misty green and blue

Life is like an onion...

光と影

2013-05-06 | artist


滅亡への畏怖の念が生んだ幻想と退廃と官能が交錯する内面世界を象徴的かつ寓意的に表現した前衛芸術-世紀末芸術

アール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナー Alfons Mucha
ウィーン分離派の中心的芸術家 Gustav Klimt
ベルギー象徴派の代表的画家 Fernand Khnopff


今から10年位前になるだろうか
ある日何気なく立ち寄った図書館で、服部まゆみの『時のアラベスク』の文庫本が目に留まった

初めて知る名だったが、タイトルに惹かれた
繊細かつ幻想的な天野喜孝の表紙絵が魅力的だったことも大きい

読み始めると、その翳りを秘めた摩訶不思議な耽美世界にぐいぐい引き込まれていった-

第7回横溝正史賞を受賞した本格推理小説と謳っていたが、私には単なる推理小説に留まらなかった
相次ぐ奇怪な事件、舞台はロンドン、ブルージュ、パリを経て、再び東京の冬へ-
むしろ道行小説のような趣

何より印象的だったのは、暗示的な小道具として用いられたクノップフの『私は私自身に扉を閉ざす』の絵-イギリスの詩人 Christina Rossettiの詩
『誰が私を解き放つ』から着想を得たとされる作品だった

まるで当時の私を彷彿させるかのような、陰鬱な少女の風情......
見透かされているようで、少々戸惑った
反面、中世の面影を残す古都ブルージュに魅せられた瞬間でもあった


その後、折を見ては繰り返し読み返す大好きな作品となったが、Fernand Khnopffへの関心は徐々に薄れていった





“20世紀最後の印象派”、“バロック絵画の巨匠 ベラスケスの再来”と称えられた光と影の魔術師 J. Torrents Lladó
半世紀を待たずして短くも華麗な生涯を終えた現代の天才画家

肖像画と風景画で全く手法の異なる表現が特徴
古典と前衛が混在する斬新な手法が、彼の魅力
生前の彼と僅か5分間ながらも接する機会を得たことが、私のBijou Pleasurette

結局、彼を越える画家は、彼をおいて他にはいない


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