくりになりました。
「カカシに似てる!」というと、すごく嬉しそうに照れながら、

「でも、写輪眼は使えないよ。」

だって。
さすが、オタク。

↓↓↓↓



彼はカカシスタイルのマスクを気に入ったのか、この後ずっとこのままだった。
きっとサウジの学校にもこれで登校するんじゃないかな。


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6 コメント

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漫画 (ゆみ)
2009-07-05 11:37:40
実は私も漫画好きです。お下劣漫画専門ですが(笑)よしおさんと協力してなんとか漫画配信します!

あと、先生、私、うまくいきました\(^O^)/
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Unknown (ムーチョ)
2009-07-05 12:01:45
OIOI
もっと古い漫画の話をしようよ~
僕はJUMPせだいやねんから~
最近のはわから~ん。

まあ元気やっていて安心した。
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Unknown (masu)
2009-07-05 17:06:03
わたしはネジが好きよ。
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Unknown (あっこ☆)
2009-07-07 00:12:58
うちの妹もオタクだよー
こないだみなとみらいに一緒にいったら JUMP SHOPとポケモンセンターに大喜びしてた。
アニソンとか踊りながら歌ってるしw
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Unknown (アユミ)
2009-07-07 19:55:14
家にAKIRAあるけど、全く手をつけてない。
基本、少女マンガしか読まない。。
そうそう、こないだ練習してるって言ってた、ダンス!?は完成したん?

カルキさんやオルズンへのビデオメッセージも撮影し忘れたなぁ。結婚式の写真持ってって、ディビモモのディディとかにも覚えてるか見せるわ。
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Unknown (みつこ)
2009-07-07 20:33:30
>>ゆみ
信じるものは、いつか幸せになるものです。戦略はうまくいきましたか? 次こそ、僕たちゴールを目指しましょう。

>>むーちょ
漫画よりもアニメの方が広まりやすいから、アニメを見ている人の方が圧倒的に多くて、そうなると昔の漫画はアニメ化されて広がってるものがあんまりないので、昔の漫画を知っている外人はあまりいません。ちないみに、スラムダンクはアラビア語訳のアニメがあります。桜木の名前はハサンになっていました。キャプテンマージッドもそうだな。

>>MASU
日向ですか。
僕は仙人モードが使えるようになりたい。

>>あっこ
僕も、「涼宮ハルヒの憂鬱」のハレ晴れユカイのダンスを練習してたよ。部屋で踊ってたらさすがの同居人も引いてたけど。w

>>あゆみちゃん
練習してるダンスていうのは、パフュームですかね?
ハレ晴れユカイですかね?
パフュームは、完璧。ハレ晴れユカイは、中途半端。w
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