Feeling

エッセイ集

9月の情景

2004-09-30 01:16:49 | season
9月は神秘的な月だ。
夏の終わり、秋の始まり。
光が柔らかくなって、空が高く澄み渡る。
ふっとノースリーブの肩をなでる秋の風・・・
私はいつの頃からか、この季節にとても心地よさを感じるようになった。

9月の上旬はまだまだ残暑。
よく9月1日の始業式に、暑さで貧血を起こしたものだ。
充実の2学期の始まりは、久しぶりに会う日焼けした友達の顔・・
私はそんなに社交的な子ではなかったけど、学校をいやだと思うことは1度としてなかった。

9月初旬にパリに行ったことがある。
着いて2.3日は半袖の夏日だったのに、
翌週から驚くほど寒くなって、中旬にはセーターを着ていた。
9月のパリはことのほか早く来る秋で、ロマンチックというよりはただただ寂しい。

9月は社員旅行の季節だった。
最初の会社の社員旅行での西伊豆の青い空、
思いを寄せていた人の助手席に初めて乗った、わずか10分足らずの
ソフトボールグランドから宿までの帰り道、ドキドキした。

たくさんの9月の思い出と共に思い浮かぶのはいつも、9月の光だった。
ある時は眩しく、ある時は優しく、ある時はくもり空に薄く淋しく、
そして高く澄み渡る薄い水色の空、夕焼けに染まる透明な空・・
徐々に柔らかくなる光が、私の9月のイメージだ。

そういえば子供時代は、9月は台風のシーズンだった記憶もあるにはあるが・・

9月といえばお月見・・
下旬の中秋の名月の頃には、日も短くなり、すっかり夏から秋へ季節は移り変わっている。

♪めぐる季節の彩りの中 一番淋しい月(詞:September)

9月の光は、オレンジからクリームに日々色を変えながら、透明に注ぐ・・

今年も大好きな9月が終わろうとしている・・・

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